おもちゃのようなかわいさ。フエ伝統の"紙の花"
ベトナム中部にある古都フエの、お正月を彩る紙製の花「ホアザイ(Hoa Giay)」。
これまでは正月近づくフエで、祭壇などを彩るだけだったこのお花ですが、近年はそれも変化。おもちゃ箱から飛び出したような色とりどりのかわいさがフエ以外の人にも知られ、いまでは都市部のホテルやレストランなどベトナム各地でも時折目にするようになりました。
紙の花の歴史
この紙の花。作られているのは「タンティエン村(Lang Thanh Tien)」という中部フエの小さな村なのですが、その歴史は想像以上に古く、なんと300年以上前。
昔から厳しい天候や異常気象に見舞われることの多かったフエで、特に雨や洪水が多くなるテトの時期。正月に花を飾ろうにも咲くのが間に合わない、などの事情があり、始まったのがこの紙の花作りだそう。以来、毎年テト(旧正月)を祝う風物詩としてフエの寺院や民家の祭壇を彩っています。
紙の花作りが始まるのは旧正月前の旧暦10月頃から。これを本業として生計を立てるのは難しいため、主に兼業農家が製作し、小さいものであれば1本5000vnd〜2万vnd(約30〜120円)ほどの価格帯で、主にフエ周辺で流通しています。
大きな花束のほかコンパクトな1本タイプもあり、朝顔や菊、バラの一種など実はいろんな種類の花が含まれているそう。大小の花には、儒教の教えである「五常(仁・義・礼・智・信)」など、信仰的な意味が込められているそうです。
1年を通して祭壇などに飾られた花は、旧正月に新しい花へと交換され、古い花を燃やす「タウ(Tẩu)」と呼ばれる儀式を行います。
紙の花作りを見る・体験するには
ぜひ自分でも "紙の花作り" をやってみたいところですが、
現地メディアによると、旅行者向けの体験を受け入れているタンティエン村の農家数軒には、基本的に旅行会社を通して行く必要がある模様(外国人の場合)。
そこで調べてみると、比較的気軽に体験できそうな場所を発見。
英語対応にはなりますが、下記のどちらかでフエの伝統的な手工芸品の見学や体験、おみやげ調達ができそうです。詳しくはこちら(英語)
※タンティエン村の紙の花は ”蓮の花タイプ" もあるので、そちらの体験になる可能性もあり
手作り感のあるかわいさに思わず気持ちもほころぶ、フエの紙の花。
個人的にはお祭りの飴細工のような崩れない包装で、おみやげに買って帰れたらとも思うのですが、購入時期と場所も限られるため、まだ正直購入はちょぴりハードな印象。
ただもし部屋にこのお花を飾れたら、思い出も相まって気持ちが和むこと間違いなしです。
[参考]
Thanh Nien
Nguoi Lao Dong
VTV
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