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出会うって奇跡だね・下(『花束みたいな恋をした』)

良いことが起きたとき、それを「奇跡」と思うことで、その出来事をより有り難くかみしめることができる。

良くないことが起きた時には、「必然の試練」と思うことで、ポジティブに取り組むことができる。

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ブルーボトルを退社する際に、自分が使っていたカバンに、お世話になった方々から自主的にメッセージをもらいに行き、色紙のようなものができあがりました。みんな字体も違うし、絵を書く人もいれば、アホなこと、真面目なこと、本当に性格が出るなあと見ていてしみじみ思いました。会えずにメッセージをもらえなかった人もいます。これだけ自分の周りには良くしてくれる人がいたのかと、感謝してもしきれないです。とってもお世話になった、3人分のリーダーシップを発揮している店長から、

「起きることは必然」

というメッセージをいただきました。起きることにはかならず意味があり、それと向き合うかどうかを試されている。そう解釈できるから、とても勇気付けられる言葉です。自分に起きた出来事に対して、「なんでこんなことに、、、」という思考に陥り、腐れば、気持ちは上向きにならない。けれど、「立ち向かう必要があるのだ」と捉えることができれば、奮闘することができる。良いことが起こった時よりも、好ましくない出来事が起きたときに良いメッセージ。

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『花束みたいな恋をした』では、奇跡的な出会いを果たした二人は、最終的にはお別れします。これ、ネタバレでもなく、“5年間の記録”という題名に付されたコピーで分かるはず。「そんな結末だったのかよ!」と思った方、すみません。

二人の付き合い始め、麦くん(菅田将暉)は就職活動をせずに、立派なイラストレーターになるという夢を叶えるべく奮闘。対する絹ちゃん(有村架純)は、「社会ってそういうもんだよ、、、」という諦念を抱きながら就職活動に専念します。面接官からのきつい対応、上手くいかない就職活動に思わず涙。夢追う麦の言葉と支えに身を預けることに決め、就職活動をやめました。

そうして二人は同棲をスタートさせます。麦くんは先輩のカメラ事務所で働きつつ、イラストレーターとしてすずめの涙ほどの金額の仕事を引き受ける生活。絹ちゃんは、フリーターとしてアルバイト生活。お互いの仕事終わりに駅で待ち合わせして、河川敷を歩きながら家路につく日々。決して豪勢な暮らしではないけれど充実した日々を送ります。しかし、麦くんが、絹ちゃんを支えるべく零細イラストレーター生活から一度離れ、サラリーマンとして働き始めることに。これが、別れの始まり。

かつて「これが社会だよ」という絹ちゃんに対する面接官の言葉に異議を唱えた麦くん。しかし、サラリーマンとして働き始めると、諦念を抱きながら社会に馴染んで行くことに。一方の絹ちゃんは、自分のやりたいことを実現できる会社を見つけ、就職。

生きるためにやりたいことから離れた麦くんと、やりたいことに出会い、歩み始めた絹ちゃん。仕事観や人生観の違いによる必然の別れ。

理想と現実の残酷なコントラストを、カップルの出会いと別れにオーバーラップさせる、リアリティのある映画。青空の初々しさから、夕景の切なさまで、風景とストーリーを一緒に味わえます。

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別れは必然。理解できます。そこに至る過程を経ているから。しかし、出会いってどうにも奇跡に思えてならない。麦くんと絹ちゃんが改札で出会ったこともそう。自分にもそんなことがブルーボトルで起きていました。

入社当初、あまりにもお金がなくて、ブルーボトルの仕事の傍ら、休日は外貨の仕分けを行う日雇い仕事を1ヶ月半ほど行なっていました。それは品川駅からバスに乗って20分ほどの港にある倉庫。その日雇い仕事が終わるといつも、品川駅にあるブルーボトルの品川店行っていました。そこで、今もずっと仲良くしてくれている「S畑」という兄貴のような先輩に出会うことができました。僕がお店に行った時はちょうど彼が休憩中で、1時間弱、会話ができたのですが、まあ趣味が合う。ほぼ初めて会ったばかりだったのに、洋服からチェックしている出来事やら、合う。いろいろ話した末に、近々あるイベントに一緒に行くことに。

イベントにはもう一人、自分にとってのブルーボトルライフを楽しくしてくれた女の子「H」もいた。そのとき初めてちゃんと話したが、彼女も今でも一番よく連絡を取り合うマイメンの一人。もし彼が休憩中じゃなかったら。些細なできことだけれども、その瞬間に話せたことは奇跡だと思えてならなりません。

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「そんなこと?!」と思った人もいると思いますし、書いてみると、自分でも些細だなあと思います。でも、その些細な出来事を奇跡と思うか、ありきたりな日常の一コマと捉えるかで、日々出会うことのありがたみってグッと変わってくると思うんです。今自分が生きているのは、とてもたくさんの奇跡の上に成り立っている。そう噛み締めながら、自分の目標に向かって今日も生きていきます。


おっと!自分の目標ってなんぞ?それはまた次回以降に譲ります!

目標というと、最近ずっと好きで、ファンクラブに入るきっかけにもなったあいみょんの曲。最近のドラマの主題歌だけど、作ったのは2017年だそうですよ。歌詞が飛ぶほど素晴らしいのでぜひ骨身に沁みるほど、聴かせてください。長々とした文章を読んでくれた方々、ありがとうございました。


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