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小島秀夫監督とバーチャルフォト

 1月22日(土)、NHK Eテレの番組で、宇宙飛行士の野口聡一さんとゲームクリエイターの小島秀夫さんの対談番組をやっていた。
 小島秀夫さんは私からすると小島秀夫監督と呼ぶのが1番しっくりくる。私の尊敬する人の一人だ。

 忘れもしない1998年のある日、中学生だった私は小島監督にハガキを出した。こんな素晴らしいゲームを作ってくれてありがとうございます。後にも先にも、ファンレター的なものを書いたのはこのときだけだ。そのくらい、平凡な言葉で言えば感動した。そのゲームが監督の出世作である『メタルギアソリッド』だ。

 このゲームの素晴らしさを書いていては、いつまでもこの文章が終わらないのでそれはまた別の機会にゆずる。今回書きたいのは、このゲームに備わっていた一つの特徴について。

 『メタルギアソリッド』はSONYのプレイステーション初期頃の作品である。ゲームが2D的なドット絵から3D的なポリゴン世界へ移行する、まさにその境界面にある作品といえる。
 プレーヤーは主人公であるソリッド・スネークを操って3D空間を移動していくのだが、ゲーム内でそれまでのゲームでは考えられないような面白いアイテムを入手できる。

 それが、『カメラ』だった。
 主人公の視点から、ゲーム内世界を撮影できるのだ。
 ゲーム少年達はゲーム世界の撮影に夢中になった。ゲームのプレイ時間よりも、写真撮影時間が長かったくらいじゃないか。工夫次第で面白い写真がいくらでも撮れていつまでも飽きなかった。

 それ以来、小島監督の作品ではカメラは定番アイテムだ。

 最近のゲームは、1998年の当時とは比べものにならないほどに美麗なゲーム画面になっている。そして、多くのゲームが『フォトモード』を搭載するようになった。ヴァーチャル空間を撮影することが当たり前になってきている。

 監督の最新作、『DEATH STRANDING』は発売当初カメラモードを搭載していなかったが、アップデートで導入された。
 私は当然発売日に入手したが、カメラモードがなくてもスクリーンショットでヴァーチャル写真を撮りまくった。

 これからはゲームにとどまらず、ヴァーチャル空間での撮影があたりまえの世界になると思う。
 カメラを握っても、コントローラを握っても、美しく世界を切り取っていきたい。

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