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鉛筆の話をしよう ~epilogue 未来の話をしよう~

真庭市余野の入口にある、2本の大きな色鉛筆

それは四半世紀前、一人の男の気まぐれから作られました。

「日本一の鉛筆って言うのをテレビで放送されとってな。
これならうちでもできるんじゃないかと思ったんじゃ。」

その人は、
「日本一の鉛筆を作りたい」と、
友達に声をかけてまわり
溶接屋、塗装屋、重機屋、板金屋、と仲間を募ってその鉛筆を作り上げました。

ちょうどその前の年、
農村型リゾート施設「高仙の里よの」ができました。

2本ある鉛筆のうち、1本には
その施設を盛り上げるために「高仙の里」と書されました。

もう1本の文字は、
ここが急カーブに差し掛かる場所で、交通事故が多いということで「交通安全」と書かれました。
当時はお巡りさんにも褒めてもらったそうです。

時は経ち、、、
その想いを受け継いだ孫が、

「鉛筆の塗り直しをしたい!」

と声を上げました。

その想いに賛同した、
地元を愛する大人たちや、次代を担う子ども達が集い、作業を行い、
当時の姿を取り戻しました。

書をしたためた方は既に亡くなっていたため、
そのままの文字を残したい。
その思いからマスキングテープで丁寧にその文字を再現しました。

かくして、
大雨の降る中行われた、
地元の鉛筆復活大作戦は無事に事故もなく終わりました。

四半世紀前にこの鉛筆が設置されたときも、
今回と同じように、数々の困難があって、
みんなでそれを乗り越えて、
笑顔で、誇らしげにその姿を眺めたことでしょう。

これが日本一の鉛筆なのかどうかは定かではないですが、
日本一地元に愛されている鉛筆であることは間違いありません。

この鉛筆はこれから、また新たな時を刻んでいきます。
地域と共に。
幼い子供だった彼ら彼女らと共に。
そして四半世紀後、また同じように声をあげてくれる若者になってくれるよう、地域愛を育んでいくのが大人の使命です。

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