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「行司は審判ではない」って知ってた?

大相撲の行司は「審判ではない」っていうと結構多くの人から
「えっ」と感嘆とも取れる反応を受ける。
きょうはこの行司について考えてみる。

「取り組み」での行司の役割

土俵上での行司の役割は
「東西の力士を紹介」
「制限時間いっぱいを告げる(「待ったなし」という)」
「力士の立ち合いを仕切る」
「掛け声をかけて、盛り上げる」
そして
勝ったと思う方に軍配を上げる
「勝ち名乗りを与える」

これらが主に土俵上での行司の役割だが、
この中でも最も行司として重要な役割は勝ったと思う方に軍配を上げることだが、実は行司の軍配には最終決定権がない。

審判部の決定

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紋付き袴姿で土俵周りを囲み、行司の判定に意義ある場合には写真のように「物言い」をつけて土俵上に上がって審議する人たちを審判といい、勝敗の最終決定を行う。
審判の決定は絶対で、行司が間違って軍配を上げてしまうと、「物言い」後の審判長の説明で
「協議の結果、行司軍配差し違いで・・・」
とやられてしまう。

行司の格

この差し違いが重なったりすると、行司は降格になってしまうのだ。

行司にも力士同様の格付けがあって、十両格以上の行司は一人前で給料をもらえるが、幕下格以下は無給である。力士と同様、幕下格以下の行司は所属している部屋の雑用などをこなしながら、寝食を与えられている。

いっぽう
行司の最高位のことは「立行司」という。
式守伊之助木村庄之助のいずれかを名乗る
立行司は最後の取り組みを預かるわけだが、他の行司と違うのは、
現在でも短刀を脇にさしている
軍配を刺し違えたら、腹を切って詫びる
ということらしいが、このあたりがいかにも江戸時代からの武士階級の名残りを感じる。(現在はもちろんそんなことは許されないが、昔は(どのくらいかは定かでないが)本当に腹を切っていたらしい)

因みに江戸時代の力士は「武士階級」を与えられており、強い力士は大名お抱えという立場にあったという。

他のスポーツで例えると

したがって行司というポジションは、特殊で、競技者でなければ、審判でもなく、単なる飾りでもない。

今のスポーツに例えると・・・?苦しんで出した答えが
マラソンのペースメーカーか?
ちょっと違うなあ・・・

スポーツに例えると難しいが

他国の伝統芸能で申し訳ないが、闘牛の闘牛士が一番しっくりくるかもしれない・・・これもちょっと苦しいか・・・

ご苦労様です

行司の仕事は多岐にわたり、土俵上以外でも、
場内アナウンス
番付表の制作(あの相撲字はすべて行司が書いている)
などはすべて行司の仕事である。

大相撲が潤沢に開催されるために日夜努力されている姿にはいつも頭が下がります。

行司さん「お疲れ様です」

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