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しびれる日々

12月1日に十両昇進力士の発表が日本相撲協会からあり、息子の「琴裕将」が晴れて幕下力士から新十両力士として歴史に名を刻むことができた

幕下以下の力士は1場所7番相撲取るわけだが、九州場所6番目の相撲で息子は4勝目を挙げ、勝ち越しを決めた。
後で分かったことだが西幕下筆頭での勝ち越しなので確定ではないにしてもこの時点で7割以上の十両昇進が確定していたそうなのだが勝ち越しを決めたこの一番で実況の熊谷親方はこういった
「これで琴裕将は番付を下げることがないことは確かです」

「十両昇進おめでとう」とは言わなかった

ということは「まだわからないのだなあ」と思った
現に周囲も何も言ってこない
いつも勝ち越しを決めると電話をしてくる私の実家からも電話がない
「みんな多分しびれているんだろう」と勝手に解釈していた

東の筆頭で4勝して勝ち越せば前例では間違いなく十両昇進なのだが・・・
西筆頭は東筆頭よりも番付上では半枚弱いと言われていて周りの結果次第では筆頭で勝ち越しても次の場所に西から東に移動するだけという前例もあるほど微妙な位置なのである
そして次の日、息子の取り組みはなかったが東筆頭の元小結の「常幸龍さん」が十両の「東伯龍関」に負けて負け越しが決まった
この時点で各方面から連絡が盛んに入った
女将さんからは「たぶんこれで昇進は間違いないから場所後すぐに奈良に入ります。今から知事と市長にアポイントをお願いします」
というかなりしびれる内容のメールが入った

心の中で「本当に大丈夫なのか」という不安があるなか、女将さんのように経験豊富な人が言っているので「間違いないだろう(女将さんは元横綱「琴桜関」の娘さんで子供のころから相撲界に精通している人)」と私も少しタカをくくった。

千秋楽での息子の7番相撲をまえに私はある人を介して奈良県知事と橿原市長にアポイントを取ってもらった。
わりとスムーズに表敬訪問のスケジュールは決まったが、やはり心の中で
「明日もし負けたらどうなるだろう」
千秋楽前の14日目までにすでに幕下4枚目の「千代嵐さん」と2枚目の「芝さん」がともに勝って5勝目を挙げていた

千秋楽では十両の「矢後関」との対戦が決まった

千秋楽当日、息子の一番前の取り組みで3枚目の「北の若さん」が流血しながら激闘の末、十両力士を破って5勝目を挙げた
「ああああ・・」私は心の中で叫んだ
案の定息子は「矢後関」に立ち合いすぐの突き落としに敗れてしまった
息子は肩に力が入るとよくこの負け方をする
肩に力さえ入らなければいい相撲をするのだが・・・

今場所十両は多分3~4席開くはず・・・
これで2枚目の「芝さん」と3枚目の「北の若さん」は確定だろう
さて西筆頭の4勝3敗「琴裕将」と4枚目で5勝2敗の「千代嵐さん」のどっちが強いか
4席ならばどちらもいけるが、3席ならばどっちが強いか?

まさにしびれる

知事と市長のアポイントは取り消す事は出来ない

12月1日の十両力士発表までの3日間はこれまで54年の人生でも味わったことのない、また味わいたくないしびれる3日間だった

結果は十両の席が4つ空いたのでみんな上がれることができた

「😥」

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