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【柳澤厚生】国際オーソモレキュラー医学会


柳澤厚生 (やなぎさわあつお)

(自由が丘クリニック)東京都
陰謀度 4 ★★★★☆

【陰謀要素】
・オーソモレキュラー ・エセ医療 ・反WHO
・こどもコロナプラットフォーム ・WCH議連 ・反ワクチン

【マネタイズ】
・書籍 ・講演会

【関連陰謀論者】
森永宏喜神谷宗幣 ・松田学 ・吉野敏明原口一博 ・南出賢一
井上正康深田萌絵

【メモ】
◆1951年生まれ
◆長野県軽井沢 生まれ / 東京都 育ち
◆慶應義塾大学 理工学部応用化学科 退学
◆1976年 杏林大学 医学部卒
◆1981年 杏林大学大学院 博士取得 (医学)
◆自由が丘クリニック 院長
◆社団法人 国際統合医学会 会頭 (2009年)
◆国際オーソモレキュラー医学会 会長
◆点滴療法研究会 会長


■ 分子栄養学「オーソモレキュラー」

分子栄養学、またの呼び名を「オーソモレキュラー」とも言うエセ栄養学

その歴史は比較的浅く、1960年代に北米で研究が進み、日本では金子雅敏と北原健の医師ではない両名によって導入と研究がなされ、「オーソモレキュラー療法」という民間療法・代替医療として用いられるようになって行った。

当noteではオーソモレキュラーをエセ栄養学扱いしているのだが、「オーソモレキュラーを必ずしもエセ栄養学と切り捨てちゃダメだよ」と冷静に評価している人もいる。
じゃぐさんという方もオーソモレキュラーに冷静な評価を下している一人で、公平を期すために下記リンク先の良質noteも併せてお読み頂きたい。(オーソモレキュラーの扱いがザックリ分かる) ▼▼

仕切り直すと、オーソモレキュラーは「栄養学」や「療法」と呼ぶにはエビデンスが足りないことから当noteではエセ栄養学扱いしている。

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

さて、柳澤厚生という国際オーソモレキュラー医学会の会長がいる。

柳澤は大阪府泉大津市の反ワク陰謀論市長南出賢一を手伝って、「反ワク陰謀論者集団」と呼んで差し支えない『こどもコロナプラットフォーム』と『WCH議連』に参加し、反ワクムーブに大いに加担している反ワク陰謀論者の一人だ。
WCH議連については当notehimuroのページを参照。

柳澤はワクチン接種を絶対的に否定しないながらも反ワク活動を利用し、「免疫力アップが大事」だとばかりにオーソモレキュラーを薦めることにより、利益誘導のチャンスを広げることができる。

下記Xポストで柳澤は、「ワクチンが臓器に蓄積する」という不安煽りムーブを行なっている。だが、リンク先のコロナワクチンに関する詳細な評価報告を見れば、柳澤が悪質なミスリードを行なっていることが分かる。▼▼

また、柳澤は過去に実際、「ビタミンD摂取によってコロナ感染死亡率を減らすことが可能」かのようにも発信していた。▼▼

しかし、ビタミンD摂取からコロナ感染や重症化を防ぐ効果は確認されないことが分かり、柳澤の上記発信が肯定されることはないままだ。▼▼

さらに柳澤は、納豆の成分であるナットウキナーゼがコロナウイルス退治に効果があるかのように期待を持たせたりと、不用意な情報発信が多々見られる。▼▼

▲▲ このように「○○を食べればXXXが治る!」といった、極めて単純化された情弱騙しなキャッチコピーを使うインフルエンサーは多いが、柳澤は一人でも多くワクチン接種から遠ざけさせ、代わりにオーソモレキュラーに寄せ付けたいビジネス意図があることが透けて見える。

ハイ、柳澤のバックスクリーン3連発どうぞ。▼▼

2009年刊行
2014年刊行
2021年刊行

▲▲ がんパーキンソン病コロナウイルスも食べ物だけで克服できるかのようなタイトルの書籍たち。。マジメに働く他の医療従事者舐めんな。

薬やワクチンといったものに頼らず、「ビタミン」と「免疫力アップ」をキーワードにメガビタミン療法とも呼ばれる手法で病気に打ち克とうとするのがオーソモレキュラーの特徴だ。
そんな代替医療を信奉することによって標準医療を避けた結果、ウイルスに感染したり病状を悪化させる恐れすらあるためオーソモレキュラー療法は悪名高いエセ医療の代名詞になってしまっているのだ。

そして柳澤以外にもオーソモレキュラーをビジネスに活用しながら反ワク陰謀論者として暗躍する者がいることによって問題視されている。そのため、オーソモレキュラーが栄養学の皮を被った「エセ栄養学」と呼ばれる所以となっている。

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

とは言え、適切な栄養摂取によって身体が健康になったり健康状態を保てることは間違っていない。正しい栄養摂取が人を病気や体調不良から遠ざけることは事実と言える。
しかしながら、オーソモレキュラー療法を受けた患者が病状を回復させたのか?という事実を調べることは容易ではない。
効果比較という点でワクチンを例にとってみると、ワクチンの場合は接種者と非接種者の膨大なデータをかき集めることにより、間接的にワクチンの効果を実数として示すことが可能となっている。治験段階でも実用段階でも、そうすることで初めて客観的なデータを数値化して示すことが可能になるのだ。

(画像引用:東京新聞

しかし、オーソモレキュラー療法を施されたグループとそうでないグループの病状具合を比較をすることは叶わないし、そういう比較をしたデータも見たことが無い。もちろんビタミンの効果を示すデータはいくらでもあるのだが、ビタミン摂取が特定の症状を治すこと示す定量的な比較データが豊富に存在しないのだ。

普段、体調が悪い人に対して、「ちゃんとご飯食べて栄養摂ってね」と労りの言葉をかけることがよくあるが、その言葉はザックリ訳してみると「栄養素を満遍なく摂取して体調回復するんだよ」となる。大袈裟に言うとその栄養摂取を民間療法と言い換えることも可能だろう。風邪をひきそうになった際にレモンティーを飲んだり、生姜をすり潰して食べることなども民間療法の一種だ。
その民間療法を、効果目標をより明確にして実践的に行なっているのがオーソモレキュラー療法であり、その手法の中で対象者に特定の栄養素を狙って摂取させることで症状の回復を図る。

柳澤と同じく分子栄養学を利用するクリニックがあって、その『みぞぐちクリニック』公式HP上にてオーソモレキュラー療法による症例を示している。▼▼

▲▲ 上記リンク先の症例は数ある中の一例なのだが、症状改善例ではあるものの「3た論法」で片付けられかねない報告内容となっている。
「薬を使った⇒治った⇒だから効いた」という、実際にその効果を示すものかどうか判然としないことを、文尾に「た」が3つ並ぶことから「3た論法」と言うのだが、みぞぐちクリニックの公式HP上で示しているオーソモレキュラー療法の全ての改善例がこの「3た論法」に頼っているのである。

※ 「3た論法」解説 ▼▼

事情を知らない人がその改善例の数々を見れば、「オーソモレキュラー療法は効果がある!」と誤解しかねないが、それら改善例は必ずしも効果を示すデータではないというのがミソだ。効果はあるかも知れないし、無いかも知れない。
だからこそ効果を示すことのできないオーソモレキュラーはエセ扱いされ、あまつさえオーソモレキュラーを謳う医療従事者やインフルエンサーたちがデマを流布したり、反ワク活動に加担するという実例によって、「分子栄養学=オーソモレキュラーは危険、眉唾」とネガティブな印象を持たれているのである。

要するに、栄養士の国家資格を取らず、インスタントに「栄養学」の名を冠した肩書きで情弱を騙したい者たちが分子栄養学=オーソモレキュラーを自分の商売に結び付けて利用している、という実情があるのだ。
こういうのとか。▼▼

https://twitter.com/akirinnkoharu

日本でその悪質オーソモレキュラーの頂点に君臨する一人が陰謀論者の柳澤厚生だというわけだ。


■ 学問としての分子栄養学

本項では「分子栄養学」=オーソモレキュラーについて重要な補足をする。

まず、国家資格として栄養学は『栄養士』と『管理栄養士』に用いられ、栄養学の王道資格はこの2つである。
胡散臭いビジネスを行なう人物がその栄養士や管理栄養士の資格を持たず、誰でも簡単に取得できる民間資格を利用して、情弱騙しのインフルエンサーを気取るのはあるあるだ。(※当note参政党の重松雄子のページを参照)

栄養学「国家資格か国家資格以外か」

ここまで「分子栄養学」=オーソモレキュラーを散々けなして来たが、「分子栄養学」と名乗ったカリキュラムを提供している大学が実在する。
例を挙げると、立命館大学、広島大学、徳島大学、京都府立大学、岡山県県立大学などがそうで、そこで行なわれているのはれっきとした学問としての栄養学であり、決してエセ栄養学ではない。▼▼

一方で、中村学園大学/中村学園大学短期大学部では薬膳や中医学といった代替医療感覚で、「分子栄養学」と名乗ってオーソモレキュラー療法を狙ったカリキュラムを提供している。▼▼

▲▲ これら学問としての「分子栄養学」の名誉を守るために、エセ栄養学と揶揄されている「分子栄養学」=オーソモレキュラーとは分けて考えてもらえると助かる。


■ 血液クレンジング

点滴療法研究会の会長でもある柳澤は、「血液クレンジング」の名で知られるオゾン療法にも手を染めている。
血液クレンジングとは一定量の自分の血液を一旦抜いて、その血液を器械にかけて再び体内に戻すことで「疲労回復や抗がん作用まで期待できる」と謳うエセ医療だ。
2019年の国会厚生労働委員会で、厚生労働省は血液クレンジングの効果を認めていないと断言している。▼▼

しかも保険適用外の自由診療であるため料金設定が自由に行なえて、1回の料金相場が1~2万円と高額。
効果なんてどうでも良く、カネ稼ぎに利用できるのであれば何でもやってやろうとする商魂逞しい医療従事者は少なくない。

「血液クレンジングで老廃物がうんたらかんたら」▼▼

血液クレンジングの解説記事。▼▼


■ 関連note

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