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【詩】成人式前

 姿見に写る自分の姿は、
 いつもの自分と違和感があった。

 キッチリとしたスーツ姿、
 整えられたヘアスタイル。
 普段はだらしない自分とは、
 かけ離れた姿を静観する。

 成人式。
 無事、二十歳になれた事を祝う。
 大人になったという実感は無いけど、
 書類上だとなったらしい。

 不思議だよな、
 まだまだ気分に子供が混じってる。
 お酒は好きだし、
 タバコだって吸っていいんだ。
 だけど、駄菓子は未だに好きだし、
 偶に遊具で遊びたくなる。

 大人の基準で、
 年齢や肉体なのかな?
 そんな事を思っていたら、
 姿見の自分が無表情になった。

 違和感を抱きながらも、
 僕は玄関を出る。
 履きなれない革靴に、
 微かに痛みを与えられながら。

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