卯野有希路

短い文章で世界を創り出す実験を行う詩人気取り。不定期で投稿します。雑記等、詩以外も投稿…

卯野有希路

短い文章で世界を創り出す実験を行う詩人気取り。不定期で投稿します。雑記等、詩以外も投稿予定。 共感して下さると有り難いです。 ご連絡は各SNSのDM、またはメール(inbunsouko.10000@gmail.com)にて。

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  • 自作の詩篇をまとめています。 お気に入りを見つけてみて下さい。

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    エッセイとも呟きとも違う、短い文章をまとめています。 内容は雑多です。

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【ご報告】「卯野有希路」として自己紹介

 どうも皆さん。  いつも私のnoteを読んでいただきまして、誠にありがとうございます。  「韻文倉庫」、改め「卯野有希路(うのゆきじ)」と申します。  去年の11月末に「韻文倉庫」という、botっぽい無個性な名で活動を開始した私ですが、1月から「卯野有希路」というペンネームで、本格的な詩生活に身を置く事にしました。  この記事では私の自己紹介、「ペンネームの由来」や「今後の展望(野望)」について書いていこうと思います。 自己紹介  まず最初は自己紹介から。私の詳しいプ

    • 【詩】夜汽車

       彼女の望みは  実に単純であった。  この世界の片隅で  自分たちの痕跡を消したかったのだ。  深夜の酔いと共に  孤高な旅へと向かって行く。  誰も僕等を知らない  そんな夜を憧れた。  ……夜汽車は走る。  擦れる金属の音。  ガスや電気が心を揺らす。  ボックス席に座る僕等を  何処に連れて行く?  ……夜汽車は走る。  目指すは暗闇の果て。  名も無きプラットフォーム。  影に澄ます僕等を  受け入れてくれるのか?  空気を押し切る鋼鉄の塊。  複雑な機

      • 【詩】デパート内の喫茶店にて

         初めて来たその店は  老舗デパートの最上階。  ガラス張りを背にして  ブレンドコーヒーと  ドーナツを楽しんだ。  今まで行かなかったその店は  レトロで  エレガントでいい感じ。  ピアノ・インストのオフコースも  お洒落な照明も  飾られた抽象画も  素敵だな。  テーブルに置かれた  木製のペッパーミルも  使い込まれて  素朴な味がある。  良い年の重ね方をしている。  素敵なその店を  僕は気に入った。

        • 【詩】灯台

           街の中心にある丘には  小さな展望台がある  ペットボトルの緑茶だけを持って  僕は一人展望台まで登る  もうすぐ日が落ちる手前  誰もいない展望台に着く  一口、お茶を飲む  温もりが食道を通る  ベンチに座って景色を見ると  風がサァーッと吹いてきた  景色の先には灯台が見える  高い 高い  灯台が見える  変わらぬリズムで  回転灯を回す  強く発光し  回転灯は回る  グワン  グワン  黙って動く  フワン  フワン  光が揺れる  あそこ

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        【ご報告】「卯野有希路」として自己紹介

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          【詩】Time

           花が咲く  前髪が伸びる  いつかの風邪も治る  季節は何巡する  使っていないプロジェクターに  埃が溜まる  何年も眠ったままの望遠レンズに  カビが生える  行きつけの店は潰れ  その跡にアパートが建つ  両親は白髪が増え  皺も深くなる  友は町を離れ  連絡がつかなくなる  「昔は良かった」と嘆き  「昔に戻りたい」と願う  そして  気づけば嫌だったあの頃を  綺麗さっぱり忘れている  時は勝手に刻まれる  時は勝手に進んでいく  途中停

          【生存報告】 作品の方向性が定まり、執筆のスピードが上がっています。 ストックに問題が無ければ、来週月曜日noteに復帰予定です。よろしくお願いします。

          【生存報告】 作品の方向性が定まり、執筆のスピードが上がっています。 ストックに問題が無ければ、来週月曜日noteに復帰予定です。よろしくお願いします。

          【X投稿詩】2024年3月

           こちらは、Xにて投稿した詩のまとめです。タイトルは後付になります。 「雨」  最初の一粒は何処に降る?  僕の目の前に降ってくる。  雨は気まぐれ。  小さな子供と同じ。  僕等の日々に左右されず、  ワガママを通して威張っている。  最初の一粒は何処に降る?  僕の鼻先に降ってくる。  一つ、くしゃみ。  雨は柔らかく降ってきた。 (2024年3月5日投稿) 「目線の先」  かつての僕は、  空ばかり見ていた。  無限に広がる可能性に、  心を踊らせていた

          【X投稿詩】2024年3月

          【生存報告】 公募用作品の執筆の為にnote休止しているのですが、全然アイデアが浮かびません。如何しよう。 ……あ、あともうすぐ月初なので、毎月恒例のX投稿詩まとめを投稿します。よろしく。

          【生存報告】 公募用作品の執筆の為にnote休止しているのですが、全然アイデアが浮かびません。如何しよう。 ……あ、あともうすぐ月初なので、毎月恒例のX投稿詩まとめを投稿します。よろしく。

          【お知らせ】 公募用作品の準備の為、noteでの活動を3週間程休止させて頂きます。この期間中、Xの方は休まず活動していきますので、宜しければフォローして下さると幸いです。

          【お知らせ】 公募用作品の準備の為、noteでの活動を3週間程休止させて頂きます。この期間中、Xの方は休まず活動していきますので、宜しければフォローして下さると幸いです。

          【詩】春

           彼女の柔らかい黒髪は、  春風に誘われて揺れていた。  産まれたての翠緑は光り輝き、  彩りの側を流れる川のせせらぎは穏やかだ。  幼い花々たちの舞は、  喜びの頂点を表し続けている。  南南西からのギフトは、  神聖な存在による豊穣と平穏であった。  麗しき老女神は、  慈悲深い笑みを浮かべたままだ。  「今年も来たね」  いたずらっ子の君は言う。  去年から季節が一巡しても、  彼女は変わらず側にいてくれた。  変わらず爽やかな空気。  肺に一杯吸った。  何

          【詩】亀みたいな生活

           永く、緩く、  コツコツと。  亀みたいな生活を、  僕は憧れている。  ゆっくりとした時間の中で、  自分らしく生きている。  陽の暖かさに感謝し、  自然の恵みに喜びを感じる。  好きなモノを食べ、  好きな時間に寝る。  「ノロマ」と周りから言われていても、  そんなの気にせず笑っている。  永い時間を過ごす果て。  爺さんになっても、  楽しく過ごしたいね。  小さな孫から、  「亀みたい」って言われたら、  此方の勝ちだと思うんだ。  忙しい有り難み。  確

          【詩】亀みたいな生活

          【詩】凪 ー3月11日ー

           全てを奪った海は、  何事も無かった様に落ち着いている。  あっけらかんとした水面に、  やり場のない悲しみを浮かべた。  かつての町々の営みも、  あの笑いあった通学路も、  毎年の楽しみだった祭囃子も、  しんしんと降った雪の美しさも、  お小遣いをくれた祖父母の笑みも、  温かい母の手料理も。  ……戻る事の無い、全て。  潮風吹かれ、  僕はとうとう大人になった。  僕は嫌いになったそれ等を、  眺める事しか無かった。  一新した町々。  歩み出した時間。

          【詩】凪 ー3月11日ー

          【詩】卒業

           教室に桜の花びら、  風に流れて入ってきた。  窓際の席に座る私は、  この日々の終わりを感じた。  青春の足跡は、  私の足元に溢れている。  あの笑い合った記録は、  私の肉体に刻まれている。  有限の日々に、  紺色のインクで言葉を書き残した。  「ありがとう」という一言、  積み重なって道となる。  卒業おめでとう。  今日も風は吹いている。  桃色のトンネルを抜けて、  新たな旅路に出る。  明日からの日々、  希望を抱いて前を向く。

          【詩】卒業

          【詩】TOMORROW

           暗闇の世界が広がっても、  ランプをつければ明るくなる。  それと同じ様に、  願えばその様になるんだ。  今の君に明日は無い?  ずっと過去に囚われたまま?  ほら、頭を上げてごらん。  朝日はすぐそばまで来ている。  君は自由だ。  朝日に向かって飛べるんだ。  風は君を後押しする。  塞ぎ込んでちゃ駄目だぜ。  例え困難が道を塞いでも、  心のランプを信じろ。  明るく照らす光は、  いつだって君の味方さ。  明日を願えよ。  明日を信じろ。  道程の先に見え

          【詩】TOMORROW

          【X投稿詩】2024年2月

           こちらは、Xにて投稿した詩のまとめです。タイトルは後付になります。 「当たり前」  卵を割れば黄身一つ。  雨が降れば傘を差す。  働き過ぎて疲れたら、  夕焼け小焼けでまた明日。  当たり前を理解して、  当たり前を享受せよ。 (2024年2月2日投稿) 「雪が降った後の事」  雪溶けて、  ドロドロになった大地の上。  靴を濡らして、  危なっかしい道を歩む。  雪は儚い。  雪は切ない。  だけど遺された後始末は、  儚くも切なくも無い。  あぁ、面倒

          【X投稿詩】2024年2月

          【詩】斜陽に生きて

           向かいのピザ屋の店員、  疲れを隠さずに働いている。  トマトソースで汚れた両手に、  覇気なんて微塵無いな。  隣りの塾に通っている、  中学生たちも苦しそうだ。  夕陽と共に遊んだ、  あの日の思い出なんて忘れたんだ。  独りぼっち、  自転車に跨り走っている。  靴紐解けた、  くたびれたシューズは無言のままで。  甘えたがる、  自分の欠点押し付けた。  太陽傾き、  孤独を倍増しにしてるんだ。  海岸通りを越えて、  君の街へと走り続けよう。  ルーズ

          【詩】斜陽に生きて