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【X投稿詩】2024年3月

 こちらは、Xにて投稿した詩のまとめです。タイトルは後付になります。


「雨」

 最初の一粒は何処に降る?
 僕の目の前に降ってくる。

 雨は気まぐれ。
 小さな子供と同じ。
 僕等の日々に左右されず、
 ワガママを通して威張っている。

 最初の一粒は何処に降る?
 僕の鼻先に降ってくる。

 一つ、くしゃみ。
 雨は柔らかく降ってきた。

(2024年3月5日投稿)


「目線の先」

 かつての僕は、
 空ばかり見ていた。
 無限に広がる可能性に、
 心を踊らせていた。
 あの時は馬鹿だったんだ。

 今の僕は、
 地面ばかり見ている。
 日々の苦しみに、
 目線を上げる暇が無い。
 今も変わらず馬鹿なんだ。

(2024年3月9日投稿)


「コンピュータ」

 神経の様に張り巡らす、
 彩のあるコードたち。
 それに繋がった液晶画面から、
 不可解な波紋が写し出す。
 非人的な計算回路で、
 冷酷な結果のみ導き出す。
 そうしてコンピュータは、
 熱を吐き労働する。
 人に任せず、
 人に頼らず、
 そうしてコンピュータは、
 弱音を吐かずに労働する。

(2024年3月13日投稿)


「送電塔」

 銀色の身体の巨人は、
 今日も枯れ葉の上で居座っている。
 何も言わず、
 何も聞かず、
 淡い雲の下で、
 純粋な刺激を待っている。

 彼は送電塔。
 この町にずっと居続ける。

(2024年3月17日投稿)


「指先だけでキスをしよう」

 指先だけでキスをしよう。
 退屈な夜を終わらせる為に。

 映画のワンシーンの様な、
 バラードの一節の様な、
 そんな美しさは無いけれど、
 絡み合う指先から、
 水滴が垂れたなら、
 その刻を記録して、
 僕等だけの記念日にしよう。

 ……指先だけでキスをしよう。
 退屈な夢を終わらせる為に。

(2024年3月21日投稿)


「旅立ち」

 愛用のメモ帳とペン、
 何枚もの写真をカバンに詰めて、
 僕は遠くの国へ行く。

 目的地は楽園だという。
 噂でしか知らないけど。

 向こうでの生活が落ち着いたら、
 いづれ手紙を出そうかな。
 家族や友達、
 故郷で暮らす大切な人々に向けてね。

 ……それじゃ、いってきます。

(2024年3月22日投稿)


「灰色の午後」

 どうか雨よ、
 悲しみを流せ。
 灰色の午後に、
 癒えない傷を怨み思う。

(2024年3月23日投稿)


「漆黒の芸術」

 ゴッホ、
 ムンク、
 鴨居玲。
 負の感情をキャンバスに打つ蹴る。

 カフカ、
 ドストエフスキー、
 太宰治。
 負の感情を原稿に叩き込む。

 恐怖、破滅、
 そして生きづらさ。
 取って付けた様な彩りを貶す、
 漆黒の芸術に幸福を。

(2024年3月26日投稿)


「理想論」

 素晴らしい文章とは何か。

 それは、
 精密機器の様に精巧で、
 手榴弾の様に爆発的。
 だけど、
 毛布の様に温かく、
 母親の様に受け止めてくれる。

 そんな文章を、
 私は書きたい。

(2024年3月30日投稿)


 2024年3月20日の投稿を最後に、noteでの詩の投稿を一旦休止しXを中心に活動している私ですが、最近「noteとXの詩の在り方の違い」について自分なりに考察してみたいと、考える事が多くなった様な気がします。
 まだまだ初心者ではありますが、去年11月の活動開始からそこそこ時間が経ち、様々なテーマで数多くの詩を書いてきました。
 そんな活動の中、「一つ筋の通ったテーマが無い」という欠点が、最近浮き彫りになってきた印象があるのです。
 だから「自分の詩に対しての自己考察」は、詩人としての己の在り方を考えるのに良い方法だと思ったのかもしれません。
 それに、1月以降雑記の投稿が疎かになってきているので、これをテーマに雑記を一つ書くのも有りかもしれません。

 公開はいつ頃になるかはまだ未定ですが、いづれそれ等について書いていこうと思っておりますので、楽しみにして頂けると幸いです。

 最後になりますが、引き続きnote(一時休止中)の他にXにて詩を投稿しておりますので、Xのフォローもよろしくお願いします。

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