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【詩】斜陽に生きて

 向かいのピザ屋の店員、
 疲れを隠さずに働いている。
 トマトソースで汚れた両手に、
 覇気なんて微塵無いな。

 隣りの塾に通っている、
 中学生たちも苦しそうだ。
 夕陽と共に遊んだ、
 あの日の思い出なんて忘れたんだ。

 独りぼっち、
 自転車に跨り走っている。

 靴紐解けた、
 くたびれたシューズは無言のままで。

 甘えたがる、
 自分の欠点押し付けた。

 太陽傾き、
 孤独を倍増しにしてるんだ。

 海岸通りを越えて、
 君の街へと走り続けよう。
 ルーズな恰好、
 どうしようもない論理。

 今日に別れを告げて、
 不確定な未来へ動き出す。
 期待なんて持ってない、
 僕等はロンリー。

 夕陽と共に遊んだ、
 褪せた遊具はもういないけどさ、
 忘れない幼心、
 棄てないさ恩義。

 今をなぁなぁに生きて、
 野垂れ死ぬ事は分かってるさ、
 それでも歩みを止めない、
 僕等はオンリー。

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