「お薦め銘柄は何?」と聞く人が儲からない理由。エヌビディア決算から学ぶ
「おススメの個別銘柄教えて!」「何に投資してるの?」
皆さん、耳にしたことありませんか?
先月のエヌビディア決算は話題になり、個別株投資をしている人にとって大きな学びになったのではないでしょうか。今日は、データと統計学から、個別株をやっている人の”勝率”に迫っていきたいと思います。
エヌビディア決算は記憶に残るものだった
今年2月のエヌビディアの決算は皆さん、記憶の残るものだったのではないでしょうか。
実は、決算の前からかなり盛り上がっていましたよね(リンク)
そして実際ふたを開けてみると、売上や1株利益、様々な指標の予測を、全て大きく上回って、そして株価は取引開始直後に13%上昇し、過去最高値を更新。大きな話題となりました(リンク)。
そして決算後も、同社取締役が自社の株を2億ドル弱分売ったりと(リンク)、その後も株価は急高騰し続けており、ホントに話題が絶えません笑
金融プロの予想は… ぇ?
この2月の決算の後日談をしたく、実際、業界のプロはどう予測していたのでしょうか?
決算の直前に、42人の証券アナリストがNVDAの目標株価を発表していました。 最高目標株価はLoop Capital Markets社の1200ドル、最低目標株価はDeutsche Bank社の560ドル。その幅は倍以上の開きが。驚きですよね。こんなにも見解がブレるかと…
ただ、これは今回だけではありません。この一つ前の決算についても予測を大きく外しています。去年11月に発表した決算では、市場の高い期待に会社見通しが届かず株価は下落。またその前の、8月決算では、決算や見通しが市場予想を上回り、発表翌日の株式市場で急伸して始まったものの、その後は市場全体の値下がりに押されて失速。
どうしてこうプロでも個別株の予想が難しいのでしょうか?
データから読み解く確率ゲーム
結論から言うと、株価を当てるということは「当たり外れが大きい」ことです。これは「個別銘柄の株価の変動は激しい」=リスクが大きい、ということを言っているわけではありません。単純に当たる時と外れる時のWINとLOSEが、両方向に大きいということ。
ここの違いは大事なので、国内株のデータを使って、補足させてください。
この図でもわかる通り、特定の銘柄の動きが激しく上下する、ということを言っているのではなく、株全体を見てみると、当たるものと外れるものの幅がとても大きい、ということを言っています。
加えて、株式市場の動きにはもう一つ特徴があります。それは、大きく上昇して株式市場をけん引する銘柄が数少なくいること。全体が足並み揃えて上がる… なんてことはない、ということですよね。今回のエヌビディア社はまさにそう。S&P500の株価指数が、シンプルに一社の決算、かつ1日だけで数パーセント動いてしまった。これは驚愕です。
ということは、市場を上回って上昇する銘柄の絶対的な数が「とてつもなく少ない」ことがわかります。これはファクトです。上のグラフでの右端にいる企業はほんと一握り(右側の極度な“ロングテール”)。それを当てるのは確率的に難しいということは、考えてみれば、そりゃ当たり前ですよね。
そしてさらに特徴があります。エヌビディアも今回はよかったけど、前回の決算はよくなかったという話がありました。上がり続ける銘柄はさらに、めちゃくちゃ少ない。
お分かり頂けたでしょうか?株式市場の三つの特徴を考察してきました。
が故に予測が難しい、勝率が低いゲームということです。確率論的に「オススメ個別銘柄を聞いてる人」というのは儲からない、そう言えるということ。ただ、勝った時の金額は大きい→成功者バイアスでよく耳にする→憧れる→やってみたくなる、のサイクルの気持ちはとても理解します。
仮に統計学や金融工学を勉強したアカデミック(むしろ投資プロはこういう高学歴な人ばっかり)でも、外すことを意味します。勝率が低いゲームを勝ち続ける、というのは難しいですよね。それは、業界にいるプロでもそうなのです。
と言いつつも
一番間近な実の父が、実は個別株をしていた… というのは矛盾?と思われるかもしれません。詳しくはぜひ記事の中で、”家族だからこそ”の気持ちを綴っています。私たちの見解としては、銘柄選び、上手なリスクの取り方など、私たちみたいな一般の素人がこなすには厳しいと思ってます。
投資はギャンブルとは違う
一つここで言っておきたいのは、個別株投資を決してギャンブルと似ている、と言っているわけではない点です。情報収集をして投資指標なども参考にして銘柄を選ぶ、その過程はその根底にあるビジネスモデルや時代潮流等の”読み”が存在するからです。
FXや仮想通貨も最近盛り上がっていますが、私たちは一切やっていません。仮想通貨に魅力を感じないのは、"なぜ"ここまで急騰しているのか、理由が分からないから。それを説明できないと再現性がなく、1回勝つことは(結果論として)できたとしても、勝ち続けるのは難しい。無理に近いからです。
インデックス投資の魅力はそこにある
これまで、TOPIX全体の収益率のデータ分布から、個別銘柄を当てる難しさについて考えてきました。
実はこの「全体の分布」というのがキーワード。これは過去の偉人も現存の偉人(バフェット氏等)も、幾度となく言われていることですが、答えは「分散×長期投資」です。個別銘柄を当てるのは難しいが、市場全体の流れをあてるのはそんなに難しくない。これもまたデータでわかっていることです。
ただ、投資の方法に正解はありません。他人がとった選択を否定しないことも大切ですし、投資で唯一絶対正しいと言えることは「リスクを取らずリターンはない」ということ。リスクと向き合ってとる「勇気」と、いかにスマートにできるかという「少しの勉強」は欠かせないものだと思い、今日もこのブログを書いてます。
再掲)どんなブログにしていくの?
改めて、今年1月からこのブログ始めました、インデックス夫婦です!ここでは、新NISAについて、初心者から中級者に向けて有益情報を発信していこうと思います。特徴としては 「図解で」そして「一口サイズで」で学んでいく!これまでも以下のような記事書いていますのでもしよかったらぜひ!
今後このようなトピックを扱っていこうと思っており、Xも始めたのでぜひフォローお願いできたらと思います!
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