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素材で一変する魅力

こんにちは、エディです!
腕時計の世界では、その精密なメカニズムだけでなく、使用される素材にも大きな魅力があります。特に時計ケースに使用される素材は、機能性と美しさを兼ね備え、時計の個性を際立たせる重要な要素です。

素材の種類

まずは全体像をみていきましょう。腕時計のケースに用いられる素材は大きく分けて、以下の5つのカテゴリーに分類できます。
(※僕の個人的意見も大いに含まれておりますが、ご愛嬌…)

ケース素材の一覧
  • 貴金属 (Precious Metals) :金、プラチナ、銀が主に用いられます。これらは純度を調整し、他の金属を混合することで、強度を増し、加工しやすくしています。

  • ステンレススチール (Stainless Steel):鉄・クロム・ニッケルの合金で、名前の通り、錆び(Stain)にくい(Less)(Steel)です。その耐食性と強度から、多くの時計ケースに用いられています。この素材は、その含有成分や特性によって、各メーカーが特許や商標を持っており、実は200以上の種類があります。

  • チタン (Titanium):1970年から使用されるようになり、ステンレススチールの約60%の軽さを持ちながら、耐食性や耐熱性、強度に優れています。また金属アレルギーを引き起こしにくい特性もあります

  • 超硬質素材:鏡面仕上げがある時計は、傷がつくと目立ちやすいことから、耐擦傷性に優れた超硬質素材が最適と言えるでしょうk。特に高級ドレスウォッチに用いられます。

  • その他:洋銀や黄銅、最近Swatchコラボで有名になったバイオセラミックなどがあります。

時計の仕上げによって傷が目立ちやすい(出典

同じモデルでも様々なライナップ

各社、同じモデルでも、素材を変えて豊富なラインアップにしています。例えば、BlancpainのFifty Fathomsというモデルにおいては、素材を変えて(素材以外にも、内部機構自体がそれぞれ違いますが)幅広い消費者のニーズに対応しています。

値段も数百から2000万程度のものまで(公式HPより)

素材が変わるだけで、腕に乗った感覚や見栄えがガラッと変わるのが、面白いところです。「写真だけじゃわからないから店頭で手に取って」というのは、本当で、僕も何度も手に取ったときの、時計の変貌ぶりの驚かされたことか…。ケース素材は、肌の色だったり、普段の服のスタイルだったり、いろいろと相性があるので、ぜひ好きな時計の実機をみる!ということをしてみてください。

貴金属の純度

金は、純度を「カラット(Karat)」という単位で示します。純金は軟らかすぎるため、時計製造には18/24カラット(または「18金」や「K18」といい、75%の純度を示す)が用いられることが多く、これは最も美しく加工できる金の品位だからです。
(※カラットは、宝石の重量単位を示すカラット(Carat)と混同しないよう、注意です!)

つまり残りの25%は他の金属の金の合金です。それによって、イエローゴールド、ホワイトゴールド、ピンクゴールドなどができて、それぞれ異なる色合いを出しています。

金もプラチナも銀も、その純度を示す「品位証明記号」、またそれを証明する組織のマークも定められています。これらをホールマーク(hallmarks)といい、時計ケースの裏ぶたに刻印されているので是非チェックしてみてください。

次の画像だと「Au750」の表記がるので、18金ということですよね。その横にも「750」とセントバーナードの横顔の刻印があるのが見えますでしょうか。なんとも味がありますよね。これらはスイスのホールマークです。1mm程度なので、肉眼でなかなか見ることは容易ではなく、虫眼鏡やルーペで確認しないといけないかも…!

ショパールの裏蓋のホールマーク(公式Xより)
拡大してみると…(出典

ホールマークは国によってその表記も異なります。

英国のホールマーク
日本のホールマーク

おわりに

ケース素材は、耐久性という機能的な意味合いもありながら、時計の美しさそのものに大きく寄与します。ご自身の時計の裏のホールマークを確認もしてみてください!その意味がわかってくると、愛着が増すのでは…?

最後余談になりますが、先ほどのBlancpainのモデルを原型に、去年Swatchからコラボとして6万円程度のものが出て話題になりましたよね。その素材はバイオセラミックといって、Swatch開発・特許取得済みものみたいです。3分の2が高級時計で使用されるセラミック、3分の1がヒマシ油を原料にしたバイオ由来素材を独自にブレンドしたもので、非常に耐久性があり、6色のカラーで出して、より広い層で話題を生んでいます。

Swatch×Blancpainコラボ(公式HPより)

(※ヘッダー画像も公式HPより)


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