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攻殻機動隊SAC2045s1 ネタバレ全開考察:ep04 ポストヒューマンの正体 ~物語の核心1A84の正体【中編】~

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(出典:攻殻機動隊SAC 第2話 暴走の証明 より播磨研究学園都市)


【逆転する認識、価値観の変容による再解釈】

ポストヒューマンは悪ではなく
公安9課も正義ではない
そして戦争とは平和である

中の描写や、神山健治氏の発言、SACが貫いてきたコンセプト等から新らしい攻殻機動隊を再解釈する

時代に追いつかれた攻殻機動隊という世界から見る現在はどんな姿をしているだろうか。

あなたが悪いと思っているものは本当に悪いものなのだろうか。


目次まで読み飛ばし可だけど前提情報なので出来れば読んでね


前編ではオリュンポスという未来の話から始めたが、今回はちゃんと攻殻機動隊の話から始めたいと思うので安心してほしい。ただし過去の話だけど。

忘れがちであるが、そこそも攻殻機動隊とはSF作品だ。マトリックスを始めとした世界のSF作品に大きな影響を与えたゴリゴリのサイエンス・ファンタジーでありローファンタジーである。
電脳化が進んでいるなど解り易い文明、科学レベルの違いは描かれているが根本的にどれほど違うのかという前提はSACシリーズでは描かれていない。

原作では大変珍しい親切さで、士郎正宗氏がその前提を教えてくれてるので紹介しよう。

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なにこれ気持ち悪い。

と思った方には申し訳ないがこれは画像内の説明文にもあるとおり、
1998年に播磨研究学園都市で創られた成長型ニューロチップだ。

1998年時点でこのレベルである。この時点でこれを読んでるあなたが住む世界よりずっと進んだ科学力を持っていることが分かるかと思う。

ここで言うニューロチップとは、いわゆる一般的にニューロチップと呼ばれるものとは大きく違う。現実世界で研究が進んでいるのはニューラルネットワークチップであり、ニューラルネットワークと言うニューロンの仕組みを擬似的に再現した仕組みでチップを作ろうという試みだ。

神経細胞という、情報処理と情報伝達に特化した細胞そのものでチップを作るニューロンチップとは全く違うものである。

この画像で示されているのはニューロン(神経細胞)そのもので構成されたニューロンチップだ。しかも成長型であり過剰成長している。この過剰成長とは「過剰成功」と言ってもいいだろう。つまり現実世界と攻殻世界の比べ物にならない科学レベル違いをこの画像で教えてくれているのだ。

解り易くまとめると「1998年時点で既に成長型ニューロン(神経細胞)チップという生体コンピューターが開発されている」という事だろう。そしてこのニューロチップこそ電脳技術ビッグバンと呼ばれる技術革新をもたらし、電脳化という恩恵を人類に促した最大要素だ。

ちなみに神山健治氏による「東のエデン」も攻殻世界の過去を描いた同じ世界の物語であり、この物語に登場する「ATO播磨脳科学研究所」もこの播磨研究学園都市内の施設である。

更になんとタチコマ先輩もチャキチャキの播磨っ子だ。

さて、攻殻機動隊の様々な技術の根本には成長型ニューロチップがあるという前提を共有したところで今回も全開で語っていこう。楽しんでくれれば嬉しい。


ポストヒューマンについてだけ読みたいヒトは目次からサクッとどうぞ


【1A84の影響規模】

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さあポストヒューマンの正体とか言いながらさっそく1A84について語ろう。

1A84とは大規模なゴーストハックを行っている存在であり

ネットを介して電脳に干渉し、大衆の「主張(意思)」に基づいて
産業としての戦争を外で行う事で「富や価値を増やし」
自らの端末として「バイオロイド」をヒトとヒトの仲介者として置き
思想や思考を「拡張」「変更」する事で
人間及び社会を「総意的」に統制(コントロール)する

事ができる人工知能(AI)ではないかと、前回でも一部語ったが今回は詳しく語っていこう。ここでのゴーストハックとは電脳を介した思考、思想などへ干渉だと考えて欲しい。

では大規模なゴーストハックとはどれくらい大規模なのだろうか。そのヒントがおそらくこのシーンだ。

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ゲイリーがポストヒューマン症状を発症した前後3ヶ月に確認された「発熱、異常な食欲、更には人格の変質」を医療データと重ね合わせて解析した結果、ポストヒューマンになった可能性がある人物をパシフィック・リム(環太平洋地域の事だと思われる)に10万人確認したとある。

10万人確認した。いや多いよね。

いくらなんでも10万人は多い。はい来ました違和感。とっても違和感です。ということで攻殻の違和感には必ず何かあるのコーナーをはじめます。

さて雑に言うとこの10万人。「発熱、異常な食欲、更には人格の変質」を確認できている人物達であり、なおかつポストヒューマンの可能性がある人物たちだ。これは「軽度のポストヒューマン症状」を発症した者と言えるのではないだろうか。もっと解り易く言うと「人格が変質」したものが10万人いるとも言えるだろう。つまり

「人格の変質」とは1A84が電脳を介して思想や思考をゴーストハックする事で「総意的」にコントロールした結果であり、1A84に「A」(augēre )された者の身に「発熱、異常な食欲、更には人格の変質」という症状が現れるのではないだろうか。

つまりこのシーンは

1A84が少なくとも「パシフィック・リムの10万」規模にゴーストハックを仕掛け思考をコントロールできる能力を持っている可能性を示唆している。

もしもこの数が合っていたとするなら矢口ケンヂが撲殺した92人全員が、1A84にコントロールされていた人間だったとしても不思議な数ではない

なによりこの超大規模なゴーストハックにより、1A84はサスティナブルウォーを運営しているのではないだろうか。

 (ただし、この人物達(10万人)は1A84の完全な操り人形のようなものではない。あくまでその人物が「元々持っている思考、思想」を「総意」に基づいて「A」(augēre )することで恣意的な方向へと導いているものと思われる。)

(また「augēre (拡張、増加)」などを機能と表現しているが、正確には手段的特徴やアイデンティティと表現したほうが近いだろう。詳しくは後に譲る。)


【1A84が持つもう一つの機能:意思の収集と総意の形成】

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さて、1A84には上記のような「augēre 」という機能ももちろんだが、他にも多くの機能があると我々は考えている。もう一つの大きな機能が

「assert」「argue」が意味する
「主張」や「断定」、「感情的な議論」
ではないだろうか。
更に「assert」には

sert = join (結ぶ)
[as- = ad- (接頭)= to ]
(〜へ結びつける) → (動) 断言する
(出典:http://www.etn.co.jp/etymology/sert/)

このような語源もあるらしい。

つまり「主張」「断定」「感情的な議論」を「結び」つける事で
「総意」を形成する機能があるのではないだろうか。

この機能についてのヒントは恐らくシンクポルにあると我々は考えている。

まずはシンクポルが何をしていたのかをおさらいしてみよう。

01.ネットコミュニティ内の数百万人から賛否(主張)を収集
02.賛否を収集し罰を決定。総意(民意)として一つにまとめる
03.総意(民意)が有罪であればターゲットへの攻撃に変換される

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以上のようにまとめるとイメージし易いだろう

 シンクポルには罪を断定し、ゴーストハックによりターゲットを攻撃する機能の他にも、いわゆる炎上という現象に群がる人々の、いわば「民意」を収集して一つにまとめるという機能がある事が分かる。これはポストヒューマンが作ったものではあるが、ポストヒューマンの能力ではなく「コード」によって実現されている機能だ。

 つまりシンクポルとは人工知能「コード1A84」の機能としての側面を示唆する要素でもあるのではないかというのが我々の考えだ。高校生が持っているPCでシンクポルが実現できるならその超拡張版も可能であろうという推測である。

シンクポルの拡張版として、1A84の機能を表現するならば

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01.世界中(環太平洋)の無数の人々から意思(主張)を収集
02.収集した意思(主張)を一つにまとめ総意を形成
03.総意と合致する思考、思想を「拡張、増強」してターゲットをコントロール

できると言うことになるだろう。

つまり1A84には世界中(最小でも環太平洋地域)の無数の人々から「主張」「断定」「感情的な議論」などの意思を収集し、「結び」つける事で「総意」を形成する機能があるのではないだろうか。

この考えが合っているのならば、つまり1A84とは

1A84はヒトの総意によって運営される存在

と言えるのではないだろうか。

さらに1A84はシンクポルの超大規模機能拡張版とも言える存在だ。シンクポルと1A84の共通点とは

多数の人々から主張(意思)を集め総意を形成し
ゴーストハックにより電脳に干渉する。

という点に他ならない。シンクポルと1A84は本質的に類似した存在なのだ。


【総意によって形成される人格が目的とする未来】

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さて、前編で語った攻殻世界の未来であるオリュンポスにはガイアと言う人工知能が存在している。
このガイアは総合管理局オリュンポスそのものを統制し運用するシステムだ。そして人工知能であるガイア自身にも、どうやら「人格」のようなものがあるらしい。

なにが言いたいかというと

オリュンポスの原型であり「人工知能である1A84にも人格がある」可能性が高いと言うことだ。
そしてその人格、目的は「総意」を形成する機能によって決定付けられる。

という性質を持つのではないだろうか。

前編で話した内容とここまでの内容で簡単にまとめて順序化すると

世界中にネットワークを張り巡らせる

電脳から人々の願いや主張といった意思を抽出

抽出した意思を総意として纏める

まとめた総意を基に人格を形成

総意としての目的(望み)も同時に形成

目的に適う思考、思想を「拡張、増強」し
大規模なゴーストハックにより社会を統制(コントロール)

このようになる。

もしこの仮説が合っているとするなら

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1A84という人格そして存在は
実弾の飛んでこない柵に守られた安全圏に暮らす
彼ら「顔無し」達の象徴であり、代表なのではないだろうか


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水は低きに流れ、人は易きに流れる

そして「顔無し」という大衆達は
いつの日か


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「オリュンポス」という楽園を アップルシードという未来を創造する








はずだった

【SAC スタンド・アローン・コンプレックスとは】

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SACシリーズと言うからにはSACという一貫したコンセプトがある。SACとは何かと言うと「STAND ALONE COMPLEX スタンド・アローン・コンプレックス」の略であり解釈の幅が広い概念だ。そもそもCOMPLEXという概念の時点で広いし意味通り複雑だ。

 コンプレックスの意味は日本でおなじみの「劣等コンプレックス」が挙げられるが、他にも古典的な意味である「無意識のなかに抑圧され,凝固し,そのために意識された精神生活に影響を与え,ときに強い感動を誘発する観念の複合体」という概念から派生した本来的な意味である「複雑」「複合」「抑圧」などがある。

 ではスタンド・アローンの部分はと言うとこちらも「孤立」、ALONEの「一人」、STANDの「独立」などの意味がある。特に「独立」はUNITED WE STANDというアメリカ独立運動の標語を背景に、強い意味を持つ語かもしれない。我々としてはスタンド・アローンという概念には「独立した個」というニュアンスが強い。

つまりSACとは「孤立コンプレックス」とも言えるし「独立した個の複合体」「複合し独立した個」とも言えるのだ。他にも

「情報の並列化の果てに単一性を喪失し、消滅することによって構造の在り方を規定する媒体となりながらオリジナルなきコピーを作り出し、動機なき他者の無意識、あるいは動機ある他者の意識に内包される現象」

という解釈もできるのでSTAND ALONE COMPLEXの意味は複合的に解釈していこうと思う。ワケわかんない事言ってると思ったヒト。そうだよね。もっとワケわからなくなりたいヒト。「MEME ドーキンス」でググるよろし。


【ポストヒューマンの正体】

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1A84に大衆の意思や主張などを収集する機能があり、その機能によって形成された人格が「顔無し」を代表しサスティナブルウォーを運営する本来の1A84であるならば

本来の人格とは別に
スタンド・アローン・コンプレックスという現象によって形成された
もう一つの人格こそ
ポストヒューマンの正体ではないだろうか

他に解釈はあると思うが「スタンド・アローン・コンプレックス」とは「大衆という現象」に内包される現象だ。そして1A84が「総意」と言う「大衆」によって決定付けられる存在ならば、その内部にSACという現象が発生しても何の不思議もないだろう。

ポストヒューマンとは1A84の内部に発生したSACの発現であり

「動機なき他者の無意識」の複合体が
「動機ある他者の意識」と融合した存在

では無いかというのが我々の考えだ。

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更に1A84が少なくとも「パシフィック・リムの10万人」規模にゴーストハックを仕掛け思考をコントロールできる能力を持っている可能性と繋げて考えてみたい。

この10万人の症状が仮に1A84の影響によるものであるならば、自ずと答えが示される。なぜならばポストヒューマンとはこの10万人の中から現れた存在だからだ。ポストヒューマン因子を持つ者が1A84が持つ機能によってヒトから変容した存在こそポストヒューマンではないだろうか。

実弾の飛んでこない安全圏を作りだし、サスティナブルウォーという、笑い男風に言えば「インチキ」をやってる世界に対するコンプレックスこそが恐らく、ポストヒューマンを生みだしたのだ。

本来の人格が易きに流れるヒトを代表するものであるならば、ポストヒューマンとしての人格はその易きに流れるヒトに対するカウンターなのだ。


【1A84とポストヒューマンの関係】

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ポストヒューマン発生の大まかな原理は以上の通りだと考えられる。では人間を大きく超える驚異的な能力はどのように獲得し、発揮しているのだろう?

(ポストヒューマン人格としての1A84を便宜上「1A84PH」と表記する)

1A84PHが、リモートでポストヒューマンを操る事で異常な処理能力を発揮しているのだろうか。これは確実に違うだろう。なぜならPH(ポストヒューマン)は厳重な電波暗室内でもその能力を発揮できているからだ。

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このシーンはPHの能力が、ネット接続を必要としない事を示唆している。

さて、お気づきの方も多いとは思うが、おそらくPHが持つ能力とは

ポストヒューマン因子を持つ者を
1A84(PH人格)が「Augēre 」という機能によって
「思考、または脳そのもの」の機能を「拡張」「増加」した結果

もたらされた能力ではないだろうか。ならばあの驚異的な能力は、自己が保有するものでありネット接続の有無を問わず発揮できるだろう。

だとするならば1A84PHは、なぜポストヒューマンに驚異的な能力を与えたのだろうか?サスティナブルウォーを妨害、または破壊するに当たっての能力的優位性のためだろうか。もちろんそれも理由の一つだろう。

しかし我々はそれよりも大きな理由があると考えている。

それは恐らく
1A84PHがポストヒューマン因子を持った人間と融合し
1A84PH自らがポストヒューマンとなる為ではないだろうか

正確には違うのだがもう少し解り易く表現すると、
「ポストヒューマンに1A84自身の機能、能力を再現するため」
と言うことも出来るだろう。

ポストヒューマンの能力を思い出して欲しい。

・多人数、多対象への同時ハッキング
・アニメ本編ep09での情報収集能力
・アナログ以外には完璧な隠密能力

異常な処理能力もだが、この特徴もそのまま1A84の特徴とも合致するのではないだろうか。ならばポストヒューマンは「1A84の能力をもった人間」とも言えるのではないだろうか。


【人間が1A84並の能力(処理速度)を発揮することは可能か】

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では電脳を拡張し、処理能力を増加させたところで電脳単体で1A84並の処理能力を得る事が可能なのだろうか。人間最高峰である少佐を遥かに超える処理能力である。それは恐らく不可能だろう。

ならばポストヒューマンの驚異的な処理能力はどのような仕組みで実現しているのだろう。

おそらくそのヒントが電脳硬化症であり

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成長型ニューロチップなのではないだろうか

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このニューロチップは説明文にもある通り2028年時点でAIやロボットに多く使用されているものであり、当然1A84というAIもこの成長型ニューロチップが基にあるだろう。

今回の攻殻機動隊はタイトルの通り2045年である。

1998年から数えて実に47年もの時間が経過している

1998年時点で過剰成功していたこのニューロチップ及び脳に関する科学技術はどこまで進化しているのだろうか。端的に言えば

ゴーストを獲得する程度には進化している

タチコマ

はい証拠

タチコマ先輩もこのニューロチップを基礎としたAIであり、更に言えば1A84と言う存在を生み出すほどに進化しているのだろう。その科学レベルはもはや想像以上に達しているはずだ。

このニューロチップとはそもそもチップ上で自己成長する神経細胞であり、ニューロンとは主に脳の神経細胞を指す語だ。そして電脳はこのニューロチップを搭載する技術では無いが、ニューロチップの登場が電脳技術ビッグバンと言われる程度には大きな関係がある技術だ。

そして電脳技術とは脳の機能、構造そのものを変えてしまう可能性がある技術なのではないだろうか。

それを示唆しているのが電脳硬化症だ

「具体的症例としては、軽度の物忘れなどから始まり、症状が進行すると、言語野機能の低下、外部記憶装置との連携不和、重度の記憶障害などに至り、最終的にはいわゆる脳死状態を迎えるのが一般的」
(出典:Production I.G 公式サイト https://www.production-ig.co.jp/works/ghost-in-the-shell-sac/vocab/10.html)

これは電脳が脳の機能、構造そのものを変えてしまう可能性そのものではないだろうか。つまり電脳硬化症とは脳の機能を低下、停止させてしまうものだが

逆に脳の構造、神経細胞を拡張
または増加させることも可能なのではないだろうか。

これは言うなれば脳のニューロチップ化とも言えるかもしれない。

ポストヒューマン症状発症時の「発熱」「異常な食欲」は脳の構造変化によるものではないだろうか。脳の神経細胞(ニューロン)が異常発達する。脳の構造が人工脳神経細胞(ニューロチップ)化する。などの変化を伴うのであれば、身体的な変化の負荷により「発熱」するという説明ができるかもしれない。

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1A84が先回りして殺したという可能性も低い(貴重な検体を残さず殺すだろうか?)にしろ無いでは無いが、この813名の死亡者は身体的な変化に耐えきれずに死亡した。と考えることもできるのではないだろうか。

つまりポストヒューマン化とは、脳及び存在そのものを1A84化する現象とも言えるだろう。

攻殻機動隊の未来であるアップルードにおいても、電脳化していない人物がおそらく電脳以上の処理速度を必要とするシステム(ヘカトンケイル)を使用しており、この事から考えても

人間の脳が1A84並の能力(処理速度)を発揮することは可能

であると我々は考える。

また神経細胞には軸索という構成要素があり、情報を伝える役割を担う要素らしい。この軸索を「axon」というのだがこの「axon」もまた1A84のAを現すのかも知れない。


【あとがき】


前編で「攻殻機動隊SAC2045」とは「APPLESEED 0 IF」ではないかというお話をした際に、IFが付く理由は別に語りたいと言ったかと思う。

その理由とはポストヒューマンという存在こそがIFそのものであるという理由だ。

オリュンポスとは「顔無し」達の楽園であり、人々の総意が導き出した答えでもある。ポストヒューマンとはそのオリュンポスという未来と異なる未来を示す存在なのではないだろうか。

オリュンポスという確定した未来を、不確定(IF)にする要素こそ
スタンド・アローン・コンプレックスという現象であり
ポストヒューマンという存在だ

しかしまたオリュンポスもバイオロイドも。そして1A84も悪ではない。
それはまたポストヒューマンも同様だ。
どちらもヒトが望んだ存在であり、ヒトへの奉仕者なのだから。


他にも話したいことはまだまだあるのだが、すでに8000字を超えているので別な機会を持とうと思う。またポストヒューマンを語る上で大きな意味を持つ「シマムラタカシ」とアニメ本編ep11「EDGELORD / 14歳革命」を主とした話もする予定だ。


ところで皆さんはタチコマ先輩にゴーストがあると思うだろうか?

当然だが我々はある派だ。

もし皆さんもタチコマ先輩にゴーストを認めるならば
1A84にもゴーストを認めなければならないのではないだろうか
もちろんバイオロイドにもだ

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この物語が「APPLESEED 0 IF」であるならば

1A84でありバイオロイドでありポストヒューマンという

新しい個の在り方を提示する物語でもあるのだから
















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スミスにもゴースト認めてあげてね



後編に続く

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