冬の日本へ 愛するあなたたちへ
南国の海外単身生活も四年を迎える。
あれほど疎ましかった日本の冬が今懐かしい。
そんな今日あなたたちにメッセージを送る。
母へ
今日もまた暖かいよの声凍え
私を気遣わせないよう電話の声はいつも明るい。しかし冬が暖かいはずはないんだよ。愚痴、泣きごと大歓迎。無理しないで身体に十分気をつけて。
二人の息子たちへ
こないだの声より晴れて年始め
少年期から青年期へ。時々は元気のない時もあるが詮索はしない。また電話するよ。君たちの晴れた声が聞きたいから。
妻へ
肩越しに君思う時白マフラー
思い出す風景は君と一緒に歩いた冬の三年坂。小柄な君が横について歩く気配を肩越しに感じている。私の視界の記憶は白いマフラー。
今、窓から見える椰子の葉が少し揺れたよ。日本から吹いた風だろうか。そうかな。いやそうに違いない。
ではまた。お元気で。
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