男鹿の宝物に出会える直売所──道の駅おが なまはげの里 オガーレ
JR男鹿駅を降り、船川港へ向かって少し歩くと、車道の向こうに大きなショッピングモールが現れます。新鮮な魚介類から工芸品に至るまで、男鹿の特産品を集めた「道の駅おが なまはげの里 オガーレ」です。
観光客はもちろんのこと、地元の人々からも愛され、稲とアガベの商品も取り扱う「オガーレ」。その魅力を、代表の鈴木剛(すずき・たけし)さんのインタビューも交えながらご紹介します。
男鹿の「美味しい」が集結!
2018年、JR男鹿駅の新駅舎オープンに伴って誕生したオガーレ。港町である男鹿で漁れる新鮮な魚介が手に入る恰好のグルメスポットです。
水産コーナーの壁には漁船の名札が並び、それぞれの商品には収獲した漁船のシールが貼られています。新鮮な魚介類が購入できるのは観光客にとってもうれしいものですが、地元の人々にとっても“推し漁船”のアイテムが手に入る場所。ちなみに公式ホームページでは、その日に水揚げされた魚介のラインナップが紹介されています。
加工室では、有料で下処理サービスを提供。魚さばきに自信がない人も、ここで3枚下ろしまでお願いすることが可能です。
そのほか、海の幸以外の男鹿グルメも手に入るのがオガーレのいいところ。朝採れ野菜やお米、しょっつる、加工食品やババヘラアイスに至るまで、さまざまなアイテムが集結しています。
暖かい時期は、屋外で熟練のおばあちゃんによるババヘラアイスが食べられます!
工芸品や稲とアガベをはじめとする秋田の銘酒など、地元の職人が手がけたアイテムもずらり。ジェラートショップや「東洋一の海岸線にある男鹿のレストラン」などもあり、地元の味を楽しみながらひと息つけるスポットとして活用されています。
特産品だけではなく、“人”にも出会う場所
オガーレを運営する株式会社おが代表・鈴木剛さんに、オガーレの取り組みや、男鹿への想いについてお話を聞きました。
「男鹿にはたくさん宝物があるんです。車を運転していて、トンネルを過ぎたときに広がる海岸や、寒風山の美しい風景。でも、地元の人たちは、気づかないまま通り過ぎてしまう。『足元を見てみたら、宝物がこんなにあるんですよ』と気づいてもらうのが、オガーレという場所です」
鈴木さん曰く、一般的なスーパーマーケットと違うのは、出品者一人ひとりの顔が見えるところ。51名もの漁師や78名もの農家が出品者として登録し、収穫物を納品しています。
「ある出品者の方から、『お客さんは、オガーレに何を買いにきているんだと思いますか』と聞かれたんですよね。新鮮な魚や野菜ではないかと答えると、『それもそうだけど、実は、人を買いに来ているんですよ』と教えられました。
出品者のみなさんもそうですが、オガーレのスタッフが一生懸命接客をしているのも、お客さんにとっては同じくらい大切。道の駅は全国にたくさんありますが、それがオガーレの魅力なのではないかと思っています」
稲とアガベが、男鹿の宝物を輝かせてくれる
男鹿という街を訪れた人々は、「こんな素晴らしいものに、地元の人が気づいていないなんてもったいない」と口をそろえるといいます。「それに気づかせてくれるのが、岡住さんなんですよね」と鈴木さん。
「岡住さんは、ご自身の醸造所やお店を構えながら、根底に地域振興がある。自分の仕事をやりながら、どんどん地域の人を巻き込んでいます。よく、うちの市長が『地域振興には若者・よそ者・馬鹿者が必要だ』というんですが、まさによそから来てくれた岡住さんが、今ものすごい波及効果をもたらしてくれているんですよね」
「岡住さんは、男鹿の宝物を一つひとつ動かしてくれている」と鈴木さんは評価します。
「旧駅舎を醸造所とレストランにし、真向かいにラーメン店を開店。市役所通りにSANABURI FACTORYを建設し、現在は元精油工場の保養所を購入して、生かそうとしている。景色がよく、日本様式の建物で、東京から有力な指導者が訪れるような場所でした。地元の人は誰も手をつけられなかったんですが、岡住さんはそうやって、男鹿にある良いものの魅力を生かそうとしてくれているんですよね」
オガーレと稲とアガベの共通点を尋ねると、「まずは地元の人を大切にしていること」。
「お客さんがたくさん来てくれることはありがたいし、観光客の方にももちろん来てほしい。でも、地元の人がまったく関心がないような地域づくりというのはありえません。地域の人に見捨てられるようなことになっては、事業をやっていくことはできないんです。オガーレも、稲とアガベも、地域から求められることに応え、地域と共に歩むことを大切にしています」
男鹿の宝物であふれ、稲とアガベの地域限定酒も取り扱いのある道の駅・オガーレ。魅力あふれる男鹿の人々の表情が見える直売所をぜひ訪れてみてください。
道の駅おが なまはげの里 オガーレ
住所|秋田県男鹿市船川港船川字新浜町1-19
Tel|0185-47-7515
営業時間|【物産館】9:00〜17:00、【おがジェラート】5〜10月 10:00〜17:00、11〜4月 10:00〜16:00、【レストラン】3〜9月 10:30〜18:30、10〜2月 10:30〜17:00(平日)、10:30〜18:00(土日祝)
公式HP / Instagram / Twitter (X)
取材・執筆:Saki Kimura
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