こんにちは、初めましての方は初めまして。数学市民(@infinity_topoi)と申します。私は現代数学を普及する非営利団体「一般社団法人数学市民化プロジェクト」の一員であり、MathpediaなどのWebサイトを運営することをメインの活動としております。

このNoteはその活動に関わる事柄とは少し違うのですが、最近Twitter等においてお子さんが中学受験を控えた保護者の方々とお話しする機会があり、自分自身も中学受験経験者であることから、自分程度の話でも何か参考になればと自身の算数の経験談などをすることが多くなりました。

自分自身、受験生時代には関西の大手塾希学園の生徒であり、関西の最難関校に進学いたしました。その後、大学生の時に首都圏の大手塾SAPIXの算数講師のアルバイトをしており、中堅校のαクラス等を担当しておりました。ただ、その後は少々親戚や知人の中学受験の家庭教師をした程度で、あまり深く中学受験業界には関わってきませんでした。

そんな私が、今更中学受験や算数に関する情報発信を行い始めた理由は、Twitterなどを見ていて、あまりにお粗末な情報が多い事に疑問を感じたからです。インターネットあるあるといえばそうなのですが、算数の勉強法に関していえば本当に質が低いと感じざるを得ません。一応それなりに算数が得意であった自負のある私からは、むしろ逆効果ではないのかと思う「方法論」とやらが、平気で独り歩きしています。

（一応ですが自分の算数歴としては、算数オリンピックは4-6年全て[4-5年はジュニア]で本選進出しましたし、SAPIXの講師全体の試験の順位は10番台でした。自分自身、算オリのメダリストや数オリの代表らと比較したら果てしない壁があるのは自覚しているのですが、一般的には算数・数学が【それなりに】得意といっても差し支えはないでしょう。）

ただ、私は既に現役で講師をやっている人間ではないので、「能書きだけの算数理論」をいくら話していても説得力はないでしょう。そこで、今年の3月頃からSNSで知り合った方々を中心に算数のアドバイスを行うdiscordサーバーを立てて、具体的な勉強法の指導を行うようになりました。その中で自身の考えに対して確信を深めたり、新たな発見になることもあったり、日々良い経験をさせていただいております。このNoteにおいては、その中で自分が得た学びなどをアウトプットしておこうかと思っています。

現役の塾講師でもない自分が、なぜこのような事をやるのか。それは、自分にとって算数は、数学という広大な世界への入り口だったからです。自分は小さい頃から算数が好きでした。中学受験においても算数が一番の得意科目で、小6の夏なんかは受験そっちのけで算オリでメダルを取るべく必死に勉強していました。その算数好きが高じて、算数と数学の壁もあっさりと超えて数学もそのまま好きになりました。幸いにしてあまり「勉強している」という感覚もなく、楽しんで過ごすことが出来ました。

それだけに算数がなかなか分からず、嫌いになってしまう子供たちがいる事が残念でなりません。だから一人でもそういった子供たちに算数を好きになってほしいなと思っています。別に自分の方法論が全ての人に適用可能だとか、そんな大それたことを言うつもりはないのですが、少なくとも一定数の人に対しては効果がありそうだなと実感も得ています。そうして算数好きになった子供たちがやがて数学好きになり、将来大人になったときに数学の世界に価値を見出してくれたらいいなと感じています。

能書きはこの辺にして、次のNoteからは具体的な話をいくつかしようと思います。気まぐれなものでいつになるかはわかりませんが、お楽しみに。