私が体重を増やしたわけ

現役の頃、(オリンピックからもう3ヶ月経つのかということ、まだ3ヶ月しか経ってないのかという驚き。)

オムロンに入った頃から、JJ GANGでプレーしていた約10年ほど、私の体重はずっと56~57キロでした。

ハンドは格闘球技。世界で戦う時には、相手は私より平均で10センチ大きく10キロ重い。実際に、ハンガリーでは、192センチのエースがいたし、93キロのポストがいた。そんな人たちと張り合う中で、167センチ57キロはなかなかスリムな方。
体重を増やした方がいいんじゃないか、と指摘してくれる人は何人かいたし、私自身も増やそうかと思う時もあったが、
なんせ私のモットーは普通の女の子なのにハンドボール日本代表というギャップ。笑
というのは半分冗談で、あまり必要性を感じていなかった。
そりゃ、片手で身体担ぎ上げられることもあるにはあったけど、得意なフェイントとステップシュート、DFでも読みとフットワーク、スピードで十分世界と戦えてきた自負があったから。
それに、オムロン時代にちょっと体重増やそうと頑張った時期もあったけど、なんせ太れない。
決して自慢ではないのだが、20代の頃は食べても食べても太れなかったのだ。

あぁ、あの頃の代謝が良すぎる身体…戻ってきてくれ…

体重を増やすきっかけとなったのは、
おりひめJAPANの栄養サポートしていただいていた味の素さんからの宿題。
「チーム平均で4キロ増やしましょう」
チーム平均、、、チーム平均!てことは、私が増やせなかったらチームのみんなに迷惑がかかるではないか!!!!
チームスポーツを教えてる方々、朗報です。人は、「チームに迷惑かかる、チームのために」っていう言葉に弱い生き物です。

そこから、私のご飯地獄が始まりました。
とにかく食べろ。とにかく増やせ。
もうね、わかってます。幸せな苦労だということは。
世界では満足に食べれない人もいる。そんな中で食べれるだけで幸せじゃないかと…

でもね、でもですね。

毎食毎食、自分の胃袋の限界値まで食べ、限界からさらに2、3口押し込む。
トレーニングがキツくなればなるほど、胃腸も疲労してくのに、そんな弱った胃袋ちゃんに限界まで詰める。お腹すいている時間をなくすことを絶対条件として、栄養補給できる隙間に入れる、入れる、入れる。
それでも、翌朝には減ってるなんてことも…
毎日の練習よりも、毎日のご飯の時間が苦痛っていう。そんな経験ありますか?笑
でも、こんな地獄の食トレも、チームで一緒に頑張ってくれる選手がいるからこそ、乗り越えることができました。
食堂に最初に来て、最後まで居残って食べてた仲間たち、ありがとう。

そんな地獄を乗り越えて、それまでなかなか体重を増やせなかった私が、4.5キロ増やす事ができました。リハビリ期間もあって運動量が落ちてたから増やしやすかったっていう面もあるんだけどね。
増やして、その体重を維持しながら中身を筋肉に変えて、リハビリ明けで動きや感覚を戻すのに苦労して、やっと体重とパフォーマンスが安定してきたのに、2年かかったかな。


リハビリ明けで、あいつ太ったな、身体重そうだなって思ってた人。
あれは、わ・ざ・と!!!
私が一番気にしてるんだから、言うのやめてよ!と。見てろよ!と思ってました笑

そんなこんなで、2019世界選手権、そして2020オリンピックの時には、61.5キロという体重でプレーしていました!


体重増加の必要性を感じていなかった私の、体重増やした後に世界で戦った実感としては…
ライン際でペナルティを獲得できることが増えた。
DFでバチッと当たっても、身体にかかる衝撃が少なくなった(気がする)
連戦での疲労感が、軽減した!!!

こと。
プレーの中身は技術的なこともあるし、そこまで変化はわからなかったけど、
衝撃の受け方、それに対する耐性があがったっという実感がありました。
あとはフェイントで割って入っていくときに、7m取れるなって自信を持って入っていけるようになりました。
これは感覚的なものだけど、海外の選手とかって、空いてなくても引きずり込んだらペナルティ取れると思って入ってくる感ないですか?そこ、無理矢理入っていったなー、ほんでペナかい、みたいな。
その感覚に近くて、今までは割と綺麗に抜いていかないといけない感じだったけど、少しでもずらせれば、そのまま入っていけば、はいペナでしょ的な感覚が特に世界選手権の時は強くて、結構自信持って縦にいけてました。

失ったものとしては、
走力としての持久力(年のせいって言わないで。)
小さなお尻(元々そんなに小さくはないって言わないで。)
スキニーパンツが似合う足。

まぁ、これだったら、増やしてみてもよくない?????

ちなみに、現役をやめて、2ヶ月で5キロ落ち、今では目指せ55キロでダイエットをしています。
そんなに苦も無く5キロ落とせたので、体重キープするのにどれだけ頑張ってたんや私、って自分を褒めてあげたい。

今スポーツをしてる、世界を目指しているアスリートの皆様。
海外の選手は、あまり体型を気にしません。パワフルな選手多いです。
ほんでその体型でめっちゃ走れるし、強いです。

足太いのいや、とか、ズボンぱつぱつになるーとか。アスリートでいる間、そんなこと気にしてる場合ではありません。
だって、トレーニングやめれば、すぐ痩せれるから。
少し動かないだけで、筋肉はやせて、スマートになれるから。
まゆザップ、開設できるように、今自分で人体実験中だから!

だから自信を持って、心置きなく体重を増やして欲しいと思います!

というか、トレーニングして体重増やして、中身を変えて、キープするって本当に過酷なことで、日々の努力が必要不可欠です!
意思の強さが必要です!
それが出来る選手を私は心からリスペクトします!

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