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心理機能Niを徹底解説 - INFJ, INTJ

INFJがMBTIについて調べていると、必ずと言っていいほど立ちはだかるこの問題「主機能のNiって結局どういう機能なの???」

実際、Niを何となく、「未来を予測する機能」とか「抽象的な事柄や可能性を知覚する機能」とか覚えて使っている人が多いような気がします。
もっと言えばINFJは予言ができるとか、INFJの言うことは未来を見通していてほぼ合っているとか、そういった発信もよく見ますね。

初めに言っておくと、このNiはそんなに便利な機能ではありません。
Niは未来を予測するための機能ではなく、投資先の隆盛を予言する機能でもありません。
「自身の中にイメージを作り出し、そのイメージを知覚する機能」の方が理解として近いです。

何が言いたいかというと、Niについてふわふわした解釈だと適当な使い方でINFJが天使や予言者とかいうよく分からないものになってしまうので、それを阻止するためにNiの定義を深堀してみよう。ということです。


1. 直観機能(Ni, Ne)とは何か

言わずと知れたMBTIの親ユングは内向的直観(Ni)について以下のように説明しています。

内向的主体に起因する無意識的な心的状況の知覚

by ユング

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ちょっとよく分からないですね。
これを理解するためには、まず直観について知らなければいけません。
ユングの弟子であるフォンフランツは直観(N)を以下のように定義しています。

直観 = 無意識下で進行しているプロセスやその変化に気付く

by フォンフランツ

つまり、物事のパターンを無意識下で知覚し、それが変わっていく様子を知覚していということです。
例えば、外向的直観は服の流行や株式のトレンドを予想するとき、現状を広く無意識下で知覚し、自分の持っている情報をもとにNeが働くことでひらめきが起こります。
簡単に言うと、こういう時って大体こうなるよね、というのを無意識でやっている感じです。

理解を深めるために別の角度から見ていきましょう。
フォンフランツさんは直観についてこのようにも説明しています。

直観を得るには、いつでも意識をぼんやり曖昧にさせねばならないからです。彼らは、場の雰囲気に敏感です。おそらく直観は、無意識を通じてや意識下で、感覚が認識するといったようなものです。意識下の感覚が認識して機能する様式で、意識が認識するのではありません。

ぼーっとしながら無意識化で知覚することによってひらめきとして意識に上がってきたものを認識するのが直観機能ということみたいです。
Seと比較すると分かりやすいのですが、
直観(N)は
「具体的でなく全体的な認識」
「個別ではなくパターンの認識」
となります。

個別のものを具体的に見るのではなく、ぼーっと全体を見てそのパターンを認識することによって、その動きや変化に気付くわけです。

例えば、彼女の髪型が変わったとき、INFJは絶対に気付くことができません。これはSe劣等であり、具体的な物事への認識が壊滅的だからです。
しかし、何となく変だなと思うくらいはできるようです。
彼女の動きや反応、全体的なイメージとの相違、髪の毛の光具合、様々なことを無意識下で考え、違和感を覚えるのです。


2. 内向的直観機能(Ni)とは何か

ここまでは直観(N)の話をしていましたが、内向的直観(Ni)になるとどうなるでしょうか。

内向的直観を一言で言うと
「内的なイメージをはっきり捉える」
機能になります。

例えばある人が心因性の眩暈発作に襲われたとしよう。(中略)
直観が感覚から受け取るのは最初のきっかけだけであり、そこら即座に活動が始まる。直観は感覚の背後を見ようとし、しかもまさに眩暈発作と言う表現された現象を引き起こした内的イメージを直ちに近くする。
直観が見出すのは、心臓を矢で射抜かれてよろめいている男のイメージである。直観の活動はこのイメージに引き付けられて離れず、あらゆる細部を探索しようと試みる。直観はこのイメージをしっかりとつかんで、このイメージが変化し・さらに発展し・ついには消失してしまう様を、目を輝かして見届ける。

タイプ論 - C.G.ユング

つまり、なんであれ自分の中に浮かんだイメージを、外向的感覚(Se)が世界を知覚するようにはっきりと知覚するのが内向的直観(Ni)ということになります。
(これらのイメージは"元型"というものに由来しているらしいですが、説明がややこしいので興味がある人は調べてみてください。)

上記の話をまとめると、直観機能は、
「自身の中に無意識を通してイメージを作り出し、
 そのイメージを精彩に知覚する機能」
と言えます。

Niユーザーが哲学的な話や道徳的な話、性格類型の話が好きなのは、彼らにとってそれらの話から得たイメージを自身の中で知覚し、その変化を追っていくのが得意だからです。

3. 内向的直観(Ni)と予言

ここまでで内向的直観の定義を見てきたので、これが実際どんな感じで機能するのかについて見ていきましょう。
※個人的な意見が多分に含まれているので注意です。

①未来を予言する
多分どちらかと言うと外向的直観の得意分野な気もするが、
結局は物事から(元型を通して)イメージが生まれ、その変化を知覚することで、現実から離れた未来を言い当てることができるという意味で
Ni的とも言えるかもしれない。

②可能性の知覚
これも上記とほぼ同じ。
Neが客体の可能性に意識が向くのに対して、Niは自身のイメージがどのように変化していくのか、その動きや変化に意識が向く。
それはある意味で可能性と言えるし、未来に向いているとも言える。
どちらにせよ、一般的な可能性の知覚はNeユーザー的なものだろう。

③未来志向
過去は決定されたものであり、そもそもイメージの変化を促すのが難しいためであると考える。歴史そのものを学ぶというよりは、歴史の教訓によって自身の生活に役立てる(教訓にする・パターンを見つける)形であれば興味が湧くかもしれない。
少なくとも確定的な現実には興味がなく、それが自身の持っているイメージをどう変化させるかに興味が向くため、未来のことを考える割合が多いという形だろう。
未来を考えるのは楽しいが、実際に行動を移すのが苦手なのは、確定的で固定されたイメージに興味が向かないからかもしれない。

まとめ

いかがでしたでしょうか。
Niは非常に分かりにくい機能です。無意識やら元型やらよく分からない用語も関わってきますし、具体性で成り立っている世界では正確に把握するのは難しいと思います。
今回はできる限り用語を使わずに解説しましたが、何か分からない点などあれば、私の勉強にもなるので気軽にご質問・ご指摘いただければ嬉しいです。



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