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嘘つきの戦略

誰もが願っている。
正直者が得をする世界であって欲しい、と。

正直に生きている人なら当然そう思うだろう。正直であるためにはそこそこの忍耐努力がいる。頑張ったのに何も得られないのでは報われない。逆に必ず報われると信じているから正直であり続けることができるのかもしれない。

嘘つきもそう思っている。嘘がもっとも効果的に力を発揮できるのは相手が嘘つきなんていないと思っている時だ。嘘をついたほうが有利だとみんなが認識し始めると嘘の優位性は失われていく。

なので、なるべく正直者たちに花を持たせながら気づかれないように得を享受するのが嘘つきの基本戦略になる。

騙される方がバカなんだよ

ときどき漫画や映画で詐欺師が使うフレーズだが、バカはお前だ余計なことを言うな、と嘘つき紳士淑女の皆さんは思っているはずだ。事実がどうであれ、正直者が得をすると信じさせなければならない。

バレる嘘をつく人が一番いけない。
前回と少し重複するが、己の無力さを噛み締めながらついた嘘が見抜かれたということは満足に嘘をつくことさえできなかったのである。それだけで死ぬほど無様なのに、さらに正直者嘘つきの双方から疎まれることになる。

正直に生きていこうよ。