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「ゼロコロナ政策」を急転換する中国

したたかな中国共産党の変わり身の早さにはほんとうにビックリ
させられます。新型コロナの感染拡大を厳しく封じ込める
「ゼロコロナ政策」を続けていた中国ですが、白紙を掲げたデモが
頻発したことで政策転換したごとくこの政策を緩和する姿勢を
見せています。

さすがに習近平総書記もお膝元の北京でデモが起ったことに対して
かなり焦りがあったのではないでしょうか?

それにしても、変わり身の早さはさすがに中国共産党です。
「ゼロコロナ政策」を撤廃するような宣言はせず、緩和策をスピード
アップしながら推し進めていくことで、中国市民に自己責任観念を
植え付けることに成功しているように見えます。

定期検査のルールの廃止やPCR検査場の撤退などのスピードは自由主義
諸国では考えられないくらい大胆に加速度を増して行われています。

従業員の感染で多くの事業者が休業を強いられているほか、感染リスク
を警戒して外出を控える人も多くなっています。緩和政策で感染者が
急増することでさらに経済活動が急減速しています。

通常なら多くの人で賑わう日曜日の北京市内も人出が少なく、朝陽区の
ショッピングモールは多くの飲食店や小売店が休業しているので、
閑散としています。

確かに緩和策を徐々に浸透させることによって、デモなどの抗議活動
は抑えることができましたが、規制を緩めることによって爆発的に
感染者が増えるリスクが高くなってきています。

感染リスクの高まりで対面型消費は経済再開後も数カ月抑制される
のではないでしょうか?

市中の薬局では解熱剤や鎮痛剤などを買い求める行列ができていたり、
発熱外来でも行列ができていて、中には6時間も寒風の中で待たされて
いる人も出ていました。

それでも「ゼロコロナ政策」は行き過ぎだったという見解は出てきません。
自己批判をすることもなく、緩和策を次々に実行に移していきます。
緩和したことで生ずるリスクにはほとんど考慮していないような転換を
鶴の一声でやってのける中国にはほとほと驚嘆するしかかりません。

とにかく、今の中国は政策が極端に走りやすくなっています。習近平
一強体制がさらに強化されたことの弊害が出てきているのでしょう。

これからますます内憂外患に悩まされる中国にとっては、過激な政策が
天の声の一言でかなりのスピードで実行に移される危険があります。
一党独裁、それもひとりの人間の強権が危ない方向に向かったとき、
抑える者がいないのは悲劇的な結末を迎えることになりかねません。





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