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【まさかの】家探しinドイツ【4日で終結】

ドイツで5年半ほど前からWG(シェアハウス)に住んでいる者です。大学も卒業したし仕事(本業)も無期限雇用になったし、そろそろ一人暮らしをしようかと単身者向け物件を探したところ、なんと4日で決着。住宅不足により家探しが過酷なドイツ(特に都市部)においては記録的な快挙かと思い、今回の家探しがうまく行った要因を挙げていきたいと思います。
ちなみに人口36万の、大都市ではないけれどドイツでは立派な「都市」であるBochumという街での話になります。

【相場の下調べ】

1年くらい前から、卒業したら一人暮らししたいなぁということで、ボチボチ市内の物件を眺めていました。そうすると、立地と広さに応じてどれくらいが相場なのかがつかめてきます。この段階で「イイ!」と刺さった物件には応募していましたが、すでに他の人に決まってしまっていたと連絡があったり、ネコNGで(将来的にネコと暮らしたいから)ダメだったり、そもそも返事がなかったりという場合ばかりでした。それでも相場感覚を培っていたことは後述の「即応募」で役立ったと思います。

【友人と話す】

これは情報収集にもなりますし、ツテを使っての物件募集にもなります。友達や友達の友達の住んでいるエリアの実際住んでみての感想などの情報がもらえるのはもちろん、もし友達の周りで引っ越す(物件を明け渡す)予定の人がいれば紹介してもらえる可能性もあります。こういう紹介でネットには出てこない物件も多いかと思います。今住んでいるところでも、誰かが引っ越すときには「誰か住みたそうな人知らない?」と住人チャットで募集があります。そして、物件獲得には結びつかなくても、家具や家電、引っ越しのときの手伝いをオファーして貰えたりと。その他にも第三者目線としてのアドバイスがもらえます。
ワシの場合はクリスマスにマブ(ざっくり説明すると元カレ)一族と集まって食事をした際に、家探しの話になりました。彼らは自宅(内部がマンションのように各階の入り口が独立していてる一軒家)の一部を貸し出しているため、貸し手側として視点も持っています。返事すらもらえない場合が多い(すぐに埋まってしまうから)、連絡が取れてもネコNGばかり、車がないからそこそこ交通の便のいい場所に住みたい、特別大きい部屋は必要ないから(特にネコを諦めるなら)サイズにはこだわっていないしバルコニーや浴槽はなくてもいいけど…と。
そこで返って来たのは、「初動が遅すぎる」「ネコの不可でのフィルターはとりあえず置いておけ」「そこまで立地にこだわらなくてもいいのでは」ということ。最初の2つは貸し手側としての意見、3つ目は第三者としての意見です。
貸し手側としての意見は後述しますが、第三者としてあなたの生活にそれはいらなくないか(そこはもっと妥協してもいいじゃないか)と言ってもらえたのはとても有益でした。
彼らとはもう6年の付き合いで、ワシの生活スタイルもBochumのこともよく知っている。「本業は在宅でしょ?その収入だけでも生活できるわけだし、副業バイトは変更もあり?それならそこまで中心地にこだわらなくていいと思う。中心街に行ったり遠出するのはどれくらいの頻度が考えてみて。でもクルマなしじゃ不便すぎるエリアを選ぶのは将来的に詰むから、ウチみたいなわりと便利な穴場郊外エリアまでは妥協してもいいんじゃない?最終のバス・トラムを逃しそうなのもどれくらいの頻度?たまのそんなときにタクシーを呼んだ方が安上がりだと思う。」
実際にマブ家宅エリアは、バスやトラムでちょっと時間はかかるけれど中心街と中央駅に一本で出れて、日々の生活に必要な店は徒歩圏内(今よりは少し歩くけど)にすべて揃っている。今よりは利便性は下がるかもしれないけど、余裕で生活できる。そう思うと、今が便利すぎるだけで郊外エリアもありかも。ということで、対象エリアを大幅に拡大。安心できる範囲内の家賃の物件が増えた。こういう穴場便利エリアは街のことをよく知っていないとぱっと見ではわからないけれど、ドイツでは昔は別の自治体・集落だったエリアが中心街(歴史的に「都市」だった丸いエリア)に吸収されて今日の市になっている場合が多いです。地図をよく見ると停留所やお店が集まっているところがあるので、そこが狙い目です。
見つからなければ結局は妥協して郊外エリアにも視野を広げていたかもしれないけれど、早い段階でこのことに気づけてポジティブに対象エリアを拡大できたのは、話をしての賜物。

【迷うな、とりあえず応募】

「初動が遅すぎる」というのは、よっぽど田舎や郊外の物件でなければ掲載から1日で100件の応募はザラに来るため、(特に不動産屋ではなく個人の場合は)貸し手側も吟味などしていられなくなり、メッセージが雑だったり明らかに合わなそうな人以外はとりあえず先着順に内見に呼ぶことになると。そしてある程度の人数を呼んだ段階で応募は締め切られる(返事がなくなる)し、呼ばれた人の中で貸し手的にNGではない人の中から先着で決まると。つまり、貸し手と条件が最高にマッチしていても、応募が遅ければ貸し手側の視野にすら入れない
マブ一族の提案は「絶対無理」な物件以外はとりあえず見つけ次第応募すること。絶対無理というのは、家賃が到底払えなかったり、治安の理由とかで絶対住みたくないエリア、クルマがないと絶対生活が成り立たない立地のこと。ちょっと高い、ちょっと利便性が心配、など心配が「ちょっと」の場合は熟考する前にまず応募してリストの上位に食い込むこと。理由は、選ばれたら確実に住む物件だけに応募と考えがちだけど、断ることは後でもできるから。それに内見で実際に行ってみたら意外とアリという場合もある。とにかく内見に呼ばれないと始まらない。
「ネコの不可でフィルターしない」のは、100件とかのレベルで応募がある中ではなんであれ「条件」を出されると貸し手側としては「とりあえずダメって言っておこう」という心理が働いてしまうため。現状ネコがいないならネコのことはまず置いといてとりあえず内見に行ってその時にほのめかしてみろと。特に個人の貸し手の場合は、借り手の人柄次第でOK・NGの裁量が変わるかもと。複数件同時進行で内見したうえで、ネコの可・不可も含めて判断しようという戦略である。「初動は早く」と同じく、まずは貸し手側の視野に入るためです。

【12月は狙い目?】

これは物件獲得後に知ったのですが、12月は競争率が低いようです。とある物件掲載サイトのアドバイスメールに載っていたのですが、月によって競争率は大幅に違う模様。その中でも12月は特段低し。ワシの場合はクリスマスにマブ家と意見交換した直後に物件ハンティングを開始したので、クリスマスでみんなが物件探しをしていない間にたまたま出てきたイイ感じのものをサクッとかすめ取れたのかなと。

【4日間の具体的な流れ】

12月24日に最初のマブ一族アドバイスを受けたその夜、ベッドでゴロゴロしながら「可能性のある物件はすべて」応募。翌日にも別のマブ一族メンバーと意見交換の後、引き続き応募。仕事が冬休みで暇なのもあって、数時間おきにネットで物件パトロール。27日の13時半ごろにも「便利な郊外エリア」の物件を発見。その時点で物件が掲載されてから30分。もちろん応募。
応募数時間後、掲載主からいつ頃入居したいかとメッセージが来た。1月から入居可との掲載だったのでどう返信しようか(希望は4月1日、妥協しても2月1日くらいがいいため)悩んでいるとすぐ「あなたは5番目ですよ。明日内見に来れますか。もう100件応募が来ていて…」と追伸あり。え…100人の中の5番目…そんなに上位ならととりあえず翌日の内見の約束をした。エリアチェックと内見の練習にはなるかなぁくらいの気持ちで行きました。
しかしこれが運命でした。案内してくれたイイ感じの人が家主で同物件の別階に住んでいる(つまりトラブル時に連絡が取りやすい)と判明、お部屋も前の住人が退去後軽くリノベ中でキレイ、徒歩7-10分のトラム停留所付近はお店がたくさん、市民プールも近い、最低希望面積より広め、安心のお家賃、裏には青々とした緑の谷、副業バイト先にも時間はかかるものの通勤可、そして何よりネコOK。入居時期の話も、ゆっくりリノベできるから4月でOKと。もう((((((°∀°))))))という感触。他人の家に行った際に「…う、うん…」という感じの家も知っているので、この気持ちは直感がGOサインを出しているはず。大家さん的には、定職についていて、若すぎず、友達とか呼んで騒ぎそうな感じの人間じゃないからと好印象だった模様。ヘビメタのプルオーバー着て眼鏡かけたアジア人のプログラマー(30)、まさかの高評価。
その場ですぐ「住みます」と言いたかったものの、何か見落としてるのではないかと一旦マブ母に相談。彼女的にも怪しそうなポイントはないとのことで、内見から2時間後には家主にアタック。無事獲得。物件がネットに掲載されていたのはたったの約一日。過酷な長期戦になるのが定番の家探しinドイツ、まさかの4日で決着です。マブ家のアドバイスと探し手閑散期の賜物です。

【今後の展開予想】

この後大家さん(内見のときの人)から仮契約書が来るので、心配ポイントがなければそのまま契約。これまで家具家電付きの物件に住んでいたので、ほとんど何も持っていないのでこれらを手配・購入。何より大変なのはキッチンです。貯金しといてよかったです。
ドイツの賃貸はキッチンがついていない場合が多く、この物件の唯一のマイナスポイントがキッチンがないことでした。ですが新品が価格的にOKなら某北欧系家具屋などでも購入時に取りつけサービスも有料でお願いできるとのことで、まあどうにかなるでしょう。何なら自分でもできるようですし、業者に頼むとしても、新居への入居時期の調整がうまく行ったおかげで家賃の二重払いの心配がなくなったのでその分のお金で依頼できるし。

次回、家具家電を手配に続きます!

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