見出し画像

ドイツで眼鏡を買いました

1月のある日、渡独時からずっと愛用していた眼鏡のつるが折れてしまい、在独7年にしてついにドイツで眼鏡を買うことになりました。以前にもまして目が悪くなってしまいピリオドとコンマがあまりよく見分けられなくなり(プログラマとしては死活問題)眼鏡新調しようかなぁ…と思っていたところでした。
ちなみにコンタクトと眼鏡で違いますが、近視は-4,75, 乱視は-1,5くらいです。

【ドイツでの眼鏡選びのコツ】

日本語で眼鏡選びをググると目が小さく見えない方法とか顔が大きく見えない選び方とか出てきますが、アジア系の顔立ちをしているなら、ドイツでは鼻パッドのあるフレームを狙え。まずはこれです。やっぱりドイツではしっかりした鼻の人が多いのか、鼻パッドのないものだと笑ったときに頬に当たってしまうものが多かったです。そのまま試着した段階ではうまくフィットしなくても、鼻パッドがあれば調整可能なので成功率が爆上がりします。

【ドイツの眼鏡の価格】

ドイツの眼鏡の価格相場は日本のそれよりうんと高いと思います。ユーロ高円安抜きにしても。200ユーロ越えは当たり前、300ユーロ台も普通、ちょっと薄めのレンズでブルーライトもなんてやろうもんならほぼ400ユーロ……。もはやひと財産。度が低ければもう少し安く済むかもしれませんが……。
ドイツで度数とか焦点間距離とかだけ出してもらって旅行で別の国に長く滞在するときに作ったら安く上がるかなと思いググったのですが、眼鏡の価格は中々おもしろく、主にその国の中でのレンズ製造会社や眼鏡店の競争の激しさによるみたいです。ドイツより物価の安い国なら眼鏡もその分安いということもなく。それに買った後の微調整や修理を考えると結局ドイツで買おうということに。日本に定期的に一時帰国する人は日本で作るのが一番ですね(元も子もない)。一時帰国しない人でも大丈夫。安く買えました!次のパラグラフを参照!!

【(たぶん)ドイツで一番安いお店】

ピリオドとコンマが見わけれないというわけで少し前からチェーン店も個人店も含めて眼鏡屋さんをちょくちょく見ていたわけですが、その中で一番安かったのがeyes + moreというチェーン店でした。眼鏡界のファストファッションといった印象。ちなみにコンタクトは取り扱っておらず、眼鏡オンリーのお店です。
Einstärkenbrille(遠近両用とかではなく度が単一のもの)なら1つ129ユーロから(ブランドのフレームは追加料金あり)。2つ買うと割引がついて、3つ買うと3つ目はタダ!ブルーライト、サングラス加工、Selbsttönend(明るさに応じて色が変わるレンズ)も追加料金なし。近視と乱視が混じっていても、どんな度数でも均一価格。レンズの屈折率(薄さ)は選べないので(度数に応じて決まってるらしい、追加料金で選択というのもできない)、こだわる人にはおしいポイントかも。とはいってもレンズ大きめのものも買ったのに(レンズが大きいほど端っこの歪み・厚みが酷くなる)ワシの度では瓶底眼鏡みたいな酷いものにはなりませんでした。ネットでクチコミを見たところ、-6超えてる人はレンズ大きめの厳しいようですが……。
ずっと愛されてる街の眼鏡屋さんといった感じの個人のお店はどこもとても親切&プロフェッショナルでお願いしたかったのですが、ひと財産なモノを顔に乗っけて歩きたくないのと、予備も買うとなるとお財布が爆死するのででまた今度。モノはイイんだろうなぁ……。
あとはeyes + moreほどではないけれど、Apolloというチェーン店もお安め。こっちはコンタクトも取り扱ってます。ちょくちょくセールをしているのでそこを狙うとeyes + moreと同じくらいお値段かわいくなると思います。

【実録・eyes + more】

色々調べた結果、Apolloかeyes + moreかなぁ…ということで、まずはeyes + moreに突撃。入ってすぐ価格システムの説明をしてくれました。やっぱり値段が武器なんでしょうね。
その後普通にフレームを試着しまくりました。ここでもう一つアドバイス:眼鏡を試着するときはコンタクトつけていけ。ワシくらい目が悪くなると、度なしの試着フレームをつけた自分の姿がよく見えない(前に眼鏡屋さん突っついて歩いてたときに気づいた)。ただしその場で購入決定の場合視力検査するのでコンタクトの保存道具も持って行け(お店側が用意してくれてるみたいだけど、一応)。ワシは夕方お店に行って朝からつけてたワンデーレンズを捨てて眼鏡で帰りました。
やっぱり鼻パッドなしは難しいわねーと試着していると店員さんがススッと寄ってきて、六角形のフレームを勧めてきた。はぁ?六角形?!なんてエキセントリックなものを!と思いつつかけるとなかなかよい。サングラスにしたらかっこいいんじゃないかとか。サングラス買う予定なかったけど、普通のレンズでもイケてそうととりあえずキープ。
調子に乗って一人だったら手を出さなかったであろうバタフライ型とかちょっとネコっぽい大きめ丸めとかも試着。店員さんと一緒にもはやファッションコーデのノリでノリノリ試着。ティアドロップ(マッカーサーのサングラスの形)とか勧めてこないタイプもあったしブランド物の高めのフレームばかりということもなかったので、ちゃんと客のこと考えてる店員さんだ。眼鏡ってこんなに楽しいのか。眼鏡歴20年にしてここまで楽しかったことない。スクエア型しか考えてなかったのに、物は試しね。六角形、バタフライ、丸めのネコ風の3つまで絞るも決めれず。Apolloも見に行ったらコレって即決できるもっといいデザインに出会えるかな…と考えていると、店員さんが囁いた。「3つめはタダですよ。」ハイ決定。3つお買い上げ。
次にブルーライト加工するか、サングラスやSelbsttönendもあるよ、どうすると。それじゃあちょうど3つ買うから、六角形はサングラス加工、ネコたんはSelbsttönend、バタフライはブルーライトということに。度付きサングラスとSelbsttönendも興味あったからちょうどいい。評判は見聞きできるけど、結局は自分が気に入るかどうかの問題だから。
他のところも見て回ろうと思ってましたが、もうここで決定。2年の保証つき(傷や折れの修理、盗難時は同じメガネがもらえる。ちょっと自己負担額はある。)で3本で276ユーロ。ドイツでこの値段は格安。ちなみに調整とかしても気に入らなかった場合90日以内なら無条件で返金もしくは作り直し可能。

【かけてみての感想】

注文から3週間後に店舗に眼鏡が届き、受け取って終了。2週間ほど経ちましたが、個人的にはイイ感じ。ピリオドとコンマがちゃんと見分けれる!仕事がはかどりますね。Selbsttönendの眼鏡で外に出て数分経ったとき、空が暗くなったな一雨来そうと思いハッとしました。レンズが茶色くなってる!室内に戻るとまたすぐ透明に。変色速度が遅いのかなと心配していましたが、無用だったようです。ドイツの冬は毎日曇り空なのでサングラスはまだ真価が発揮されてませんが、こちらもいい感じ。
レンズはまあまあ厚いですが、見えにくいとか視界の歪みが気になるということもないのでヨシ。方眼紙のような構造を見るとレンズの端っこはちょっときになるけれど、普段は気にならないです。度がかなり強い人はレンズが小さめのフレームだと安全かと。

【眼鏡と審美性】

日本語空間でよく出てくる「目が小さくならない方法」、「顔が大きく見えない方法」、「輪郭が凹んで見えない方法」ですが、個人的にはガン無視です。
目が小さく見えてもワシはかわいいしかっこいいし美しい、目が真ん中によって見えたり頬がふくふくして見えてもグリちゃん(イスタンブールのアヤソフィアに住んでいたネコさん)とお揃いだね、と。ドイツに住んで見た目に対する考えや美の基準が変わったことも大きいと思うけれど。輪郭が凹むのだって、眼鏡をかけているんだから仕方ないでしょ。眼鏡をかけていることが悪いなんてことはないし、眼鏡で輪郭凹んで見えることを悪く言う人の声は聞かなくてよし。仕事やプライベートで審美性や印象が大切な人は違う意見かもしれないけれど、引きこもりプログラマーのワシには問題なし。そもそもほとんどの人は気にしてないと思う(だって、3年くらい定期的に顔見てる同僚や友人でも、目の色何色かちゃんと思い出せるかといったら……)。

【ニンゲンの顔認証はザル、眼鏡は顔の一部】

他人はそんなに自分を見ていないエピソードを一つ。
自分含め3人のシェアハウスに住んでいるのですが、2年ほど一緒に住んでいる同居人が「眼鏡買ったの?何かの拍子に検査されて眼鏡必要って言われたの?」と。眼鏡を買ったのは事実だけれど、ずっと眼鏡をかけていたので「????」。
ワシ「…ずっと眼鏡だけど……???」
同居人「……へ?!」
つるが折れた眼鏡をかける
同居人「?!?!?!?!?!」
おそらく、眼鏡込みで顔認証登録されていたようです。だから、眼鏡が変わって顔認証システムがアラートは出したけれど、眼鏡をかけていた・いないは登録されていなかった模様。他人の認識なんてこんなもん。

【おまけ・応急処置】

眼鏡のつるが折れたのは、リスボン旅行中のホテルでのことでした。接着剤でくっつけよう…としていたことだろうと思いますが、その数日前に能登の震災を受けてツイッタ(と今でも言う)で「折れた眼鏡は接着剤でくっつけるな。テープと添え木のようなもので応急処置をして、修理は眼鏡屋さんへ」というアドバイスを読んでいたのです。すぐにリスボン市内の文房具屋さんをググって突撃(画材も豊富でコピックの品ぞろえにうっとり)、セロハンテープを購入。添え木の役割をする何かはどうしよう…これが問題でした。が、賢いので閃きました。インダストリアルピアスのシャフトがちょうどいいのでは。フロントでハサミを借りてテープを切り、シャフトと一緒に巻いて処置成功。これが意外としっかりしていて、帰宅して眼鏡屋さんに行って注文してから受け渡しまでの4週間これで生きていけました。

応急処置された眼鏡さん。気に入ってたんだけどなぁ……。

やはり予備眼鏡は大切ですね。すぐ応急処置もうまくできて旅行中はほぼコンタクトだったし、帰宅後新しい眼鏡を待っている間も家に先代の眼鏡が予備としてあったので安心でした。眼鏡やコンタクトがないと運転どころかパソコンの文字も読めない勢には視力矯正のバックアップは本当に大切。今回3本も眼鏡買っちゃったけど、修理待ちや作り直しになる羽目になってもこれなら安心。なんなら普段も眼鏡選べて楽しいね。

【まとめ】

ということで、楽しく眼鏡を作って仕上がりもよく一件落着でした。眼鏡はドイツだと高くつきがちなので、一時帰国のときに日本で作るのがよき。ドイツで手ごろな値段で眼鏡を作りたい人にはeyes + moreかApollo(特にセール中)がおススメ。鼻パッドは救世主。眼鏡の予備は普段意識しないけど大事。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?