中間整理に向け:個情法3年見直し(実効性のある監視・監督の在り方①)
こんにちは!
春分を過ぎ、だいぶ☀️が長くなってきましたね。
ベランダのムスカリも青い花をたくさん咲かせています。
今日は、3/22の第277回個人情報保護委員会で、3年ごと見直し中間整理に向けた検討項目第2弾資料が公表されました。前回同様、スライドに沿って見ていきたいと思います。
(議事概要は3/24本日時点で公開されていないため、追って追記予定です)
なお、出典の明記がないスライドは全て、表題の以下の資料が出典となります。
個人情報保護法 いわゆる3年ごと見直し規定に基づく検討(実効性のある監視・監督の在り方①) 令和6年3月22日 個人情報保護委員会事務局
中間整理の検討項目(案)とここまでのまとめ
今回の公表は、2/1に公表された中間整理に向けた検討項目のうち、下図の赤枠となります。
検討の方向性
今回の範囲の検討の方向性は、実事案ふまえ、悪質・重大な事案に対する厳罰化等の実効性のある監視・監督の在り方となっています。
これまでの議論
下スライドは、関係団体や委員意見の個人情報保護委員会による公式まとめに、今回の範囲に関する部分に黄線を引いたものです。課徴金制度や罰則の強化は、賛成・反対どちらの意見もあるようです。
それでは、今回の公表資料を見ていきましょう。
「実効性のある監視・監督の在り方」
今回は、①刑事罰の在り方と、②課徴金制度の導入の2つの検討項目です。
①刑事罰のあり方
まず、現在の個人情報保護法の直罰規程と、令和2年改正での法定刑の引き上げ振り返りの説明
前回の令和2年改正により、法人等への罰金額の引き上げ等が行われました↓
3 不正提供等罪の適用事例と注意喚起
メディアでも報道された2つの事案を背景に、個人情報保護委員会が注意喚起を行ったことが振り返りされています。
・自社の名刺管理システムのログイン情報を、退職者に渡し、転職先での業務に利用していた事例
・四谷大塚の講師が、児童の盗撮を行うと共に、自社のシステムから当該児童の個人情報をSNSに投稿した事例
個人情報保護委員会の注意喚起(令和5年11月16日)
続いて、侵害のおそれがあった事案の列挙
不正な取扱いによる侵害のおそれ事案
不正取得行為に関する国内の他の法律における主な規律
個人情報保護法で法定刑の対象となる事業者や持ち出した行為者ではなく、
不正に取得する側の者への法定刑が参照されているのは、興味深いところです。
不正取得に関する電話相談の内容等
PPC相談ダイヤルや、近年よく見かけるなりすまして不正取得する事案の列挙がされています。
次の検討項目です。
②課徴金制度の導入
監視・監督に関する現行法の規律
この図は説明として、わかりやすいですね!
(実件数をマッピングできるか、調べてみたいと思います)
法令に基づき賦課される金銭や罰則の種類
現在の個人情報保護法では、(1)②罰金と(2)①懲役が採用されていますが、
(刑罰ではない)課徴金の導入の意見があったことから、その制度上の違いを整理し、議論が行われた可能性がありそうです。
他の法令における課徴金制度の概要
先の刑事罰の検討項目と同様、他の法令での制度が整理されています。
課徴金に関する過去2回の改正時の議論
H27、R2の2回の改正でも、課徴金制度の議論はあがり、規範化は見送られたものの、引き続き検討となっている論点であることが読み取れます。
感想
以上、今回の検討項目は、問題を起こした場合の直罰、課徴金制度であるため、前回の論点に比べれば、一般に関心は薄いのかもしれません。
個人的には、罰則や執行の強化が、事故の未然防止、抑止につながるのであれば、本当に悪質な事案に関与した関係者にペナルティが強化されても、良いように思いました。
この点、議事概要が公開された後に、委員の意見をふまえて、再度考えてみたいと思います。
それでは、また!
今日のDall-E3
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