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ニンジャスレイヤーTRPGリプレイ「トルネードスパイク・エントリー」

ドーモ、おれだ。
1/2の夜はニンジャスレイヤー公式が自前のTRPGルールを使った遊びを行っていたが、おれは普段出入りしているクトゥルフ卓にいたので未参加だった。その卓は最高だったが最高具合が完全に身内ウケのそれだったので多くは語るまい。

しかし翌朝改めてツイッターのタイムラインを遡るとなかなかに面白そうであったので、ダイスを振ってキャラメイクし、一通りキャンペイグンをやってみた。今から実況タグに連投するのも奥ゆかしくないので、ここでリプレイを乗せるとしよう。TRPGリプレイは自分でも書いたりするが、あれはとても面白い。

というわけでこれがおれのニンジャだ。

ニンジャ名:トルネードスパイク
【カラテ】:3
【ニューロン】:3
【ワザマエ】:4
【ジツ】:0
【体力】:3
【精神力】:3
【脚力】:2
装備など:ウイルス入りフロッピー
◆忍◆
ニンジャ名鑑#null
【トルネードスパイク】
ネオサイタマの女ローグ・ウィッチにニンジャソウルが憑依。カゼ・ニンジャクランの恐るべきソウルを秘めているが、本人のカラテ不足により未だ覚醒を得ていない。享楽的な思考でネオサイタマの闇を駆ける。
◆殺◆

ニンジャネームはへるまさんの表を使用させていただいた。アリガト!

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

重金属酸性雨に濡れたアスファルトに1人のニンジャが着地する。フード付きパーカと長い前髪がその顔を隠しているが、口元はこれから始まるミッションの高揚に歪んでいた。彼女の名はトルネードスパイク。ニンジャソウル憑依から日も浅く、ソウカイ・シンジケートに入ったものごく数日前だ。彼女はニンジャとなったことで、自分を虐げてきた社会が狩場となった感覚に酔いしれていた…。

ターゲットであるデスシャドウ・ヤクザクランの事務所にはすぐに見つかった。傍らに浮かぶUNIX搭載の六面体「D6」も目標への突入を促している。

トルネードスパイクは入り口に目をやる。ヤクザがショットガンを構えて警戒している。クローンヤクザだ。かつてハック・アンド・スラッシュの支援要因として活動していたころ、幾度となく命を狙われた恐るべき存在。だが今は少しも恐れは湧いてこなかった。殺す事が当然であり、自分はその選択肢を選ぶ立場なのだ。体温が上がるのを感じる。だが横に浮かぶD6を見て我に返った。焦るな。今はまずミッションをこなし、ソウカイヤに自分の有力さを思い知らせるのだ。

トルネードスパイクは一呼吸の後、手のひらにカラテを集中させスリケンを生成する。掴み取った無慈悲なる金属の塊はほのかに熱を帯びている気がした。

🎲5 6 3 4🎲成功な🎲「イヤーッ!」「アバーッ!」トルネードスパイクの放ったスリケンはクローンヤクザの額を貫通!即死だ!そのままトルネードスパイクは玄関へ接近。クローンヤクザの死体を手近なダストボックスに突っ込んだ後、固く閉ざされたドアを物色する。

トルネードスパイクはまずドアを蹴破ることを考えたが、よく見ると錠前はそれほど精巧なものではないことが見て取れた。ここはスマートにセキュリティだけを破壊するか。彼女は錠前に手をかけた。

🎲5 4 6 3🎲成功な🎲ニンジャ握力とニンジャ器用さにより、頑強な錠前はオモチャのようにバラバラに分解されてしまった。前髪の奥から怪しげな瞳がD6を一瞥する。果たしてこのサイコロ野郎はどこまで自分を見ているのだろうか。末端のミッションまであの悪趣味なソニックブームが目を光らせているとは思えないが、この行動が何らかの査定にプラスされることをトルネードスパイクは期待した。

ドアを開いた先は暗く狭い部屋だ。ボンボリは灯っていないが、可動しているUNIXが放つ仄かな明かりによって幽玄なアトモスフィアが漂っている。モータルであれば歩くこともおぼつかないであろうが、トルネードスパイクにはニンジャ視力がある。周囲を警戒しつつアドミン端末を探した。とその時である!

「スッゾコラー!」突如ヤクザスラングとともに警備クローンヤクザがドスダガーを構えて突進してきた!ウカツ!狭い部屋故に接近を許してしまった!トルネードスパイクは舌打ちをする。

🎲3 4 5🎲成功な🎲かつての自分であればドスダガーを回避する事もできず、ここで殺されていただろう。所詮はコードロジスト崩れ。カラテもなく、ただ初歩的なウィルスが生成できるだけの無力な女だった。だが今はクローンヤクザの攻撃がまるでスローモーションのように見える!「イヤーッ!」「アバーッ!」トルネードスパイクはクローンヤクザと接触する寸前にするりと後ろへ回り込み、チョップ突きを繰り出した!胴体貫通殺!「アハハハハハ!ざまぁないね!」緑色のバイオ血液に血塗られたその手には万札が握られていた。

周囲を警戒するがこれ以上の増援はないようだ。改めて室内を物色すると、アドミン端末と思しきUNIXを発見した。ここから未公開株券データを奪えばミッションクリアだ。だがしかし、戦闘で高揚した彼女のニューロンにはさらなる欲望の魔手が身をもたげていた。

自分はニンジャになった。しかしそれは社会のレイヤーが一つ上がっただけだ。あの日ソニックブームの前に呼ばれたニンジャは何人いた?あいつらの下になるのはゴメンだ。アタシは成り上がってやる!トルネードスパイクは本来の目標を大幅に超えた範囲までハッキングを始めた!ヤクザクランの口座をすべて抑えるつもりなのだ!

🎲5 3 5🎲失敗な🎲「グワーッ?!」激痛!UNIXのモニタに「不正検知な」のアラートが現れるやいなや、どこからともなくトラップ矢が射出され、トルネードスパイクの腹部に突き刺さっていたのだ!「グワーッ!毒矢グワーッ!」トルネードスパイクは激痛とともにこみ上げる悪寒に恐れおののく!ハッキングに失敗したのだ!床に這いつくばりながら震える手で矢を引き抜き、メディキットで治療を行う!モータルの自分であればおそらく即死だったであろう恐るべきトラップである。

鳴り響くサイレンがニンジャ聴力で増幅されて聞こえてきた。今逃げ出せばトラブルは避けられるだろう。しかし既にアドミン端末はなんの反応も返さない。失敗だ。宙に浮かぶD6が撤退を促している。なんの感情もない金属質のD6のカメラアイの奥に、ソニックブームや同期ニンジャたちのあざ笑うような目が見えた気がした。

「クソッ、クソーッ!」なんとか立ち上がったトルネードスパイクは裏口から脱出し、カンバンを飛び渡りながらアジトへと戻っていった。ブザマである。結局の所、ニンジャになったところでデスペラードな自分の性根は何一つ変わっていないのだ。ニンジャでなければ幾度死んでいたことだろう。敗北感に打ちのめされたトルネードスパイクは涙を流しながら己を恥じた。しかし彼女はまだ生きている。再びソウカイヤからのミッションが下る時、彼女はニンジャなりのゼンめいた奥ゆかしさを得ているか…。それとも自暴自棄なままでいるか…。それは誰にもわからない…。ドクロめいた月が彼女を見下ろし、「インガオホー」と呟いた。

◆「トルネードスパイク・エントリー」おわり◆

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いかがだっただろうか。単純なミッションだがやや解像度を上げて描写してみた。昨夜のクトゥルフ卓ではかなりのダイス運を見せた自分だったので、ここでもいけるのでは?などと欲をかいた結果がこうなったわけだ。ショッギョ・ムッジョである。

未来へ

他のヘッズの皆様もリプレイを上げておられるようだ。とてもタノシイのでいつかニンジャスレイヤーTPRGの卓も囲みたいものである。ワオワオ。それではまた、いずれ…。



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