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ニューシネマパラダイスについて。

好きな映画を挙げてと言われたベスト3には入る『ニューシネマパラダイス』を知ったのは今から2、3年くらいのこと。
僕がよく夜ご飯を食べに行っているお店での出来事だ。

その日は夜もだいぶ更けていて、僕の座っているカウンター席の両隣は空いていた。あとから入ってきたお客さんが椅子をひとつ開けて右隣に腰を下ろした。

特に気にもかけず僕らは自分自身のお酒に向き合って、静かに楽しんでいた。手が空いた店主が僕らお互いに紹介した。

僕がふと隣の席を見ると、僕よりもずっと背の低くて髪の短い女性が座っていた。店内の証明も暗かったので全然気が付かなかった。聞けば僕らは同い年なのだという。彼女をMさんとしよう。

店主はMさんがブルキナファソという南アフリカの国の出身である、と教えてくれた。しかし、話していると日本語も上手だし、雰囲気も日本人ぽい。それもそのはずであるMさんは埼玉県生まれの日本人だ。あとで聞いた話だが西武ドームでバイトもしていたらしい。

ブルキナファソにも前の年までボランティアで行っていたらしい。半分嘘で半分本当だ。

ここまでタイトルの『ニューシネマパラダイス』にほとんど関係ないのだが、Mさんが僕にこの映画を教えてくれたのだ。

「好きな映画はありますか?」
「ニューシネマパラダイスって映画おすすめ」

勧められたものは一度見て見るようにしていたので、多分次の日くらいには見ていたと思う。結果的にとても良い映画であり、この映画を初対面の人に勧められることほど素敵なことはないと思った。それくらいいい映画でした。僕もたまにこのときの真似をしてニューシネマパラダイスを誰かに勧めることがある。

簡単にいうと「映画の映画」である。
所沢には野球しか娯楽がない(西武遊園地があるよ)みたいに、舞台となった町の娯楽は映画だけだった。

Mさんとのお話はこれでおしまい。
このあと多少の何かはあったとしても、友達以上の関係にはならなかったし、今もたまにお店で会ったら話をする。

『ニューシネマパラダイスを人におすすめする映画として、手札に持っているのめちゃくちゃかっこいい』簡単に言えばこれだけのことが言いたいがために前置きが長くなりました。

唯一の救いは、後日僕もしっかりとおすすめの映画として『ブルース・ブラザーズ』を紹介出来たことだ。万人受けしないサメ映画を教えなくて良かった。

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