何の話001

相手に伝わる話をするためのシンプルな準備

こんにちは。情報デザイナー 星 一輝です。

「わかりやすさ」を追求し、情報設計、インフォマップ、UIUXデザインなどを手掛けています。


さて今日は「相手に伝わるように話す」ための簡単な準備方法をご紹介しようと思います。


何かを説明したり頼んだりするときに要領よく話せずに相手から

「なんの話?」(イラッ)

とされてしまうこと、ありませんか。

そんなときは場の空気も悪くなるしそもそも頼みたかったことを承諾してもらいにくくなってしまったりもします。

それは自分が悪いのか?頼む内容か?話下手は生まれつきだからか?

いえ。対応策はあります。簡単にまとめてみました。

これ以前会社の発表で使ったものから抜粋しています。スライドのページ数が飛び飛びですが気になさらず。

場面は一対一の会話。あなたは、伝えたいことを胸に抱き、相手に話を始めます。

一言目ではまだ相手は話を理解していないようです。でもめげずに続けます。

でも、話しても話しても伝わらず、空気は悪くなるばかり。

相手が助け舟を出してくれ、相手の聞くことに答えていくことでなんとか伝わる。なんて場面、ありませんか?

忙しそうな先輩に質問するとか上司に報告するとか、今日の出来事を家族に話すとか。ふつうに伝わればなんてことないはずなのに、どうもうまくいかない。

もしそんなご経験があり、なんとか改善したいとお考えであれば、ここからのやり方を試してみてください。

まず、スタート地点から。

お気づきでしょうか。さっきまでのスライドでは自分が左にいました。

そりゃそうです。人生自分が主役ですからね。

が。その視点を変えることが第一歩です。いや人生の主役は自分でいいんですよ。話すときの心構え。

「相手の知りたいこと」を起点にするのです。


"え?伝えたいことがあるのは自分ですけど?"

"質問がある場合、聞きたいことがあるのは自分でしょうよ?相手に知りたいことなんてないでしょうよ。私に気があるなら話は別だけど?"


まってまって。そうじゃないんです。

対話が始まるとき、相手には常に知りたいことがあります。それは、

「何の話?」

です。今から始まるこの会話、何の話なのか。

この相手のニーズ、それはもういわば生きとし生けるもののあくなき根源的欲求。

「何の話?」

まずはこれを満たすところからはじめましょう。

はい。満たされました。

これで、その先を穏便に幸せに続けることが可能になりました。


話がうまくできない、話しかけてもいきなり不機嫌な顔をされてしまう、という人は、この第一歩目でコケてることが実に多い。

まずはここをしっかりクリアしましょう。

続いて。

何の話か分かったら、次に相手が気にするのは、あなたの欲求。いい人ですね。聞く耳もってくれてます。

そこであなたの伝えたいことや聞きたいことを伝えます。(スライドでは意見・提案となってますが質問も入りますね)

続いて。

相手は、その依頼や質問に対しての反応を求められている状況ですが、たいていの場合判断材料が足りません。

あなたがその依頼や質問に至った背景や、判断するための周辺情報を必要とします。

なんであなたはそう思うの?

その質問を解消してなにがしたいの?

そこを理解することで適切な返答ができるのです。


話下手な人がよく陥るのが、入口でコケてしまいなんとかここまでたどり着くも、相手からこの場面で質問攻めにあい、しどろもどろ。相手もイライラを募らせ、自分も辛い。近くにいる人もそのやりとりが耳に入り微妙な空気。なんていう場面。

それは、相手があなたをいじめてるわけでも、必要以上に攻撃的なわけでもないんです。正しく答えたいから正しくインプットしたいのです。

それをしっかり満たしましょう。


"理解しましたけど・・・しっかり、ですか。それができてりゃ苦労してないんですよね・・・。"

"なんだ、抽象論ですか。そういうの、もう本で読んで飽き飽きなんですよね・・。"


大丈夫。というかその通り。

この手の話、聞いたり読んだりしただけじゃできないんです、実際。

私も散々知ってます。

自分が上司に怒られたり先輩や同僚に嫌な顔されたり。逆の立場で若手の話に苛立ったり嘆いたり。

そんな中で編み出したのがこれ。

これらの要素を、このフォーマットに沿って書き出すのです。相手に話しかける前に。

手元のメモ紙でいいです。

簡単でいいです。一言ずつでいいです。要点を書き出してください。

こんな感じ。乱筆で読めないかもですね。でもいいんです、それくらいで。

自分が分かればいい。キレイに書こうとか思って時間かけないほうがいいです。


最初は面倒かもしれません。

一度や二度はできてもすぐ忘れちゃうかもしれません。

でも、書くのです。書き続けるのです。愚直に、地味に。


書いてから話しかけたときは、うまくいくはずです。少なくとも手ぶらで向かうよりも少しマシになるはずです。

書くの忘れちゃって手ぶらで向かったら、いつも通りになるはずです。


そこには違いがあります。その違いこそが、成長です。話上手への階段です。


実際この方法を使って、毎日のように怒られあきれられていた話下手人間達が、数週間で見違えるように報告上手質問上手になっていきました。


ポイントは、これを徹底してやり続けること。

大丈夫です。慣れてしまえば時間はかかりませんし、なんといっても話がうまくいく。早いし嫌な空気にならないし。コスパ充分です。

試してみてください。

情報デザインを仕事にして独立したいと考えています。世のため人のためになるはず!と思い活動していますがまだ生計を立てるまでには至らず。自分の発信する情報にどれだけ価値があるのか、測りかねているのが正直なところです。この記事にどれだけ価値があると思われたか、どうぞ教えてください。