いにしえディーラー

「いにしえの 帝国州の摩天楼 プラザ合意に ブラックマンデー」現在金融市場で働いている…

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「いにしえの 帝国州の摩天楼 プラザ合意に ブラックマンデー」現在金融市場で働いている現役の方には歴史上のできごととなっている時代から金融マーケットにかかわってきました。金融市場を以外にも、世の中の動きで気になることは幅広く、Noteにに書き溜めていきます。

最近の記事

円安報道の違和感とは

 ここのところ毎日のように円安報道が続いています。最近の報道や日銀総裁の会見を見ていると気になることが多くコメントしようと思います。 日銀総裁会見  4月26日の日銀総裁会見は見ごたえがありました。会見では円安関係に質問が集中していました、特に物価と円安の関係に焦点が当たっていたように思います。日銀総裁は円安は第一の力(輸入物価等の直接影響するもの)には影響を一時的に影響を与えるものの、第二の力(基調的物価動向で賃金も上昇し、サービス価格上昇するような循環)に影響するかは

    • NISAの気になる話(若い方・初心者の方へ)

      NISAつみたて投資気になるオルカン人気  今年に入って新NISAがスタートし新聞紙上等をにぎわしている。2月21日付日経マネー特集によれれば「オルカン」と呼ばれるMSCIオール・カントリー・ワールド・インデックスに連動する投資信託に人気があるようです。TV報道番組でも外国株運用について年金積立金管理運用独立行政法人GPIF)の独立後の過去16年間の外国株式の収益率7パーセント強を引用して、外国株運用を勧めているコメントも聞かれます。  積み立て投資をすることを前提に一番重

      • NISAの気になる話(若い方・初心者の方へ)

        成長投資枠個別株の人気順位  2月21付けの日経新聞記事でNISA投資の個別株につては日本たばこ産業株(JT株)が人気ナンバーワンとのことですが、この点は少し気がかりです。個別株は成長投資枠でしか投資できないので、同枠の投資で人気ナンバーワンとのことだと思います。この記事を通じてNISAの気になる点を考えてみます。 日経新聞によるとネット証券5社の買い付け金額ランキングは以下の通りで 10位まで紹介されています。5位までを引用すると 1位 日本たばこ産業 2位 三菱UFJフ

        • 弱者の救済と弱社の退出

           先月TV東京系のオンライン番組、モーサテサタデーで日本の今後の金利政策等について解説がありました。この番組はチャットで視聴者も質問や意見を言える仕組みです。話題が今後の日本経済全般になってきたので、私が普段から思っていることで「弱者(個人)は救済すべきだが、弱社(会社)は必ずしも社会的なコストをかけて救うものではない、個人の命は大切だが組織(会社)は社会の活性化のためにも新陳代謝が必要です」との趣旨のコメントを投稿しました。この日のコメンテーター(森田長太郎さん)は基本的に

        円安報道の違和感とは

          日銀総裁会見(買っちゃったもの)

           昨日(1月23日)植田日銀総裁の金融政策決定会合後の記者会見がありました。日経CNBCで裏解説を見ていましたが、今は誰でも生の会見を見ることができる便利な時代になりました。米国FRB議長のFOMC後の記者会見でさえ眠いのを覚悟さえすれば生で見ることが出います。せっかくなので日銀総裁会見を最初から最後まで見ていましたが、あまりその後のニュースや解説では取り上げていない、一つ気になる点がありました。  ある記者が日銀の上場投資信託(ETF)購入プログラムの今後の方針について質問

          日銀総裁会見(買っちゃったもの)

          YCCの解除はどうなるか

           イールドカーブコントロール(YCC)については昨年12月にこの政策が市場のターゲットになる政策だと書いたが、いまではこれが常識となっている。上限金利までに余裕がある今こそYCCを解除すべきだとの議論もよく出てきている。植田日銀総裁も6月の記者会見でこの政策がフォワードガイダンス的なものにそぐわないとの認識を示していた。したがって7月の決定会合でどうするかはふたを開けてみないとわからない。  現在市場や評論家の議論よりも日銀総裁は緩和的なスタンスを維持している。おそらく過去の

          YCCの解除はどうなるか

          5月31日付日経新聞「国税が税務見解」から思ったこと

           少し前になりますが、5月31日付の日本経済新聞で信託型ストックオプションの株式報酬に関する税の取り扱いに関する見解が示されたとの報道があった。税の取り扱いについては専門家が、税の課税の公平性や他の取引とのバランス等を考慮して判断されているとされている。ただ税務当局は税収を確保するのが仕事だとすればそれまでであるのだが,大原則として課税できるものは最大限課税するロジックが常に背景としてある。今回の件はその後も日本経済新聞が報道しているので、スタートアップ企業に対する影響等の分

          5月31日付日経新聞「国税が税務見解」から思ったこと

          音楽と欧州の戦争

           クラシック音楽でどなたも知っている有名作曲家が戦争にまつわる曲をいくつも作曲しています。クラシック音楽好きの方は皆さんご存じと思いますが、その他の方向けにここでいくつかご紹介します。  まずどなたも知っているロシアの作曲家チャイコフスキー(1840年ー1893年)です。バレエ音楽の「白鳥の湖」、「くるみ割り人形」は皆さん聴いたことがあるかと思いますし、他にも有名な曲がたくさんあります。その彼の作曲で「序曲1812年」があります。この1812年はフランス革命のあと出現したナポ

          音楽と欧州の戦争

          不安定な金融情勢と投資

          不安定な金融情勢と投資

          日銀の金融政策変更に対する市場の反応はちょっと変ですね②

           日銀は1月17日、18日の金融政策決定会合で大規模な金緩和の継続を決定しました。決定会合の直前には長期金利の変動幅の上限0.5%前後はりついて催促相場のようになりました。昨年12月の会合ではサプライズがあったので市場は2匹目のドジョウを期待したようです。このYCCに関しては私の12月30日付の同表題で書きましたが、現状のYCCの手法は基本的に「市場介入」(相場操縦)であるため、催促相場には応じないし、フォワードガイダンス的な発表もないのが基本的路線です。ですから今回も催促相

          日銀の金融政策変更に対する市場の反応はちょっと変ですね②

          銀行の株価

           1月18日の日銀の黒田総裁の記者会見で記者の一人が、金利の上昇は銀行経営に悪影響を与えないかとの質問があり、黒田総裁は特に問題があるとは思はないが、常にモニタリングはしていると言った回答がありました。  現在銀行株価は非常に堅調で、市場では金利高が銀行収益にプラスとの認識が広がっています。確かに円金利の上昇については日本国債の評価損が想定されるものの、短期金利が0%程度で推移しており、円金利は順イールドで本業の貸出金を含め、国債保有でも利ザヤを稼げることは考えられます。加え

          賃上げ議論に必要なものはなんでしょうか

           現在NHKでは朝ドラ「舞い上がれ」を放映しています。今は大阪の町工場が舞台となっておりリーマンショック後の不景気で、人員整理の必要に迫られるなか社長が病死してしまい、その未亡人が社長となり社長とその娘が従業員3人に退職をお願いしているシーンがありました。最初の二人は割と素直に受け入れましたが、最後の一人はかなり抵抗して最後に娘が納得させたというようなストーリーが描かれています。  1月18日付日経新聞の経済教室で同志社大学の奥平准教授が寄稿しており 「賃上げへ生産効率向上カ

          賃上げ議論に必要なものはなんでしょうか

          米国の金利水準はどのぐらいでしょうか

          米国では利上げが続いていますが、世の中(日経CNBC等でのコメンテーター他)では2023年後半には利下げに転じるのではとの観測も出ており現在のターミナルレート(利上げの到達点の金利)は5%台が一般的な見方です。しかし1970年代から2000年ごろまでは下限金利が5%でした、ところがその後は上限金利が5%となってきました。我々は長年低金利の時代に浸ってきましたが、この状態が今後も続くのでしょうか。米国の金利の歴史は1970年代から2000年ごろまでは5%が下限でその後逆に5%が

          米国の金利水準はどのぐらいでしょうか

          日銀の金融政策変更に対する市場の反応はちょっと変ですね

          12月21日付日経新聞社説の表題は「日銀は政策で市場との対話を丁寧に」でした。20日の日銀発表前の正午のニュースで「本日日銀は金融政策決定会合で大規模緩和を継続を発表する」と流していました。私はそのニュースを聞いたときに若干の違和感を感じました。というのは黒田日銀総裁が過去にいわゆるバズーカを連発し市場を驚かしてきたということもありますが、イールドカーブコントロールという金融政策自体にバズーカ的な動きが必要となるな要素が内包されていると考えているからです。今回は後出しじゃんけ

          日銀の金融政策変更に対する市場の反応はちょっと変ですね