こぎつね

手ぶくろを買いに

「手ぶくろを買いに」という絵本が好きです。
好きな絵本ベスト3に入るくらい。
道産子なので、北国の冬の情景に親しみもあり、雪にふれた手のつめたさなどもリアルに思い浮かび、子どもの頃から好きでした。
いろんな方が挿絵を描かれていますが、黒井健さんの絵のものがとくに好きです。わたしも挿絵、描いてみたい。

2歳のゆっちゃんには、まだだいぶはやいかなと思うし、絵本は年齢に適したものを読ませた方が、絵本の大切な部分をきちんと受け取れるんじゃないかと思うのですが、少し前から寝る前のお話の定番になりました。

絵本って、暗いと読めないじゃないですか。みなさん、寝る前の絵本ってどうしてるんだろう。電気がこうこうとした中で読んで、さあおしまい。寝るよ〜!とパチンと電気を消す?それとも間接照明で読む?

明るいと、ゆっちゃん目がらんらんとしちゃって寝そうになく、かといって真っ暗もこわがるので、暗めの間接照明の中、何かお話しようと思って「うろ覚え手ぶくろを買いに」を話して聞かせたことがあります。
「うろ覚え手ぶくろを買いに」は、実際に絵本を読むのではなく、記憶でお話します。
ベスト3に入りそうなくらい好きでもいざ聞かせようとすると、悲しいくらいに言葉が出てこず…新美南吉のうつくしい言葉とはかけ離れた残念なかんじで…
残念なかんじのせいか、ゆっちゃんは、すっと眠りに落ちました。
まだ、ゆっちゃんには情報量が多いせいでシャットアウトしてしまうのかもしれません。

断乳をはじめて、おっぱいなしで寝かしつける方法を探してたこともあって、そのうちうろ覚えの方ではなくて、絵本の方を実際に読むようになりました。
ゆっちゃんは、わりとすぐ寝ます。それっていいのかどうかわからないけど、読んでいておだやかな気持ちになるのが心地よく、ゆっちゃんが眠っても、最後までゆっくり読みます。

それで昨日。晩ごはんを食べているときに。
これまで何度か読んだので、少しくらい暗記出来たかなどうかなと思って試しに、冒頭の部分を口に出してみました。

寒い冬が北方から、きつねの親子の住んでいる森へも、やってきました。

……
えーと…あれーーー…。
一文で、もう出てこない…。

あるあさ!こどものきつねが!ほらあなからでようとしましたが!
あっ!とさけんでめをおさえながら!かあさんぎつねのところへころげてきました!

ゆっちゃんが突然つづきを元気よく大きな声で叫んでびっくりしました。
わー覚えてるの!
その続きは前後がバラバラになったり、好きなように好きなセリフを言ったりしていたけれど
アラフォーの脳と、2歳児の脳の違いに愕然としつつ、言葉を覚えていることに感動してしまいました。

そして、こんなに吸収してるってことを目の当たりにすると、ゆっちゃんに普段かける言葉だけじゃなくて、毎日のいろんなことにも気をつけなきゃと思いました。
親のケンカとかね、いちばんいやだよね。
ゆっちゃんはどんどん成長していくので、そのスピードにいろんなことが追いつかないーーー
けど追いかけるよーーーって毎日思っています。
寝顔を見ながら反省する日々です。

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