[2023年セミナー]農村イノベーション

2023年度、「農村イノベーション」の全6回講義が先日終了しました。

講師はスクールのディレクターでもある神戸大学農学研究科の中塚雅也教授です。

中塚雅也教授

 この講義が篠山イノベーターズスクールの最初に始まる講義です。「農村でどのようにイノベーションを起こしていくか」まさに、スクール受講生の共通テーマだけに、初日から受講生の皆様の緊張がこちらにも伝わるほど真剣に受講していました。

真剣な眼差しで講義を聞いています

   講義を重ねるごとに緊張が解け、チームでの話し合いや講義中にも活発な意見交換が飛び交い、篠山イノベーターズスクールのこれからの講義や実現したい事業に向けて良いスタートダッシュを切る講義となりました。

 全6回の講義を通して、まず自分達が関わっていく農村の現状や課題、地域資源を学んだ後、イノベーションの基本知識、イノベーターになるための手法やポイントを学びました。

 農村の現状では高齢化、人口減少、過疎化、未開発など一見マイナスに感じるワードが並びましたが、開発されなかったこそ残っている田園風景、農村には実はたくさんの資源があるなど、農村でビジネスを起こす為の素晴らしいチャンスが隠されているようなワクワクが湧き上がってきたと思います。

 農村の現状を知った上で、「それでは農村でどのようにイノベーションを起こしていくか」、自分にもイノベーションを起こすことができるのかという想いが受講生の頭をよぎったと思います。そもそもイノベーションとは「まったく新しい技術や考え方を取り入れて新たな価値を生み出し、社会に大きな変化を起こすこと」です。とても難しい挑戦に思えますが、先生から「イノベーションは手法を使うことである程度起こすことができる」とのお話がありました。手法ではイノベーションの起こし方やそのための自分の頭や体の使い方、アイデアの出し方や広げ方、農村でのポジショニング、ビジネス化に向けてのポイントを学びました。イノベーションは一夜にして起こせるものではないけれど、誰でも起こせる可能性があることを知る機会となりました。

イノベーションの手法を学んでいます

 全6回のうち2回はZoomによる完全オンライン授業、4回は丹波篠山キャピタルでの対面授業でした。第5回の対面講義のグループワークでは発表する機会がありましたが、どのグループの話し合いも活発に意見が飛び交い白紙のホワイトボードに様々なアイデアが張り付けられていました。発表内容も、実際に地域で実現できそうなアイデアが出てきたのではないかと思います。

グループワークでのアイデア出し


5回目になると息の合った発表


【担当スタッフの感想】
    私自身スタッフとして初めて篠山イノベーターズスクールに携わらせていただく講義となり、皆様のサポートをする立場でありながらイノベーションを起こすことができるのかと講義を拝聴していました。講義の中で印象的だったのが、農村でのビジネスについて、農村で農業は切り離すことはできないが農家だけが存在してはいけないということでした。色んな業種の人たちが存在し農業に関わることで農村が維持でき活性化するという図を描いていました。私は日頃農業に携わる仕事をしているので、先生の図を見た時に土の団粒構造に似ているなと思いました。良い作物を育てるには団粒構造が必要です。土が単粒だと良い作物は育ちません。色んな有機物や微生物がそれぞれの役割を果たすことでよい土ができ良い作物が育つように、農村でもそれぞれが自分のやりたい事業で輝くことで素晴らしい農村地帯になるんだなと思いました。まだ講義は始まったばかりです。コンセプトの段階で様々な人と会い、色んな事を吸収しアイデアを爆発させ、自分自身の事業を絞っていっていただけたらと思います。