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2024年4月26日~4月29日 酒。読書。観劇。それだけ in 大阪→京都→東京。GW前半戦

私の「note」のプロフィールは、『酒。読書。観劇。それだけ』とそっけない、というか投げやりな一文だが、それで充分説明に足りている。 たとえば、2024年4月26日から4月29日にかけて…… 2029年4月26日13:03 東京駅 午後休暇を取り、少しだけ早くGWに突入。 お昼の東京駅新幹線ホームは、それなりの人。 特に、今日からGW期間中は、のぞみ号が全席指定席になる、というので、自由席のあるひかり号に乗客が殺到。 品川駅からの乗車客が自由席に座れない、という混雑ぶり

    • 歌の力は凄い!~映画『ラジオ下神白』~

      震災なんて無かった方が良かった。 もちろん、そのとおりだ。 2011年の東日本大震災では自然災害だけでなく、それ以上に、原発事故や復興計画・復興事業の混乱・不手際といった人災に被災者の方々は翻弄され続けた。 震災なんて無かった方が良かった。 もちろん、そのとおりだ。でも、震災も人災も起きてしまった。 それがどんなに理不尽なことであっても、その過去を変えることはできない。 とても不謹慎な言い方かもしれないが、でも……もし…… 震災があったおかげだね。 そう思える事がたった一つで

      • ワインで反戦を訴える~舞台『ワインガールズ』~

        華やかな香りとフレッシュな舌触りに心地良さを感じた後、しかし、腹にガツンときて、それが持っている本質に驚く、そんなワインがある。 舞台『ワインガールズ』(菅野臣太朗脚本・演出。以下、本作)もまさにそんな物語で、アイドル的若手女性俳優3人が演じる高校生がワイン作りに情熱を注ぐ青春物語、という心地良さをまとった本作は、しかし、実に重たい本質を持っている。その本質を決定づけているのは、フィクションでありながら本作が「実在の人物と実話を基にしている」からだ。 舞台は⾧野県塩尻市にあ

        • TM NETWORK 40th FANKS intelligence Days ~YONMARU~@大阪城ホールDay1

          TM NETWORKがデビュー40周年を迎えた(1984年4月21日デビュー)。 昨年から今年にかけて全国を回った『TM NETWORK 40th FANKS intelligence Days』の集大成、東京・大阪・横浜各2Daysのアリーナライブ『YONMARU』(以下、本公演)。その3公演目、大阪城ホール 1日目。 メンバー3人だけで回った全国ツアーから、阿部薫(ドラム)と北島健二(ギター、FENCE OF DEFENSE)のサポートメンバーが加わった。 上で「集大成

        2024年4月26日~4月29日 酒。読書。観劇。それだけ in 大阪→京都→東京。GW前半戦

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          原作ものの映画を撮る~西川美和『スクリーンが待っている』~

          ここ1カ月の間に、偶然にも、原作ものの映画制作についての本を立て続けに読んだ。 一冊は、『日日是好日』(大森立嗣監督、2018年)の原作者・森下典子の著書『茶の湯の冒険 「日日是好日」から広がるしあわせ』(文春文庫、2024年。以下、本書)で、これは原作者から見た映画制作について。 もう一冊は、2021年公開の映画『すばらしき世界』を監督した西川美和氏が著した『スクリーンが待っている』(小学館文庫、2024年。以下、本作)で、こちらは佐木隆三氏の小説『身分帳』を映画化した監督

          原作ものの映画を撮る~西川美和『スクリーンが待っている』~

          「帰れない男」は誰だ?~舞台『帰れない男~慰留と斡旋の攻防~』~

          舞台『帰れない男~慰留と斡旋の攻防~』(倉持裕作・演出。以下、本作)。 一体、誰が『帰れない男』なのか? 時代は昭和初期。 物語は、本当の女中・文子(佐藤直子)と書生的居候・石森(新名基浩)を加え、6人で展開される。 舞台は野坂が案内されて居ついてしまう座敷を中心とし、観客席側に部屋を囲むような廊下があり、舞台奥側に障子窓を隔てて庭、そしてその奥にまた向かいの座敷と思われる障子窓。 廊下側は部屋の両側に柱があるのみで壁はない。部屋側の障子窓も格子枠だけで障子は貼られていな

          「帰れない男」は誰だ?~舞台『帰れない男~慰留と斡旋の攻防~』~

          映画『見知らぬ人の痛み』に寄り添う

          ネット検索をほとんどしない。そもそもネット自体そんなに利用しない。SNSも(LINEを含めて)やっていないし、配信動画も見ない。 理由は簡単で、ネットには私の知りたい事が書かれていないから。 当たり前のこと過ぎて忘れているかもしれないが、ネットには「誰かが書いたことしか載っていない」、しかも、テスト用紙にたとえれば、途中の計算式などを無視して解答しか書かれていない、私が知りたいのは、「答え」ではなく「解き方」だ。 もっと下世話にたとえると、誰かに「好きだ」と言われたとする(

          映画『見知らぬ人の痛み』に寄り添う

          映画『さよなら ほやマン』【映画賞受賞記念アンコール上映】

          スクリーンで観られてよかった。 映画『さよなら ほやマン』(庄司輝秋監督。以下、本作)が2023年に公開された時、名作だと評判になっていたのは知っていた。上映後の映画館からたくさんの観客が笑顔で出て行くのを目の当たりにしたこともある。 2024年になってからも、各地でロングラン上映されていることも知っていた。 なのに、私は他の映画や芝居などを優先して、観に行かなかった。 だから、本作で兄弟を演じた、映画初主演の人気バンドのミュージシャンと映画初出演の新人俳優が2人揃って「第

          映画『さよなら ほやマン』【映画賞受賞記念アンコール上映】

          渡辺芳子著『夢さがし アルフィー・高見沢俊彦物語』&『THE ALFEE SUMMER EVENTS 1982-1991 永遠の夏』『THE ALFEE STAGE PROJECT』~

          40年以上も前の出来事だ。 2024年現在、多くの人にとってアルフィー(現・THE ALFEE)は、物心ついた時から「スターバンド」だっただろうし、毎年夏に大きなイベントライブをやっていたり、クリスマスにも毎年必ず武道館ライブを行うことを知っている人も多いだろう。 しかし、1983年8月24日、彼らにとって初の武道館ライブは「異例」ー「事件」と云っても過言ではないほどーだった。 何故なら、当時の彼らには「ヒット曲がなかった」からだ(後述するが、同年発売の「メリーアン」は武道館

          渡辺芳子著『夢さがし アルフィー・高見沢俊彦物語』&『THE ALFEE SUMMER EVENTS 1982-1991 永遠の夏』『THE ALFEE STAGE PROJECT』~

          人の夢を笑うな~『映画コザママ♪ うたって!コザのママさん!!』~

          人の夢を笑うな 『映画コザママ♪ うたって!コザのママさん!!』(中川陽介監督、2024年。以下、本作)で印象的なセリフだが、しかし我々は、そもそも「夢」というものに、それこそ夢を持ちすぎているというか、縛られているのではないか、と思った。 物語の構造としては、「ご当地映画」と「再結成物語(『大きなハードル』=仲違いの解決)」の定型を踏んでいる。しかし、数多のそれらと決定的に違うのは、そこが沖縄だということで、つまり、かつての「琉球王国」から日本に支配されるに至り、そして

          人の夢を笑うな~『映画コザママ♪ うたって!コザのママさん!!』~

          「時間」を否定する~坂本龍一+高谷史郎『TIME』~

          時間は常に進み、戻ることはできない。時間は常に進むが、かといって飛び越すこともできない。 それが自然の摂理であり、どんな金持ちだろうが、権力者だろうが、「世界征服」を企む悪の組織のボスであろうが、抗うことはできない。 高谷史郎(ダムタイプ)とのコラボレーションで舞台『TIME』(2021年初演。以下、本作)を制作した故・坂本龍一は、本作パンフレットにこう寄せている。 ここで坂本が『否定』しているのは、「地球上のあらゆる生命は、産まれた瞬間から死に向かって時間が進む」という

          「時間」を否定する~坂本龍一+高谷史郎『TIME』~

          芝居を演ること、芝居を観ること~舞台『あのよこのよ』~

          演劇の魅力・面白さは「見立て」にある。 劇作家・演出家・俳優の野田秀樹氏は、そういったことを口にする。 舞台『あのよこのよ』(青木豪作・演出。以下、本作)は、まさに野田氏の言葉どおりの、少し硬く云えば「"芝居・演劇"そのもののメタファー」といった作品である。 「見立て」を換言すれば「(観客の)想像力」であり、誰も見たことのない明治初期の、しかも、実際にはなかった出来事の物語に夢中になることでもある。 しかし本作はそれだけでなく、物語の構造、セリフ、演技、衣装はもちろん、セ

          芝居を演ること、芝居を観ること~舞台『あのよこのよ』~

          中島たい子著『パリのキッチンで四角いバゲットを焼きながら』

          『パリのキッチンで四角いバゲットを焼きながら』(幻冬舎文庫、2024年。以下、本書)の著者・中島たい子は『そう思って生きてきた』。 なーんで、そんなことを言われるかといえば…… 子どもの頃、夏休みには必ずフランスからいとこたちが遊びに来ていたし、フランスにも行ったことがある。その上で、"心情"的に「ごめん無理」なのである。 そんな彼女が40歳を超えて、パートナーの男性とフランスに行くことになり、まとまった期間、叔父夫婦の家にやっかいになった。 大人になった彼女は、フランス

          中島たい子著『パリのキッチンで四角いバゲットを焼きながら』

          映画『霧の淵』(ユーロスペース独占先行上映)

          「私はまだ子どもやから」 母親と並んで歩く12歳の少女の正面からの2ショット長回しのシーンを観ながら、その少し前に少女が母親に告げた言葉が蘇り、何故だか泣きたくなった。 映画『霧の淵』(村瀬大智監督、2024年。以下、本作)はフィクションでありながら、それを支えているのは圧倒的な「リアル」だ。 まず、奈良県吉野郡川上村の自然があり、そこに足繁く通った村瀬監督、その中で築かれた関係によって地元の方々が自然体で出演されていること、そんな人々を、この地に移住して来た百々武氏が撮

          映画『霧の淵』(ユーロスペース独占先行上映)

          常間地裕監督作 2本立てロードショー『記憶の居所』『朝をさがして』

          金で買えない物。それは「時間と距離」ではないか。 高校生の頃、そんなことを考えた。 「距離」は「時間」にも関係していて、つまり、「距離を超えるには時間が必要」ということで、「どこでもドア」でもない限り、どんなに金持ちでも瞬間移動はできない。 それから40年近く経った現在、インターネットの発達やスマホの普及により、「タイパ」という言葉が生まれるほど、時間も効率化が求められる時代になったが、では、それらの技術によって「時間と距離」は金で買えるようになったのか? ある意味では「Y

          常間地裕監督作 2本立てロードショー『記憶の居所』『朝をさがして』

          私はどんな本を読んだらいいですか?~なだいなだ著『娘の学校』より~

          なだいなだ著『娘の学校』(ちくま文庫、2023年。原著は1969年刊。以下、本書)の「指導にならないといわれそうな読書教室」の章の書き出しに思わず笑ってしまったのは、半世紀以上経っても相も変わらず、そういった愚問が絶えないからだ。 そう聞かれるのは、著者が精神科医であり作家でもある、なだいなだ氏だからでもあろうが、氏はこう続ける。 実際そのとおりで、近頃はスマホなどで世の中の有益な情報や知識が入手できて、それを基に自分の考えを作りあげ、SNSや"note"に投稿したり、他の

          私はどんな本を読んだらいいですか?~なだいなだ著『娘の学校』より~