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#43 ドラえもんの道具は何を教えてくれる?

まずは極端な例から。
ドラえもんの新しい道具を考えてみよう。と言うお題があったとしたら、アイデアだけはどんどん出てくると思うんです。でも、本気で実現させようとする人はいないですよね。
もし、本気で実現させようと考えているいとがいたら、ただの妄想好きで楽しい人だな、と思われるだけでしょう。

新規事業のブレストするような場面でも、似たような状況があります。ついつい悪ノリが過ぎて、全員が妄想彼方にトリップしてしまう事が。
でも最後には必ず「まぁ、10年後にリリース出来たらいいね」に着地したあと、一頻り笑っておしまいです。

まぁ仕方がないですよね。
特定の期間で、理想と実現可能な範囲のすれすれを狙って、成果を出さないと意味がありません。なんとも当たり前すぎる事です。
むしろ実現可能な中で、どこまで最高の体験を生み出せるが、僕たちデザイナーの仕事でもあります。

でも、最近思うんです。
これは実現可能なものの範囲でつくっている現実の弊害でしょうか。これは不可能と決めてしまった部分に蓋をしていないかと思うこと。

それでも、自分が目の届く範囲の人たちが満足してくれたら、それで良しと思えてしまっている。
これに慣れてしまうことで、もう一段上には行けない気がするんです。
なぜでしょう。そこには妄想していた時ほどの、突き抜けたモチベーションは無いんですよね。

たとえ実現不可能だとしても、いつでも狙っているポイントは、ドラえもんの道具くらいワクワクできる部分でありたいものです。

たまにいるんです。日常的に感激したことや、気づきを楽しそうに話せる人が。こんな人には、不可能なことも可能にしてくれそうなパワーを感じます。

イーロン・マスクは、2035年に人類を火星に移住させると言っています。
いやいや、またそんなこと言って。と思ってしまうのですが、一つ一つ妄想をアイデアに変えて実現しようとしています。
途方もないことをやってのける起業家の多くは、妄想家と紙一重だったりします。

そこと比べなくてもと思うかもしれませんが、日本では僕らのようなクリエイティブな職種と呼ばれている人たちの方が、あまりクリエイティブなことをしていないのが実情です。課題を解決するだけで手がいっぱいになっています。

課題創出は妄想の中にあるかもしれない。ドラえもんの道具でワクワクできる人を、ただの妄想ずきな楽しい人と思ってはいけない。

※ この文章は週報として社内向けに書かれたものです

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