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人間を助けるいのしし ❸

 人を助けたいのししとして有名なのは京都の護王神社です。以前その前を通ったことがあったのですが、その時は 時間もなく、お参りできませんでした。外壁にかけてあった神社の由来を記した案内を読んで、いのししの群れが和気清麻呂の一行を道案内をしたという大まかなことしか記憶に残っていませんでした。ところが、なんとなんといのししのお導きでしょうか、ついに訪れるチャンスがやってきたのです。知人が京都で個展が催すというので、出かけることにしました。地図で画廊の場所を確かめていると、護王神社が歩いて行けるところにあるのを発見!
 今回はゆっくりお参りしました。まず神社の由来ですが、奈良時代の末のことです。道教と対立した和気清麻呂が、大隈国(現在の鹿児島県の一部)へ流され、向かう途中、道教の放った刺客に襲われたが、いのししが和気清麻呂を守ったというのです。 そのいのししの数が一頭や二頭ではないのです。三百頭というのです。どうやって数えたのかしら、と突っ込みたくなりましたが、そんな山深いところを一行は進んでいったのでしょう。
 狛犬ではなく狛いのしし、手水舎にもいのしし、まだあったはずです。全国から寄せられた数え切れないほどのいのししグッズも飾られていました。記念に小さな亥の子の置物を買いました。
 今度どこかでいのししに出会ったら、それは和気清麻呂を助けたいのししの子孫かも知れません。「護王神社へお参りに行ってきましたよ。仲良くしましょうね。」と伝えて、無事に通り過ぎて行ってもらいましょう。

狛いのししの一方
手水舎
モダンないのしし


戸狩 うた 個展
 ベニヤ板を素材にしていると以前から伺ってはいましたが実物を見るのは今回初めてです。ベニヤ板は硬いのですが、形の組み合わせと彩色によって、力強い印象のものと、可愛らしさを感じさせるものなど様々でした。作者の、自由で、やわらかな発想する力を見せていただきました。



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