いのべえ雑記帖

言葉(日本語、外国語)に関心がある70歳代女性です。新聞の切り抜きから閃いたり、世の中…

いのべえ雑記帖

言葉(日本語、外国語)に関心がある70歳代女性です。新聞の切り抜きから閃いたり、世の中の動きの中から生まれた言葉に感じたことなどを書いて行きたいと思います。一時期いのししとよく出会い、興味を持ったことから、いのべえという名前を付けました。

最近の記事

ある代議士(広瀬徳蔵)の日常

 20年も前の新聞記事ですが、当時どんな気持ちで取っておこうと思ったのか、私自身も覚えていませんが、議員の方々の行動が話題になっている令和の今、じっくり読んでみようと思いました。 *記事を太字で写し、その後に私の感想などを書きました。 夜更けの読書  白川 静(しらかわ・しずか=中国文学者) 私が広瀬徳蔵先生の事務所に玄関番として住み込んだのは、大正十二年(1923年)の暮近い頃で、先生は翌十三年の選挙で代議士に当選された。私の最初の仕事は、その選挙で、下使いに走り廻るこ

    • 赤 アカ aqua água•••水

       以前、名古屋で入院していた母親を見舞うために、よく名古屋市営地下鉄を利用していました。赤池行きという線です。何度も乗っていましたが、ある時ふと赤池って池の水が、鉄分が多いとか何かの理由で赤い色をしているのかな、と気になって、愛知県日進市にある赤池町を調べました。けれど、池の水が赤いなどと言う情報はありません。  赤のつく地名、人名を探してみましたところ、赤池の他に、赤井、赤川、赤瀬川、赤江、赤堀、赤沢、赤津など、並べ上げてみると、赤にくっついている言葉は、それぞれ水に関係し

      • ”What Have They Done To The Rain ?” /雨を汚したのは誰?

         これは1960年代に、Joan Baez /ジョン・バエズの歌でよくラジオから聞こえてきた歌のタイトルです。核実験によって大気中に放出された放射性物質 が雨に混ざって降ってきて、大地を、人を汚す、そして滅ぼす。そんな内容の歌を静かに、優しい声でジョン・バエズが歌っていました。当時、放射能、ストロンチウム90という核実験に関わる言葉は小学生でも知っていて、私が小さい頃は、雨に直接あたってはいけない、雨にあたると頭がはげてしまうと信じていたように思います。この歌をなぜ今思い出し

        • 蛇はフランス語でserpent (セルパン)、むかではズール語でションゴローロ 

          蛇はフランス語でセルパン  フランス語のセルパンには ① 蛇という意味の他に ② 蛇型の楽器という意味があります。このこと教えてくれたのはこの写真です。  記事によると橋本さんはもともとチューバ奏者で、フランス留学(1998年)時にセルパンと出会い、その奏法を学んだとのこと。 この写真を見て、私はどこかで見たことがあるような気がしていました。そして思い出しました。映画「ロシュフォールの恋人たち」に映っていたのです。(このフランス映画は1967年の作品ですが、今見ても楽し

        ある代議士(広瀬徳蔵)の日常

          「増税が国を滅ぼす」アーサー・B・ラッファーほか著

           お菓子の空き箱にためていた新聞の切り抜き。そろそろ捨てなくてはと整理していたらこの本の紹介記事が目に留まりました。私は経済政策とかよく理解できていないし、すごく関心があるわけではないのにどうしてこの本の紹介記事を取っておいたのか、15年ほど経った今ではまったく覚えていません。刺激的なタイトルが気にかかったのでしょうか。丁度増税、減税と言う言葉が飛び交っている 2023年12月の現在、この切り抜きを捨てる前に、紹介記事を紹介しておこうと思いました。  私は映画を観ることが好

          「増税が国を滅ぼす」アーサー・B・ラッファーほか著

          コロナの時代の言葉

          2020年頃から2023年5月(コロナが感染症法上5類に分類されるまで)までをコロナの時代とすると、この頃いろいろなメディアで専門家、政治家、自治体の首長の方々が感染を防ぐための方策を発表していました。その時に使われた言葉について感じたことです。 濃厚接触 濃厚接触と聞いてすぐに頭に浮かんだのは、なぜだかわかりませんが、「濃厚なラブシーン」という言葉です。ですから絶対、手くらいは触れていたに違いないと思っていました。でも違っていたようです。 濃厚という言葉は辞書によれば 

          コロナの時代の言葉

          人間を助けるいのしし ❸

           人を助けたいのししとして有名なのは京都の護王神社です。以前その前を通ったことがあったのですが、その時は 時間もなく、お参りできませんでした。外壁にかけてあった神社の由来を記した案内を読んで、いのししの群れが和気清麻呂の一行を道案内をしたという大まかなことしか記憶に残っていませんでした。ところが、なんとなんといのししのお導きでしょうか、ついに訪れるチャンスがやってきたのです。知人が京都で個展が催すというので、出かけることにしました。地図で画廊の場所を確かめていると、護王神社が

          人間を助けるいのしし ❸

          人間を助けるいのしし ❷

           先日 映画『ロスト・キング 500年越しの運命』を観てきました。YouTubeのおすすめと言うのですか、イギリスでの公開前の予告編が届くようになり、とても楽しみにしていました。内容はあちらこちらで解説やレビューを見る事ができますのでここでは触れませんが、いのししが登場するのです。と言っても実物ではなく、映画の最後近く、ロスト ・キングであるリチャード 3世が戦いに赴く場面で、持っている旗に白いいのししが描かれているのです。実際に白いいのししがいたのか、それとも単にデザインと

          人間を助けるいのしし ❷

          人間を助けるいのしし ❶

          いのししがニュースになるのは、ほとんどが農作物が被害にあったとか、コンビニで買ったお弁当の入ったレジ袋を盗られたとか、害獣扱いされるケースが多いけれど、もちろんそうではない話も有ります。 『暮しの手帖』誌には子供の小さい頃からずっと長い間お世話になってきました。いよいよ処分しようと思ってざっとページをめくっていましたら、藤城清治さんの影絵でおなじみのお話(お話 香山 多佳子)の中に「黄金のいのしし」というお話が載っていました。こんなお話です。  大昔のこと、オランダの人び

          人間を助けるいのしし ❶

          いのししとの出会い

          25年ほど前から六甲山を切り開いた辺りに住んでいます。何年か前に市の条例でいのししへの餌づけが禁止されて、今ではその姿を見ることは少なくなりましたが、それまでは夕方によくいのしし(1頭だったり7〜8頭の群だったり)と出会い、通り過ぎるのを、息をひそめて待ったりした事がよくありました。暗い時間帯に車のテールランプに照らされたその毛並みは艶やかで、まさにけものです。家族連れらしき集団は、子供のうり坊をはじめ大小様々なサイズで、足の長さとか歩く速度も違っていると思われるのだけれどま

          いのししとの出会い