見出し画像

ポストシーズン私案など...

Baseball Final 2020

 レギュラーシーズンもドラフト会議も終了。パ・リーグのみ行われたクライマックスシリーズ(以下CS)を制したソフトバンクと、セ・リーグ優勝を果たした巨人… 2020年のプロ野球は、昨年と同じカードによる日本シリーズ開幕を待つばかりになった(社会人の都市対抗野球大会とスケジュールがカブったせいで、巨人のホームゲームは東京ドームではなく京セラドーム大阪で開催されるという、最後までイレギュラーを強いられるシーズンになっているのが、残念だけど…)。

 14ゲームの大差をつけられなからも2位におさまった千葉ロッテを相手に臨んだCSで、ソフトバンクは2試合とも先制を許しながら追いつき追い越し、地力の差を見せつけて連勝。日本シリーズ進出を決めた。

 いろいろある、CS。今季は《1位vs2位》の1ステージのみだったが、通常は《2位vs3位》でファーストステージ、次に《ファーストステージ勝利チームvs1位チーム》でファイナルステージを戦う、という進行だ。結果によってモヤモヤザワザワするが、幸い(?)、モヤモヤザワザワすることがない結果に終わったけれど、もしロッテが勝ち上がっていたら、また「優勝した意味が~」とか「1位から14ゲームも離されたチームが~」という声が多くあがったことだろう。

 レギュラーシーズンとは違う盛り上がりや緊張感、ワクワク感を生み出すポストシーズンの雰囲気が大好きな自分は、こうした声を聞かなきゃいけないことが残念でしかたがない。なので、CSなんてやらなくていいとはまったく思わず、下位チーム――1位じゃなかったチームが勝ち上がった場合に必ずブーイングが巻き起こるやり方を変えられたらいい、と考えている。

 要は順位じゃなく「優勝」チーム同士で争わせればいい、ということ。

「優勝チーム」同士で!

 せっかく力を尽くして優勝したのに、優勝できなかったチームに日本シリーズ出場のチャンスを奪われることがある。CSにアドバンテージがあっても、いくら「優勝したのはあなたたちなんですよ~」と"祝福"されても、たとえようのない空しさを感じることだろう。

 だったら、「優勝」チームを2つにすればいい。南北でも東西でも、セ・パそれぞれを2地区に分け、レギュラーシーズンの「優勝」チームを2つにし、表彰する。その優勝チーム同士で、CS――リーグ優勝決定シリーズを行う。もちろん一方だけではなく、双方のホームグラウンドを行き来する2-3-2の、日本シリーズと同じ最長7戦、この1ステージのみ。そして4勝し、リーグ優勝を果たしたチームによる、これまで同様の日本シリーズを戦う。

 順位が下のチームが勝つたびに「これってどうなの?」な声が上がる現状よりずっといいと信じている…とはいえ1リーグ6球団に2つも「優勝」チームが、というのも少しばかり違和感がある。

 それなら球団を増やせばいい。増やすなら偶数、両リーグ2球団ずつで1リーグ8、計16球団か。(1リーグで)8球団なら、2地区に分けてそれぞれの「優勝」チームでCSを戦うことになっても、そんなに違和感がない…という妄想をなんとなく抱いていたとき――

画像1

 ソフトバンクの王貞治球団会長が「NPBの球団数は16が望ましい」と年頭のテレビ番組で発言したとの報道を見聞きしたり、6月に刊行された関連本も読んだりして、構想がわりと近く、望ましい方向に進んでいるのではと想像できて、なんとなくうれしかったことを思い出す。

懸念も少し…

 ただ、地区分けはしても、別地区のチームとも対戦する。一方の地区はみんな勝ち越し、もう一方はその逆、なんてことがないとは限らない。メジャーでもたまにあるが、勝率5割をやっと超えたチームが地区優勝(ワイルドカードや他地区の2位3位チームのほうが高い勝率)、なんてことが起こる可能性もある。

 今季のMLBは、ポストシーズン進出チームは例年の倍近い16だったが、ミルウォーキー・ブリュワーズとヒューストン・アストロズは、レギュラーシーズンの勝率が5割を下回っていた。ブリュワーズは"ファーストステージ"であるワイルドカードシリーズでドジャースに敗れたが、アストロズは、ア・リーグのチャンピオンシップシリーズで3連敗後に3連勝、第7戦で惜敗し終戦となったが、勝ってワールドシリーズ、勢いに乗って頂点に立った可能性も十分にあった。

 何もかも特殊で、過去に例がないイレギュラーな年だったとはいえ、シーズン勝率5割未満のチームがワールドシリーズを制する可能性があった現実に不安を感じたのは事実で、日本でも似た状況になりうる可能性をどこまで低くできるかという問題はあるかもしれない。

 しかしやはり、現状の「優勝したチームvs.優勝できなかったチーム」より、「優勝チームvs.優勝チーム」の関係性で争うことをめざしたほうがいい、という思いは何年も変わっていない。

 新型コロナウイルス感染が再拡大し、来季もどうなるかわからない現状だけど、王会長が表明した構想が具体化し、ポストシーズンもよりよいものに変わっていくことを祈るばかりだ…。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?