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助産学生が思うこと#009

新生児科医にとってアラーム音は日常の音かもしれない。
 でも 両親にとって その音の数秒は
 1分にも2分にも感じるんです

『コウノドリ』第15巻、「胎便吸収症候群」で
 新生児科医 今橋先生が言っている。

病院ではアラーム音が鳴っている。
ナースステーションは、ナースコールが日常的に鳴っている。
手術中も、そう。

アラーム音の中には、異常を知らせるサイン として機能しているものもある。
赤ちゃんが呼吸をしていなかったら、
「呼吸をしてない」とアラームが伝えてくれる。
このアラーム音に、学生の私でも段々慣れてしまうことがある。
(実習に行くにつれ)

例えば、赤ちゃんは、
呼吸をすることを忘れることがある。
(お母さんのお腹の中にいたから)
それは、どんな赤ちゃんでもありうることで、決して
「赤ちゃんが、今すぐに、救命の処置が必要である」ということではない。
もちろん、病気が原因なこともあるので
そこのところは、検査が必要になる。

医療者は、「今すぐの処置が必要なことではない」「赤ちゃんには、よくあること」ということを知っている。
でも、家族はどうだろう。
家族にとって
そのアラーム音は、非日常的なものであり、
「そのアラーム音が、自分の子ども(赤ちゃん)から聞こえている。
 赤ちゃん、呼吸、止まってないか…」と思うだろう。

家族はどう思うのか
家族にとって、NICUという環境は、慣れないものなんだ
非日常のことなんだ
赤ちゃんに会えなくて、不安なんだ
という、一見考えれば、ごく当たり前のことを、忘れずに
意識していきたい。

「新生児科医にとってアラーム音は日常の音かもしれない。
 でも 両親にとって その音の数秒は
 1分にも2分にも感じるんです」

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