見出し画像

過去の自分を抱きしめられた時、やっと前を向けた。

私は去年の今頃、ちょうど自分の「表現の仕方」について悩んでいました。
ずっとお芝居の道を志してきて、会社員になってからもやりたいな、どうやったらやれるだろうと考えながら、やり方を変えては失敗してということを繰り返していたのです。

芝居仲間の友人に誘われて始めた音声配信。
これで自分のお芝居に興味を持ってもらえたらいいなと思っていたのですが、最初は友人に言われるがままなんとか続けていました。
今思うとその友人がいなければ私はすぐにでも辞めていたと思うので、かなり根気強くサポートしてくれていたと思います。

そしてどうにかこうにか3年ほど続けてきたのですが、発信をするやり方が自分に合っていないことにずっと悩んでいました。
「やりたいことをやるためには我慢しないといけない」と思っていた私は耐えて耐えて、最終的にはその友人と仲違いをしてしまいました。

夢を語り合い切磋琢磨していた仲間とまさか決裂する羽目になるとは。
そのことがとにかく苦しくて悲しくて、毎日その事を考えてはやるせない気持ちになったのです。

自分自身の不甲斐なさと後悔と。
でも何かしらで表現はし続けたいという気持ち。

そんな月日を過ごしながら、仕事に追われてなかなかそういう発信もできずにいた時、江頭2:50さんの「エガちゃんねる」というYouTube番組を見たのです。
「江頭、伝説の巨大モンスターマグロを釣る!」という動画がタイムラインに流れてきて本当になんの気無しに見始めたのですが、どんどん食い入るように見てしまい、今ではすっかりあたおかの一員に。夫も巻き込みノーパン村の村民になっていたのでございました。

江頭さんの人柄と熱量はもちろんなのですが、私がそのマグロ釣りの動画で胸を打たれたのが動画自体の作り方でした。
編集の仕方、カメラの切り替え方、テロップの入れ方、そして音の選曲と入れ方。
私は藤野Dを始め、エガちゃんねるメンバーのプライドが詰まった本当にかっこいい動画だと胸を打たれ、何回も何回も見ました。

物を作る大変さ、そしてそれをやり続ける大変さ。
憧れで胸がいっぱいになり、もしも自分だったらどんなことをやれるかという妄想が捗りました。
でも結局は机上の空論で、日々の忙しさを理由に何も始める事ができない自分がいたのです。

そんなある日。
その仲違いをした友人の近況を聞く機会があり、なんと今でも舞台に立ち続けていると。
私は本当に複雑な気持ちになりました。
舞台に立ち続けているという尊敬の気持ちと嬉しい気持ち、そしてあの頃に立ち止まって前を向けていない取り残されている自分。
比べてしまい悲観的になり、感情がぐわんぐわんと揺れ動きました。

そんな中、自分の人生も結婚や退職と大きく動き始めた頃。
三年前の立ち止まってる自分をようやく抱きしめられるようになったのです。

よく頑張った。お疲れ様。辛かったよね。
あとは任せてくれ。ちゃんとその痛みと共に歩んでいくから。

失ったものばかりではなく、この三年で得たものもとても大きく、新たに仲間もできたし、応援してくれてる人たちもいる。
恐れずに前に進みたいと思うようになりました。

誰かに言われてやるのではなく、今度は自分から。
だからこそやり続けられるのかもしれません。
そして自分ができることも増やしていきたい。

過去も、現在も、未来も、何事も無駄なことはない。
あの時感じたそれらも全部、芸事の糧にしていけたらと思うのでした。


この記事が参加している募集

推しの芸人

新生活をたのしく

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?