歳をとるのが怖くなる時。
先日、友人から誘われて中島みゆきさんのコンサートに行ってきました。
なんと御歳、71歳。
歌は音源でしか聞いたことがなかったので、誠に失礼ながら、どんな感じなのだろう…と思っていたのです。
でもそんな不安はどこへやら。
コンサートが始まって出てきた彼女は、背筋がピンとして、ギターを元気よくかき鳴らし、驚くほどの声量で歌っていました。
穏やかで、凛としていて、力強い。
ライトを一新に浴びてセンターに立つみゆきさんはまさに歌姫、もうその言葉の通りだなと感動したのでした。
彼女の魅力は歌だけにとどまらず、トークもとにかく惹きつけられるのです。
ワクワクしてドキドキして、クスッと笑えて。
温かい気持ちになり涙が止まりませんでした。
みゆきさんの歌を聞きながら
今、同じ空間にいるんだなぁと思ったのです。
私は時々、「今」を感じられなくなる時があります。現在の自分よりも、過去とか未来のことをごちゃごちゃ考えては不安になるのです。よくドツボにはまるのは未来に対して不安を感じ、歳をとるのが怖くなる。大人ってどうなれば大人なんだっけ?社会人て何ができてたら認めてもらえるんだっけ?私ってここに居続けていいんだっけ?と、わからなくなるのです。
このままただほんやりと毎日を過ごしていくことに違和感を感じながらも、何をどうしたらいいかもわからない。「今が一番若い」なんて言うけど、早送りしてるみたいに日々が過ぎ去っていく。
しかもぼんやり過ぎていくわりには
ちゃんとシミやシワはできて老けていき
体のあちこちには不調が出て。
あれ、最近病院ばっか行ってるななんて思ったり。
あと数年で40歳。
私が運良く80歳まで生きるとして、
もう折り返し地点なのだなぁと。
どんな未来が待っているのだろうと考えては、不確かなことが多くて足がすくみ、「今」にライトを当てて生きられなくなっている気がするのです。
でも、私はここにいて。
みゆきさんの歌を聞いて感動して。
涙を流すことだってできている。
音楽を全身で浴びて、
ふよふよの心に光が指して
今、私が、ここにいることができている。
変わることを恐れるのではなく、
楽しんでいるようにも見えるみゆきさん。
ああ、私もこんな年齢の重ね方をしたい。
「今」にちゃんとスポットライトを当てたい。
みゆきさんの歌を聞きながらそう思ったのでした。
コンサートは本当にあっという間でした。
あんなに有名な曲があるのにもかかわらず、有名な曲はほぼ歌っていませんでした。
いつも応援しているファンの方に向けてのコンサートなんだろうなと思います。
でも知らない曲ばかりなのに、すごく楽しかったです。初めて聞いたのにその曲に自分の思い出があるような不思議な感覚になりました。
私はかろうじて2曲知っていましたが、友人は1曲しかわからなかったと言ってました。
みゆきさんレベルになると「糸」って歌わないんだね、なんて言いながら帰った完全ににわかの2人組なのでございました。
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