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12.29DDT TOKYO DOME CITY HALL大会雑感

今年最後のDDTは暮れも暮れのビッグマッチ。
会場は初使用のTOKYO DOME CITY HALL。
隣の東京ドームではHey!Say!JUMPのコンサート。
伊野尾慧くんのうちわでも買おうかなと思ったらすさまじい物販列で、あげく整理券も必要みたいだったのでおとなしく撤退しました。

TDCホール、立体的に縦に長い建物で、ステージを見下ろす感じ。
今回チケット取った第3バルコニーはリングに近いものの10メートルくらい頭上で、珍しい角度からのプロレス観戦になりました。

オープニングセレモニーにLiLiCoさんによる肛門爆破。
ほんまにやるんだ。
爆破のスイッチを押す係として夫である純烈の小田井さんが登場したので「LiLiCoにはやらせられない!俺がやる!」とか言って代わるのかな…と思ったら、うだうだ言いながら普通に押してました。
LiLiCoさん客前でズボン下ろしてましたけど…すごいプロ根性だなあ。

でもやっぱり中澤マイケルとかがやってゲラゲラ笑ってた方が健康でいいね。
LiLiCoさんはたまに臨時GMとかやったらどうかな。今林さんの代わりに強権発動したりして。

○オープニングマッチ 30分一本勝負
高木三四郎 vs 正田壮史

53歳の社長が21歳の入社一年目と戦う第一試合。
少林寺拳法を習ってたという正田の蹴りを53歳の大社長が身体で受け止めてて、すごいなあと感心しました。
最後は大社長のテキサスクローバーホールド。珍しい。てか勝っちゃうのがすごい。

時期シリーズから若手選手によるリーグ戦をやるそうです。
ヤングドラマ杯だ。

○第二試合 30分一本勝負
HARASHIMA&坂口征夫 vs 火野裕士&石田有輝

HARASHIMA&坂口が「ベテランタッグ」として隅に追いやられつつある。
時代の流れっちゃそこまでなんだけど。

○第三試合 フェロモンズvs“都&区”フェロモンズ討伐連合軍~解散&愛犬コントラ一日体験入店 30分一本勝負
飯野“セクシー”雄貴&男色“ダンディ”ディーノ&今成“ファンタスティック”夢人&竹田“シャイニングボール”光珠 vs 彰人&西村修&川松真一朗&勝俣瞬馬

※フェロモンズが敗れた場合、フェロモンズは解散し、ディーノの愛犬・ハク(11カ月)&飯野の愛犬リリー(1歳)が飼い主から引き離され勝俣が1カ月可愛がることとなる。
※討伐連合軍が敗れた場合、敗れた選手がフェロモンズに一日体験入店する。

「愛犬を一か月引きはがされる」「一日体験入店」と「解散」って全然釣り合ってないんだけどいいのかな。むちゃくちゃだね毎度。
つーかフェロモンズは「店」だったのか。

これはもう川松議員がフェロモンズに入るのが一番面白いし、それで都議会行って小池百合子の反応見るとかいいなあ、と思ってたが議員じゃなくて勝俣が負けてしまった。
勝俣はむしろ「一日なら!」と率先してOバック履きそうな気がするが。

○第四試合 スペシャルシングルマッチ 30分一本勝負
青木真也 vs 橋本千紘

青木がずっと橋本に「どれどれ?これは返せる?これは?これはどう?」みたいに関節を試し続ける試合。スパーリングみたい。
青木は橋本に関心持ってるんだなあ。
ジャーマンで橋本が勝つけど、青木は全然そんなのどっちでもいいような気がした。男子vs女子の組み合わせに発生しやすい異物感が極めて薄かった。

○第五試合 スペシャルタッグマッチ 30分一本勝負
赤井沙希&荒井優希 vs 安納サオリ&川畑梨瑚

東京女子で組んでる赤井さんと荒井さんの「令和のAA砲」DDT御披露目試合。そもそも令和以外の「AA砲」がよくわからないけど。荒井さん、そつなくやってた。もうデビューして1年半経つんですね。

みんな美人だなーというぼんやりした印象しか残ってない。すみません。

○第六試合 KO-D6人タッグ選手権試合 60分一本勝負
<王者組>土井成樹&大鷲透&平田一喜 vs 遠藤哲哉&鈴木鼓太郎&岡田佑介<挑戦者組>

ドラゴンゲートからフリーになった土井と、秋山準ルートで呼ばれるようになった鈴木鼓太郎を混ぜた6人タッグ。
土井についての印象は、

・むかしセカンドだった
・「暴走マッスル」と言われてるがどのへんが暴走なのかあんまりわかってない
・マスキュラーボム、通称ひとでなしドライバーを持ち込んだ人
・リングでダーツをやる人

くらいで、あんま詳しくない。あ、吉野正人とのタッグはよかったですね。
そんな土井がきびきび動いてたのと、遠藤…ちょっと体形変わった?くらいの6人タッグ。

いつのまにか平田がキャラクターはそのままに、シビアな試合に出るのが当たり前になっている。
平田が遠藤相手になんとかしのいでる時に隣のHさんに「実は平田の方が先輩です」と言ったら驚かれた。
デビュー10年越えて後輩キャラというのもすごいことだ。

○第七試合 DDT EXTREME選手権試合~ササダンゴ・マシン45歳、減量できなかったら即通常ルール!スペシャル 60分一本勝負
<王者>秋山準 vs スーパー・ササダンゴ・マシン<挑戦者>
※第56代王者の初防衛戦。
※ササダンゴが29日の試合前に行われる計量で「110kg以下」になっていれば、ササダンゴが決めた「EXTREMEなルール(当日発表)」で試合を実施。「110kgより重い体重」だった場合は、ササダンゴにとって最もEXTREMEなルールである「ゴリゴリのPWFルール」で試合を実施する。

ちょっと前から突如始まった「全日本的世界観に染まってる秋山準がDDT的世界観にいろいろ試される企画」第三弾、vsスーパー・ササダンゴ・マシン。
しかし組まれた当初から「(125kgの体重を)110kg以下にしてこい」という圧力…もといササダンゴの健康を慮った指導、が試合の条件となり、達成しないといわゆる通常の全日本ルール、PWFルールでやることに。

試合前にササダンゴが体重計に乗ると「116kg」と表示され、ではPWFルール…となりかかったところでササダンゴ「この試合の調印書をよく見ろ!」。そこに書いてあるのは「スーパー・ササダンゴ・マシン」の名前の上に小さく「12/1スケールのプラモデル」とあり、調印書にある試合の対象者は自分ではなく坂井精機(株)が「社運をかけて取り組んだ」スーパー・ササダンゴ・マシン・プラモデルだ、と主張。
そして試合はスーパー・ササダンゴ・マシン・プラモデルと秋山準アクリルスタンド(途中で秋山準フィギュアに変更)とのトントン相撲ルールで行われることに。

このあたり、TDCホールの観客も、伝えるマスコミも、運営する団体関係者も、裁く松井レフェリーも「これ…どうするの?オチあるの?」という空気になって、変な意味で固唾を吞まれてる空気が伝わってきたのが面白かった。
しばらくダンゴさんと秋山がリングで真剣にフィギュアをトントンしてたがきれいな決着がつくわけもなく、微妙な空気になってきたところで「こんなんでできるかー!」みたいに普通の試合に移行。
普通の試合に移行してからはあっさり秋山が勝ちました。
ずいぶん時間とったね…。

というかこれ試合の形をとった、坂井精機(株)のスーパー・ササダンゴ・マシン・プラモデルのPRタイムだろう!
最初に「この試合はプロモーションを含みます」という表示を出すべきだと思う。
2023年1月発売予定、定価は5000円だそうです。
お求めはササダンゴ商会Webショップへ(PR)

○第八試合 スペシャルタッグマッチ 30分一本勝負
竹下幸之介&納谷幸男 vs 関本大介&RSP

先のD王グランプリで覚醒した納谷をさらにレベルアップさせるためスーパーヘビー級の猛者たちに突っ込んだタッグマッチ。
てか竹ちゃんはまた帰ってきてるのね。
「DDTとAEWの二団体所属」になったそうだけど、それ以前の「盆と暮れには帰ってくる長男」感がすごい。
てか「二団体所属」という言葉を聞くと、われわれはどうも嫌な思い出があるんだよね…あれ、いま巌流島方面でくしゃみをした人が…まあいいや。

せっかく納谷をポジションアップするための試合だったのに、ポジションアップしたのはRSP、オハイオの悪魔、リッキー・シェイン・ペイジだった気がする。
やっぱ動けるデブっていいよね。見てて面白いもの。
RSP、前に大日本に来てデスマッチやってたよね。
今はデスマッチから引いてプロレスやってるそうです。
DDTでレギュラーになるのかな。

○セミファイナル インターナショナル4WAYマッチ 30分一本勝負
佐々木大輔 vs クリス・ブルックス vs MAO vs カーラ・ノワール

練馬とイギリスと宮城とイギリスの4人によるインターナショナル4WAYマッチ。
カーラ・ノワールがまた日本で見られてうれしい。
ずっと入場の動画見ちゃう。

4人が常に「誰かと結託しては誰かを攻撃する」を目まぐるしく入れ替えていくテンポのよい試合。
4人ともプロレス脳が高い!
いろんなアドリブができないと回せないと思う。

こないだエル・デスペラードと戦って業界内ポジションを上げた佐々木が勝つのかな、と思ってたらMAOが取った。
MAOもそろそろKO-Dに挑戦して「自分の代表的な試合」を作ってかないといけないと思うんだよな。

ちなみに「カーラ・ノワール」でYouTubeを漁っていたら「カーラ・ノワール&ジミー・ハボックvs飯伏幸太&伊橋剛太」とかいう試合が出てきました。
2017年くらい?
飯伏っさんがイギリスの路上で車でカーラを轢いたり、車の上に乗ってロケット花火を乱射したりメチャクチャやってます。

Kota Ibushi & Gota Ihashi vs Cara Noir & Jimmy Havoc - XWA 46 "Please Don't Die 2"

なんかこう…「この頃はよかったな…」とか昔好きだった人の写真が載ってるアルバムを見返してしまったような気持ちになるのはなんでしょうね…。
逃げない、負けない、諦めない!

○メインイベント KO-D無差別級選手権試合 60分一本勝負
<王者>樋口和貞 vs 上野勇希<挑戦者>
※第79代王者5度目の防衛戦。

毎週金曜日にJ-WAVEでLiLiCoさんがパーソナリティーを務めている「ALL GOOD FRIDAY」というラジオ番組がある。
番組内でゲストが「もしLiLiCoさんとデートするなら」と自分の考えたデートコースをプレゼンテーションする「HAPPY DATE」というコーナーがあるんだけど、先日そこに上野勇希が出てて、ちょっと衝撃だった。

というのは、そのコーナーには俳優だったり声優だったり歌手だったりいろんな人が出るけど「イケメン」しか出られない枠であって(毎週イケメンに架空のおもてなしプランを提案されてデレデレするLiLiCoさんを生暖かく見守るコーナー)、つまり上野は「プロレスラーの中ではイケメン」ではなく、「たまたま職業はプロレスラーのイケメン」として出ていた。
こういう人って過去いなかったと思う。

これまでだったら棚橋にせよオカダにせよ、顔は整ってても体格がガッチリしていて「プロレスラー!」というオーラを出していた。
上野は身体鍛えてるけどそこまでガッチリした感じではなく、シャツなんか着てると本当に「細身のお兄さん」という感じで「プロレスラー!」というオーラはない。
けどそういう人がリングに上がったらすごい、というギャップ萌えを与えることはできる。
これは赤井さんとかもそうだけど、ガッチリしすぎるとファンは減る、みたいなのをわかってる気がする。
そもそもDDT公式YouTubeでLiLiCoさんと対談する上野は語り口もソフトで、プロレスラーというより1タレントっぽい。

こういうの見てると上野はもしかしたら今までにいないポジションのプロレスラーになれるのでは…?とちょっと思ってしまう。
可能性はあるような気がするんだよね。

なので今日は上野が勝ったらいいかな、と思ってた。
それは同時に「ちょっと樋口は天井かな」という気持ちもあって。
がんばってるし、力強さはあるんだけど、あまりエースとしての魅力が見えにくい。
だから試合前のVTRで上野が「樋口さんは先輩としてはいい先輩だし、尊敬してるんだけど、チャンピオンとして見た場合は退屈」と言ってるのに「ああ…わかる…!」と思ってしまった。

樋口は真面目だし、謙虚だし、人としてはちゃんとしてるんだと思う。
ただわれわれが見てるのはプロレスで、プロレスは「生き様を商品にするビジネス」(男色ディーノ「イロモノの野望」より)であって、清廉潔白な姿をただ見たいわけではない。
もっと心の叫びや、生き様を出してほしい。
真面目や謙虚というのは言い方を変えれば「叩かれないように自分を引っ込めている」だけでもあったりするのだから。

試合はメインイベントに足る重い内容だった。
ただ、中盤から終盤にかけて試合が過熱してきたタイミングで「樋口、行け!!」というタイミングでことごとく樋口は行かない。動いてほしいタイミングで動かない。
メリハリがないので、試合が単調になる。
そのあたりで「ちょっと厳しいなあ」と思ってしまった。
「動いていた」部分より「動かなかった」部分の方が記憶に残ってしまう気の毒な点はあるけれど。
最後は上野が出し切る前に樋口が力で圧倒した印象。
終わってなお、「うーん難しいな」というのを感じたタイトルマッチ。

防衛した樋口の次の挑戦者は火野裕士。
またまた試練だなあ。
さてどうなるか。

DDT創立25周年イヤーを締めくくるにふさわしい、いろいろ盛りだくさんなビッグマッチだった。
これにて2022年のプロレス観戦は終了。
いいプロレス納めでした。
よいお年を!

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