見出し画像

鶴翼山

 近江八幡にある鶴翼山かくよくざんは、鶴が羽を広げているように見えることから名付けられている。ロープウェイの辺りが首にあたり、鶴がこうべを垂れてる感じかな。こう言う名付けられ方は他にもあるのだけれど、そう言う地名に触れるたび、昔の方は想像力豊かだなと思う。

 私は今度この鶴翼山でのハイキングを計画した。総勢20名の中規模なパーティーである。当然キャンセルも出てくるのだけれど、計画した身とすればなるべくたくさんの人に楽しんでもらえたらいいなと思っている。

 初リーダーの私は、ベテランハイカーと共に下見山行に行った。
山は300m弱の低山だけれど山頂には豊臣秀次ゆかりの城址があり、石垣も充実している。
予定では公園登山口から登る計画をしたが、行ってみれば竹林の爽やかで情緒のある出丸登り口が奥にあり、とても気に入った。
下見は大事である。実際に目で見ることはネット検索や地図だけでは知り得ないことがある。地元の人に伺うと「その登り口は急だし、しんどいしやめた方がいい、公園口の登山口にしたら」と言われたが、竹林の鬱蒼としたグリーンと確かに急登ではあるが、30分ほど頑張れば、青空と雄大な出丸の美しい石垣がお出迎えしてくれる。意外性があって、こんなにドキドキとした登山口は他にないのではないか、とさえ思った。みんなにもこれを味わってもらいたい。

公園口にある秀次の屋敷跡
立派なお屋敷だったのだろう
竹林が風情豊か
急登の木々を抜けると
青空が!

 山頂は、とにかく眺望が良い。琵琶湖を挟んで比良山系の山々が頭に雪を被って連なっているのが見える。反対側は安土城や観音寺城のある場所も見える。ロープウェイで上がってくる客のためにトイレの設備なども充実しているし、広場がたくさんあるので数人でお弁当を広げたとしても他の人の邪魔にならないだろう。ましては日本百名城であり、まつわる歴史が面白い。見どころたくさんの鶴翼山である。
不慣れなリーダーであるために、解散後のお楽しみを踏まえて観光地にしたのだが、そんな心配はいらなかった。我ながら満足度の高いハイキングコースを選択したなと思った。

眼下に広がる景色
遠くに見える比良山系山脈
雪をかぶってる
山頂に鎮座する村雲御所
瑞龍寺のニャンコ
ポーズをとるのが上手い

 鶴翼山から北へ数分で北ノ庄城に辿り着く、そちらも立て看板やらパンフレットやらがたくさん置いてあって飽きることなく、北ノ庄神社に下る道もとても綺麗に整備してあって申し分なかった。この町の人も自分たちの山を大事にしているんだなと言うのがよくわかった。
この短い縦走路は、それほど体力も時間もさほど使わずに楽しめる初心者向けのコースだと思う。勿論、トレッキングシューズやストックは奨励したいところだ。

中世の土の城
城に向かう土橋
縄張り図も丁寧に描かれていて楽しい


北ノ庄神社に下山
北ノ庄神社はとても素敵な神社
近江八幡は町の散策も楽しい

 下山開始から20分ほどで北ノ庄神社に辿り着くと、ちょうど愛犬と戯れている町の方がいてお話を伺った。
「今度、20名ほどでハイキングで訪れたいのですが、下山した後にこちらの神社の片隅でティータイムを設けてもいいですか?」
「構わないよ。どちらからいらっしゃった?百之神社ももじんじゃには行った?百之神社はいいよ」

 教えてもらった百之神社は、さらに北へ向かう八幡山縦走路の終点地点で、鶴翼山から2時間ほどかかり、今回はそちらには行かないのだけれど、そんな話を聞いたら次は是非とも百之神社に行かなくちゃと思った。
 
 滋賀県は、私の住む兵庫県からは近くて遠い町だけれど魅力的な場所がたくさんあり、近江八幡の魅力に呑まれた私は、これからもどんどん訪れることになるだろう。そして山を愛し、いつも綺麗に整備してくれているボランティアの方々に感謝を申し上げたい。
  『ほんとうにありがとうございます。』
それと、ベテランハイカーと巡ったこの素晴らしい一日にも感謝!
あとは当日、今回の下見山行のようにお日さまが顔を出してくれますように!お願いします!!




この記事が参加している募集

一度は行きたいあの場所

この街がすき

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?