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『ティル』イスラエルのアラブ人の現在と同じ(世界の歴史)

 舞台は1955 年、イリノイ州シカゴと黒人差別が激しい南部のミシシッピー州で起きた実話をベースにした映画だ。

 夫が戦死して以来、空軍で唯一の黑人女性職員として働く主人公の母親は、14歳の一人息子と平穏な日々を送っていた。息子が初めて生まれ故郷を離れ、ミシシッピ州マネーの親戚宅を訪れた際に悲劇は起こる。飲食雑貨店で白人女性に向けて「口笛を吹いた」ことが白人の怒りを買い、白人集団にさらわれ、壮絶なリンチを受けた末に殺されて川に投げ捨てられた。

 息子の変わり果てた姿と対面したメイミーは、この陰惨な事件を世に知らしめるため、息子の遺体をオープンにし葬儀を行った。同じ母親しての心情は時に黒人白人の枠を超え伝わり、1957年の公民権法獲得までに大きな影響を与えたという。

 67年後の2022年、この息子の名前を付けた「テメット・ティル反リンチ法が制定された。67年以上前のミシシッピー州の黒人は、イスラエルに住むアラブ人と同じように2級市民だったのだ。

Creative Organized Technology をグローバルなものに育てていきたいと思っています。