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『武蔵野夫人』恋が縁の付近?(日本の歴史)

 溝口健二監督の作品を追いかけてこれを観てみたが、戦後の武蔵野を舞台にしたメロドラマだった。原作は『野火』の大岡昌平。

 1951年のこの作品は、1954年の『近松物語』のような姦通系のストーリーだが、戦後1947年(昭和22年)に施行された日本国憲法には、男女平等が定められ(第14条)、男性にとって都合の良い姦通罪は、同条に違憲となる状態となり、刑法改正によって、刑事罰としての姦通罪は廃止された。

 主人公は日本の伝統的な家に対する考え方をもつ女性で、その夫はフランス文学の教授。彼は儒教の忠孝が住みにくい世の中を作ってしまった考えている。原作が戦後すぐにベストセラーになったのは、姦通罪廃止という時代の変化を先取りしたからだろう。

 ここで描かれている武蔵野は国分寺のあたりを指すのだろうか。恋ヶ窪近辺と思われる風景は田園と湧水による池が美しい。

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