見出し画像

『アナザーラウンド』人生は思い通りにはいかない

 ノルウェーの哲学者フィン・スコルドゥールの「人間は血中アルコール濃度が0.05%足りない状態で生まれてくる」という理論(=血中アルコール濃度を0.05%に保つことで、リラックスでき体中に力と勇気がみなぎってくる)をヒントにしたデンマーク映画。

 4人の高校教師がフィン・スコルドゥールの理論を実践し、論文を書こうということになった。実験は次の3段階で行われた。

1)ワイン1杯から2杯で血中濃度を0.05%を保つ。これによってそれぞれの教師は身体中に体力と勇気がみなぎる。

2)アルコール摂取量は個人が判断して増やしてもいいとした。この段階で血中濃度は0.1%となり、仕事の向上と意欲向上につながった。

3)血中濃度の限界に挑戦する段階で、血中濃度は0.18%となり、開放感による心理的影響を観察した。

 実験は終わったが、アルコールを制御できなくなった1人の教師がボートで死んでしまう。北欧では高校生の頃から酒をがぶ飲みする習慣があるという。酒は飲んでも飲まれるなというが、まさにこの映画は、そのことを教えてくれる映画だ。

 タイトルのAnother Roundは英語で 「もう一杯」という意味。ちなみに、最近、40年以上の付き合いがある名古屋の友人が、アルコール依存症の影響からか、去年の8月に暑い夏に一人で死んでいたことを、最近知った。映画だけの話でなく、このようなことはどこの国でもあるのだろう。


Creative Organized Technology をグローバルなものに育てていきたいと思っています。