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『スパイの妻』アドホック組織であった関東軍

 関東軍の731部隊(関東軍防疫給水部)のペスト菌による生物兵器などの開発を告発しようとした夫と妻の物語。イスラエルやアラブのスパイ映画を観すぎているためか、設定が現実的でない印象を受けてしまう。

 それにしても、関東軍というのは不思議な組織だ。 日露戦争によって獲得した関東州と南満洲鉄道の守備や諸権益確保を目的にした駐屯軍というアドホックな組織にも関わらず、本部を無視して既成事実を作っていく。アメリカ軍のタスクフォース組織がそれにあたるとしたら、やはり目的を明確にして、それが達成できたか否かという判断を入れた期限付としておくことが、アドホックな組織には必要なことなのだろう。

 そうでないと、アドホックな組織で成立してしまった地位や立場を守るという意識からパーマネントな組織構造に変質し、全体の統率から離れてしまう。

Creative Organized Technology をグローバルなものに育てていきたいと思っています。