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『それでも、対話をはじめよう 対立する人たちと共に問題に取り組み、 未来をつくりだす方法』問題を3つの複雑性に分類するのはわかりやすい(環境研究)

 世界一のファシリテータ、アダム・カヘンの「変容型シナリオプランニング」が今回のガザ戦争に参考になるのかを確認するため読んでみた。
 問題が手強いのは、次の3つの面で複雑だからだとしている。

1)ダイナミックな複雑性
 原因と結果が空間的、時間的に近接している場合はダイナミックな複雑性は低い。たとえば自動車のエンジンの問題などだ。しかし、アパルトヘイト時代の教育政策が現在の雇用に影響したりすることは、原因と結果が空間的、時間的に遠く、ダイナミックな複雑性が高い。

2)生成的な複雑性
 問題に関わる未来が予測可能なものは、問題の生成的な複雑性が低いが、問題にかかわる未来はよくわからない予測不可能なものは高い。

3)社会的な複雑性
 問題の一部である人々が共通の前提、価値観、根拠、目的をもっている場合、問題の社会的な複雑性は低いが、問題の関係者たちのものの見方が大きく異なる場合は社会的な複雑性は高い。

 アダム・カヘンからのメッセージは「分かれた個が、互いと全体がつながり、一体感をもつことによって未来を創造できる」というものだ。これは南アフリカのようにネルソン・マンデラを釈放し、アパルトヘイト廃止後には役立つだろうが、その前には役立たなさそうだ。なぜなら対立するそれぞれのステークホルダーが一体感をもつことになるからだ。
 しかし、アダム・カヘンの上記の3つの視点は問題の複雑さを整理する上で納得感がある。

Creative Organized Technology をグローバルなものに育てていきたいと思っています。