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『ブレイブハート』ラストシーンはイエスの最後と重なる(世界の歴史)

 スコットランドの歴史は正直ほとんど知らない。しかし英国のEU離脱で、英国から独立し、EUに参画するニュースはたまに目にする。この映画は、イングランドの支配下にあったスコットランドが、ウィリアム・ウォレスというリーダーを得て、自由を勝ち取るまでの物語。

 スコットランド側が勝利し、キーになった『スターリング・ブリッジの戦い』は草原で行われた。迫力ある騎馬による戦闘シーンなので、黒澤明の『乱』の戦闘シーンを思い出してしまった。『乱』の戦闘シーンで騎馬が川を渡るシーンの「音」と「映像」のリアル感を超える映像には出会ったことがないが、どうも黒澤明はこういうシーンを撮りたかっただけではないか、とも思えてしまうのだ。

 この映画の監督で主演でもあるメル・ギブソンは少し違う。最後のウィリアム・ウォレスがロンドンで内蔵をえぐられた後に処刑されるシーンは、まるでイエス・キリストが処刑されるシーンと重なる。そして同じように、その悲惨な最後が原動力になり、後を継いだ人たちが意志を継ぎ、プロジェクトを成功に導く流れまでそっくりだ。メル・ギブソンは『パッション』という映画の監督でもあり、熱心なカトリック教徒でもある。

 戦闘シーンが長いので、そのときは『乱』を思い出したが、最後のシーンを経た後は、『パッション』を思い出した。また貴族社会に生きるスコットランドの人の心意気も伝わってきて、塩気のあるピートで造ったボウモアかなにかを買ってきて、小さなグラスで飲み干したい気分になる映画だ。(ボウモア、サントリーが買収したんだ、知らなかった)

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