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人種:日本人には解りにくいアカデミー賞の事情

アメリカ映画は、政治と切り離せない。従って、ハリウッドの祭典、アカデミー賞は、その年のアメリカにおける一番の問題を取り上げた映画が選ばれることが多い。


昨年の受賞は、白人と黒人の「融和」を描いた「グリーン・ブック」。そして、脚本賞では、ハーバード、コロンビア、ニューヨーク大学で常勤の大学教員でもある、スパイク・リーの「ブラック・クラングスマン」が受賞。


スパイク・リーは、「Do the Right Thing」 や「マルコムX」など、黒人差別を正面から描いた映画で物議をかもしてきたカリスマ。オバマ大統領夫妻が、デートで最初に観た映画が、「Do the Right Thing」であった。


昨年の受賞式は、作品賞候補作をゲストが紹介する趣向だったが、この映画を紹介したのは、バーブラ・ストライサンド。ロシア系ユダヤ人の彼女は、リーと同じブルックリン出身で、映画監督として力量を発揮しながら、その強いフェミニズム思想で、候補から漏れてきた戦う人。民主党応援の代表的なハリウッド・セレブで、トランプ批判の歌までリリースしている。今回の受賞式は、トランプによって分断されたアメリカの回復と多様性がテーマだっだようだ。


トランプが選出された大きな理由は、オバマの存在にあると思う。中流から落伍した白人層にとって、オバマは一番苦手なタイプだろう。そういう白人と黒人のホンネを、KKKへの潜入捜査を白人・黒人で行いつつ、ぶつける、実話に基づいたこの映画の、パンチの効いたセンスが、映画人リーの復活の要因なのだと思う。


このタイプの映画、日本人と韓国人のネタでリライトして、日本で映画が作れるだろうか。SOFT BANKのCM「ホワイト家族」で、平気で変な長男が黒人として出てこれる日本では、まず無理かな(笑)ちなみに、慰安婦像のよる反日キャンペーンは、アメリカに移住した韓国人が、黒人差別反対運動の手法に学んだものであることは、知っておいた方がいいだろう。

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