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英語のDictation


Dictationとは

音声を聞いて、それを文字におこす(書き取る)作業です。
外国語の先生の中にはこの形式の試験をする人もいます。私は大学の一般教養で初めてDictationという形式の試験を受けましたが、教科書丸暗記して受験したので、その時は Dictation の真の恐ろしさ(!)を知らずに単位を取ってしまいました。

ちなみに Longman 英英辞典では以下のように説明されています。

[countable]
a piece of writing that a teacher reads out 
to test your ability to hear and write the words correctly

  例文 :   I hate doing French dictations.


Dictationをやってみた

Dictationの真の恐ろしさ(?)を知ったのはつい先ごろ、英語のリスニング力を鍛えるんだ!と意気込んで(※)、「あ、学生時代にやったアレがいいんじゃないかな・・・でもどうやるのが正しいんだろう?」とネットで調べて(←この時点で学生時代のDictation経験がニセモノであることは明らか😢)、以下のページを参考に試してみた時です。

※リスニング力を鍛えるんだ!と思い立った動機はこちらの記事に。



やってみたら、なかなか酷いことになりました。恥を忍んで、私の間違いを晒します。以下、間違った部分は取り消し線で消して、正解を太字で書いています。


事例1

Overall economic activities edge is edged down in the first quarter, as unusually sharp swings in the military upset ___ inventories and net exports is more than upset offset continued to strong underlying demand.

  • edged(動詞の過去形)を edge is と誤認した。これはedgeを動詞として使うことを知らなかったことが原因。文には動詞が必要という構文の知識から文章をひととおり書き終わったところに後付けで「is」を捏造してしまった。

  • inventories をなぜか「the military upset XXX」と誤認した。めちゃくちゃである。

  • net exports の「net」を完全に聞き逃し、exports の「s」も聞き逃した。

  • offset を upset と聞き間違えた。なかなかの重症である。

  • continued の末尾の「d」を聞き逃した。単数複数の区別がつかないだけでなく時制の区別もつけられていない。


事例2

The tightening financial conditions that has we've seen in recent months should continue to temper growth, and help bring demand into better balanced supply balance with supply.

  • conditionsの「s」が聞き取れなかった。金融の引き締め的な条件は1つではない(金利も上げているし量的引き締めもしている)から複数形にしているのに、その「s」が抜けて単数にしてしまったら、今はそのうちの何か1つにしか焦点を当てていないかのような誤解を与えてしまう。

  • we've(we have) を has と聞き間違えた。よくよく意味を考えれば has なわけがない。The tightening financial conditions(引き締め的な金融の条件)が、自発的に「見る」という動作をするわけがないのだから!we(我々、つまりFRB)が、The tightening financial conditions をここ数ヶ月の間見続けている、なら意味を成す。

  • balance with supply を balanced supply と聞き間違えた。これでは「需要が供給と均衡状態になる」ではなく、「需要が『より均衡した供給』になる?」みたいな変な意味になってしまう。


事例3

In contrast, growth in business fixed investment appears to be slowing, and activity in the housing sector looks to be softening in part reflecting higher mortgage rates.

定冠詞「the」が聞き取れなかった。sector は可算名詞なので、単数形で使う場合には「a」か「the」が必須、というのが文法書の教えるところ。


Dictationをやってみて、思うところを述べる

なかなか目も当てられない結果になったし、正直なところめちゃくちゃ疲れたし信じられないくらい時間もかかりました(全体で1分程度のスピーチを全部書き取るのに1時間以上かかった😓)。もう1回別の教材でやろうかと言われたら逃げ出したくなるくらい、相当気力振り絞らないとできない作業です。
でも1回やってみて、どういうところでミスしやすいかは見えてきました。たとえば、

  1. 冠詞を聞き逃すことが多い

  2. 単数形と複数形の区別が意識できていない

  3. 助動詞(would や have など)のような、時制や文全体の意味に影響する単語をけっこうな頻度で聞き逃す。

など。これはたぶん「聞き取れない」だけの問題ではなくて、文法、構文力の強化が必要です。英文を読むだけなら(読んで和訳とかするだけなら)、たぶんそこまで力がなくてもなんとかなっちゃうんです。少なくとも日本の学校の試験にあるような、和訳しなさいとか空欄埋めなさいという問題に対しては。大学入試とか通ったのに英語できないの、不本意ながら納得してしまいました。もっとも最近の入試がどんな感じなのかは知らんですが。


ということで、めちゃくちゃ疲弊したけれど(←しつこく言っちゃう)、次のステップに進むためには必要なことで、やった価値はあったかなと思います。


次のステップは分かってしまった数々の弱点の克服ですが、これもまた相当に骨が折れそうな・・・そもそもできんのかしらと思ってしまいます。たとえば「3. 助動詞などを聞き逃す」ですが、聞き逃してしまう助動詞なんかはそもそも音が弱かったり前後の単語とくっついていたり(we've とか)して、日本語話者の耳でこれを「意味のある音」と認識するのは相当厳しいだろうな・・・とか。


補遺

記事冒頭のイラストは、えびんぐ!さんの「レコードうさぎ」。和みますね。すてきな絵をありがとうございます。


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