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ネガティブフィードバック

ネガティブフィードバックとは、良くなかった点を伝え、改善する方向でフィードバックすることを指します。ポジティブフィードバックに比べ、ネガティブフィードバックは相手にとって痛いところをつくため難易度は高いと感じられるコミュニケーション法です。

良いネガティブフィードバックで得られる効果

ネガティブフィードバックを通した改善により、生産性の向上や目標達成といったパフォーマンスを上げる効果はもちろんのこと、正しく行うことで、部下との信頼や絆が深くなり、チーム力やエンゲージメントを高めるといった人間関係の強化まで、大きな効果に繋げることが可能です。

問題を受け入れ、行動変容に繋げられる

ネガティブフィードバックでは、成果向上や目標達成に向けて足りないことや改善点を適切に指摘します。部下は現状できていることと、できていないことや目標とのギャップを客観的に正しく受け入れざるを得なくなります。目標達成や改善に向けた軌道修正がしやすくなるため、PDCAが早く回るようになり目標達成に繋がります。

部下のパフォーマンスが向上する、成長する

ネガティブフィードバックには2つの側面があります。一つは、部下が苦手なことやできていないことなどのマイナス面をゼロ(=普通レベル)まで押し上げるものです。

もう一つは、部下の成長を促すために、うまくいっていることでも、あえてフィードバックを行うことです。これを行うことで、現状維持の壁を越えさせることができます。

ポジティブフィードバックは、今の延長線上で持ち味やスキルを伸ばす手助けになりますが、その成長スピードを越えた気づきと行動変革を促せるのは、ネガティブフィードバックが持つ大きな効果と言えるでしょう。

深い信頼関係につながる

ネガティブフィードバックは、どんな伝え方をしても、相手にとって耳が痛い事であることに違いありません。また、上司と部下の間に強い信頼関係がないと成立しません。たとえ上司が部下に「信頼している」「私は部下のあなたを守る」と想いを伝えたり「スゴイね!」と褒めたりするだけでは信頼関係は深くなりません。

「この人の言うことを聞くと確実に成果や成長に繋がる」という指示の具体性、確実性があって初めて部下の心に響き、指示によって成果が生まれる確実な再現性の積み重ねを得てこそ信頼関係が強く深くなります。

部下の改善点をピンポイントで指摘し、正しく導くネガティブフィードバックを効果的に行うことで、信頼関係を強固にしていくことができるのです。



間違ったネガティブフィードバックで起こるリスク

ネガティブフィードバックが機能すれば高い効果を生む反面、間違った方法で行うと、大きなマイナスインパクトを与え兼ねません。間違ったネガティブフィードバックを行うとどんなマイナスインパクトがあるのか解説します。

モチベーションの低下や退職のリスクがある

ネガティブフィードバックを受けると、少なからず誰しもモチベーションが下がります。間違ったネガティブフィードバックを行うと、部下の自尊心も仕事に対するモチベーションも著しく傷つき、パフォーマンスがフィードバック前より落ちることもあります。その結果、会社や職場が楽しくやりがいがある場所ではなくなり、退職に繋がるリスクもあります。

「敵」と受け取られてしまう

人は、自分に対しネガティブなことを言う人は「敵」、ポジティブなことや自身の成長に繋がることを教えてくれる人を「味方」と判断する傾向があります。間違ったネガティブフィードバックを受けることで、仕事に対するモチベーションが下がるだけでなく、相手を「敵」とみなし、会社や上司に対する信頼関係が失墜するリスクがあります。信頼関係を築き上げるのは大変ですが、壊れるのは一瞬です。信頼を失うと、職場や上司に対して常に反発や対抗心を持ちピリピリした職場になったり、チームを巻き込み退職者が続出するなどのリスクが高まるため注意が必要です。

チーム、組織の雰囲気が悪くなる

間違ったネガティブフィードバックにより、モチベーションが下がり上司の信頼が失墜することで、チームとしても機能しなくなります。上司の言うことを部下が適当に聞き流すようになったり、モチベーションが低い状態が続くことでパフォーマンスも落ち、部下の成長も停滞。チームワークも弱くなり、仕事の連携ミスも多発するギスギスした職場になります。

今は二人に一人は転職する時代です。特に若い世代は退職することに対して抵抗が低いため、一人退職者が出ると、さらに職場の雰囲気が悪くなり退職連鎖が起きたり、社員がまとめてライバル会社に移るような事態が起こることもあり得ます。


良いネガティブフィードバック 6つのポイント

1.ネガティブフィードバック=批判ではないと理解する
2.人格そのものを否定しない
3.客観的かつ具体的に伝える
4.部下の主観に沿って伝える
5.タイミングや場を大切にする
6.追い詰めない

それぞれ解説します。

ネガティブフィードバック=批判ではないと理解する

ネガティブフィードバックは、「パワハラと思われるのではないか」「自分が嫌われてしまうのではないか」と悩む管理職も少なくありません。ネガティブフィーバックは批判ではなく、相手をより良くするために行うものです。

部下の成長を促すため、部下ができていないと自覚していることに対し、こうすればうまくいくというコツや手本を示したり、現在のアプローチよりも高い視点や視座で物事を判断するポイントや具体的な行動を教えることが重要です。ネガティブフィードバックは、部下の成長やパフォーマンスを向上させるものであると理解しましょう。

人格そのものを否定しない

ネガティブフィードバックでは人格そのものを否定しないことです。指摘するのは、フィードバックを通して「変わるところ」です。「変われるところ」=「問題のある行動」にフォーカスしてフィードバックしましょう。効果が出る行動を実際に行うことで結果に繋がり、「やれる感」「できる感」が強くなり、今までの思考や行動の癖を捨てる勇気が生まれます。それにより、パフォーマンスが上がり、自信が生まれます。その上、効果的な行動に修正してくれた上司はありがたい存在に変わり、信頼関係も強くなり、以降の指導もきちんと受け入れてくれるようになります。

客観的かつ具体的に伝える

ネガティブフィードバックで指摘されたことを、部下が自ら修正し、指導した方法で成果やパフォーマンスを再現できるようするには、客観的な事実に基づいて伝えることが重要です。そのためには、上司と部下の目線や理解を同じにすることが必要です。例えば、「今月末には〇〇してください」などのように抽象的な言葉では、解釈にズレが生じます。このような場合、28日か31日か解釈の幅が出来てしまい、やるべきタイミングを逃してしまう可能性があります。また、受け手の部下としても「月末などとざっくりした表現ではなく、28日なら28日と言ってくれればいいのに」と上司の指示の仕方に対する不信感を抱きます。期限や行動を「28日に〇〇してください」と具体的に指示すれば、上司と部下の間で認識にズレが生じません。客観的な事実に基づいたコミュニケーションで、部下は上司の期待に沿った行動ができます。コツは「形容詞」ではなく「数字」と「名詞」で伝えることです。

部下の主観に沿って伝える

ネガティブフィードバックは、客観的かつ論理的であっても正しく伝わるとは限りません。主観は人それぞれ違います。上司と部下の主観がかみ合わないと、たとえ部下が理解を示していたとしても、違う基準で判断し行動をとることになります。それにより「わかったと言っていたのにわかっていない」「言った通りにやったのに違うと言われた」などのスレ違いが起こり、成果もでない上に不信感だけが積み重なることになります。コツは、部下の主観に沿って、上司が伝えることの順番を入れ替えて伝えることです。主観は「優先度」「判断基準」で構成されます。部下が何を大事に思い、優先順を考えているか、どんな判断基準でそれを判断しているかを知ることです。同じ事を伝える場合でも、上司が自分の主観で話すのではなく、部下に「何を優先度高く考えているか?」「どんな基準でそれを判断しているか?」を確認しながら伝えることで、正しく部下に伝わるようになり、「言った/言わなかった」などのスレ違いはなくなります。

タイミングや場を大切にする

ネガティブフィードバックは、「あれ?」と思ったその場で伝えることが重要です。しばらくたってからの指摘では、リカバリーが難しくなるため、問題行動があったらその場で伝えるか、なるべく早いタイミングで伝えることを心がけましょう。また、フィードバックする場所を選ぶことも重要です。大勢の前でネガティブフィードバックをすると、受けた本人は必要以上に傷つきます。ネガティブフィードバックは、相手が素直に受け入れてくれなければ、論理的でどんなに正しくても機能しません。素直に受け入れてくれるよう、伝える場所を選ぶように配慮しましょう。

追い詰めない

ネガティブフィードバックは、相手の行動を正しく導くものです。決して精神的に追い込んではいけません。当事者意識をより引き出そうとプレッシャーをかけるよりも建設的なアプローチが重要です。プレッシャーをかけ続けると、思考力が止まり問題行動を繰り返す、部下がメンタル不調に陥るリスクも発生します。プレッシャーやストレス耐性は個人差があり、上司からのプレッシャーは回を重ねるごとに強度が増すものです。「ここまでプレッシャーをかけても大丈夫だろう」ではなく、プレッシャーはネガティブフィードバックを受ける時点で既に存在していると念頭に置き、注意深くフィードバックを伝えるようにしましょう。

追い詰めないための注意点

部下が期待どおりに動いてくれないと自尊心が傷ついたからといって、通常の会話さえトゲトゲしくなると、パワハラに感じとられ兼ねません。行動変革に繋がる点に絞って指摘することを心がけ、部下を追い込まないように注意しましょう。

感情のままに伝えない
正論で相手を言いくるめない。部下が自ら納得できるのが理想
行動全部を否定しない
一度にたくさんのことを指導しない。1~3つにおさめる

https://www.manpowergroup.jp/client/manpowerclip/hrtraining/negative-feedback.html

Y:ネガティブフィードバックを学んだ
W:利用者さんには色々な人がいてる。特に俗称:大阪のおばちゃんは手強い。平気で「宿題してないよ〜」とおっしゃられる。褒め倒すだけでは響かない人もいる。その為にもちゃんとネガティブな方法も選択する必要があると思って調べてみました。ポジティブとネガティブ、しっかりと意識して使い分けよう。
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