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insulaの個性

こんにちは!Ring Artistのinsulaです。
すっかり暑くなりましたね!
涼しげな石の写真をお楽しみください。

最近、いろんな天然石や鉱物を扱った作家さんや業者さんが増えてきましたね。
insulaが指環屋さんを始めた数年前までは、あまり天然石や鉱物をそのままジュエリーにしたブランドは多くはなかったのですが、一気に増えた感じがあります。理由としては鉱物のイベントが多くなり、業者さんも一般向けに石を販売するようになって、石を買うことにアクセスがしやすくなったからでしょうか。私もそうして新規参入できた一作家です。

誰もがいい品質の石を購入できるようになり、とても安価に素敵にお仕立てしてくれる業者さんも増えました。多少のお金があれば自分好みのジュエリーを作ることも可能です。

じゃあ、insulaの指環を買ってもらう理由ってなんだろう。

って最近考えています。

石が好きな人は自分好みの石を買って、安くお仕立てしてくれるところに持っていけばとても綺麗に作ってくれます。価格で勝負しようと思ったら、仕入れから発送まで一人で工程を担っている自分にはとてもできません。作れる数も売れる数も限られています。

デザインもシンプル。凝ったデザインも考えましたが、結局「毎日着ける」ことを考えると飽きがこないもっともシンプルなデザインになりました。

一番拘っていること。

それはもしかしたら「肌触り」なのかもしれないなと最近気がつきました。
金属の質感。重み、柔らかさ。

少しづつ外注できることが増え、できたものを通してやりとりをしていると、仕上がりに対して「普通はみんなこうしています」とか「従来通りのやり方です」と言われることが多く、それでも納得できない部分はやり直しをしてもらったりしています。見た時の質感や柔らかさ。角の丸み。もっともっと繊細なほとんど知覚できないほどの感覚。

例を挙げるとどうしてもメッキ加工の質感が苦手なので全て研磨からやり直してもらいました。通常、特にシルバー素材などはすぐに硫化といって黒く変色してきてしまいます。10金や18金も時間が経つと少しづつ落ち着いた色味に変化するのです。そのため、薄い変色しにくい金属の層をジュエリーにはメッキ加工するそうなのですが、これが納得できませんでした。なので私の指環は変色します。銀は身につけずに置いておけば曇り、金も少しづつ質感が変わります。

でも、まさに「肌感覚」といったものなのですが、メッキをしない18金などは特に、肌に乗せた途端にしっとりとしたとても心地よい肌触りがするのです。素材の良い生地に袖を通した時のような、無添加の食べ物を食べた時のようななぜかほっとする感覚。すぐに変質するけど、ちゃんとお手入れすればずっと使えます。

その感覚は石の輝きとともに大事にしたいと思いました。

個人がデザインしたものの良さというのは、そうしたほんのわずかなこだわりに詰まっていると思います。パッと見たデザインがいい、石が珍しい、かわいい、だけじゃなくて身につける人のことを思って作る作品。全部一緒じゃないからいい質感やテクスチャーへのこだわり。そこの共感してもらえる人の人生を少し明るくできたらいいなと思って作っています。

石を金属で留める。

たったそれだけの作品、商品ですが、そこには色々な思いと試行錯誤があって、私の場合は毎日食べられるご飯のようにそっといつもそばにいて元気をくれる存在であってほしいと思っています。ちゃんとしたお水と火で炊いたご飯と、出汁を取って作ったお味噌汁が毎日の健康を作っている様に。

ちなみに「金」を直接身につけることが健康に良いのではないかというお話はまた次回。

insula

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